急速な格差化|単身世帯の半分は45万円以下の金融資産しか持っていない
急速な格差化|単身世帯の半分は45万円以下の金融資産しか持っていない
生命保険文化センターという機関に公表されているデータである。
単身世帯の『中央値』は45万円となっている。
中央値とは高い(低い)ほうから順番に並べたときの真ん中に位置する数値である。
平均値のように、一部のはずれ値によって、数値が大きく変わったりしないので、より実感に近い数値が出てくることもある。
つまり、単身世帯の半分は45万円以下の金融資産しか持っていないということである。
一方、『平均値』は645万円にも上る。
少数のお金持ちがいることで平均値は大きく引き上げられているということ。
急速な格差化が進んでいる。
今後、AIの実用化が進むことで、貧富の格差がさらに拡大すると言われている。
アメリカの経済学者で、クリントン政権下で労働長官を務めたロバート・ライシュは次のように述べている。
『世の中の仕事は頭脳労働とマックジョブに二極化する』
日本もその道を辿っている。
マックジョブとは
マックジョブとは、マクドナルドのアルバイトに代表されるような、マニュアルに沿って行えば誰でもできる仕事を指す。
もともと仕事は『専門性の高いもの』と『誰でもできるもの』に分かれていた。
それでも、ロボットなどによる自動化が進むまでは、誰でもできる仕事にそれなりの給料が支払われていた。
ただ、それは『労働者として必要だった』から。
機械のように、人に代わって労働してくれる存在があれば話は別である。
今では、多くの仕事がマックジョブになっている。
『誰でもできる仕事』をしている人は、社会に変化が起こったとき、一気に窮地に追いやられてしまうというのが現状である。
しかし、ほとんどの人は、自分の仕事が『誰でもできる』ようになったことに気づかず、『専門性の高い仕事に就いている』と思っている。
この思い込みと現実のギャップに早く気づかないと、取り返しのつかない状況に陥ってしまうかもしれない。
されに残酷なのは、ごく一部の人は、給料の高い専門的な仕事を続けられること。
そして、彼らの年収はどんどん膨れ上がっていく。
これまでだったら『誰でもできる仕事』に支払ってきた人件費をカットできるのだから。
『誰でもできる低賃金の仕事』に就く大多数の人たちと、『専門性の高い高賃金の仕事』に就く少数の人たち。
フランスでは、こうした格差社会への反発として、黄色いベスト運動が起きているのではないか。
黄色いベスト運動とは、2015年から2020年にかけて実施されている自動車燃料の増税に対する抗議運動である。
<参考書籍>
ひろゆき著『叩かれるから今まで黙っておいて「世の中の真実」』【三笠書房】