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中高生の入院環境

今、大阪にあるTSURUMIこどもホスピスさんでは「病気と向き合う10代の若者が好きなことを当たり前にできる環境づくり」を推進されていていて、その1つとしてゲーミングルームを作ろうとされています。そこに至るまでの想いや経緯はTSURUMIこどもホスピスさんのHPに詳しく書かれています。ここでは私の体験談(約30年前)を書きたいと思います。

私は小学5年生の時に初めて入院し、その後中学を卒業するまで頻繁に入退院を繰り返していました。小児病棟には赤ちゃんから中高生まで幅広い年齢の子どもが入院していました。治療内容や病状によって個室に入ることもありましたが、大部屋に入ることが多かったです。大部屋はある程度年齢と病状で分けられていましたが、部屋数が多いわけでもなく緊急入院の人が夜中に入ることや部屋の移動も頻繁にありました。部屋から出ることができても、病棟にあるプレイルームには小さな子ども向けのおもちゃや本が置いてあるのであまり入りませんでした。すでに「子ども扱いもされたくないけど大人でもない」という状態だったのです。時々、看護学校の学生さんが実習で担当されることがありましたが、とても困らせていたと思います。「放っておいてほしい。一人の時間が欲しい。」と突き放していました。病気からくる痛みと不安、治療の苦しみ、入院生活のストレス、家族や世間との隔離などいくつもの要因に思春期が重なってどんどん殻に閉じこもることになります。当時は大部屋にテレビもなく、携帯やネットもなかった時代だったので、ベッドでできることと言えば音楽を聞くか本を読むことしかありませんでした。

病棟で同じ年頃の友達ができても、病室を行き来したり夜遅くまで話すということは禁じられていました。それでもこっそりと病室を抜け出して話し込むこともありました。気持ちをぶつけて吐き出す場所が欲しかったからです。当時の友達とはその後ほとんど疎遠になりましたが、今でも大切な思い出です。学校に通って学生生活を送ることができていたら、きっと違う思い出が沢山できたと思います。でもそれができない子ども達もいることを知り、そしてその子ども達にも少しでも明るくて楽しい思い出が作れる場所や環境を提供するための支援が広がることを願っています。




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