インド旅と新潟で学んだ、探究の価値と、主体性を取り戻す方法。
学生サポーターと高校生のMTGが始まった11月!ゆきぐに探究委員会の活動が盛り上がってきています。
教育の日のイベント、まちなか×GAKUENSAI、中学生との対話や、YLCの学生さん主催の越後妻有サミット、インド旅など、盛りだくさんだった11月。
11月の活動を通して感じた「探究の価値」と、「主体性を取り戻す方法」に注目してみました。
大阪府堺市出身。教育大学在学中にフィンランドへ留学。卒業後は大阪府で高校教諭として勤務。その後、スペインの小学校とデンマークのフォルケ・ホイスコーレで日本文化教師を務める。主体的な学びと地域連携を促進するために、2023年9月十日町市に移住。新潟県地域おこし協力隊として、「ゆきぐに探究委員会」を設立。越後妻有を中心とした高校生の探究・教育活動に注力している。
1. カオスなインド旅
5日間、母とインドを旅してきました!
シャワーのお湯が出なかったり、トイレが汚なかったり、牛がいたりすることは想定済み。
4人乗ったバイクが走っていたり、車とリクシャがこすり合いながら走っていたり、予約した部屋が違うかったり。色んな想定外も!
でも、電車や飛行機は時間通りに来たし、優しい人もいたし、ご飯美味しいし、面白い癖が強い人が多いし、色鮮やかで活気があったインド。
旅行中に、インドの友人の言葉を思い出した。
「日本人は、技術力とか、指示されたことをこなす能力は高いけど、予想外のことに対応するのは苦手だよね。インド人は予想外の問題を解決する能力が高いんだよ。」
「インドでは、思っている通りにいかないことが多いからね!例えば、宅配便だってちゃんと届くかわからない。配達の人が事故にあうかもしれないし、ポストを間違えるかもしれないし、道が通れなくなっていることもある。だから、届かなかった場合の案を色々考えてるんだよ。」
「日本は宅配便ちゃんと届くから、届かなかったらどうしようとか考えないでしょ?そんな感じで、色んな想定外のことが起こるから、インド人は問題快活能力とか、発想力が豊かなんだよ!」
インドのカオスさを体験した今、その言葉が身に染みる。
経済格差や、身分制度、多様な宗教があるインド。
今後の変貌が楽しみだし、また行ってみたい。
2. インドと大阪と新潟の違い
Xにもちょっと書いたけど、インドを旅して感じたこと。
完全に私の主観。色んな場面で地域性が出ている。
①何かあった時↓
インド:主張する。
大阪:笑いに変える。
新潟:耐える。(水に流す訳ではない)
②人がいっぱいいる時↓
インド:主張する。
大阪:笑いで注目を引く。
新潟:静かにする。
③誰かが困っている時↓
インド:大勢集まってきて、解決しようとしてくれる。
大阪:「知らんけど」と言いながら情報をくれる。
新潟:静かにできることを考えて、教えてくれる。
それぞれの個性があって面白い。
3. 日本人が主体性を取り戻すために
インド人は、主張して交渉したり、自分で考えて行動する場面が多いから、主体性があって、問題解決の能力が高いのかもしれない。
その力は、これからの世界を生き抜くために重要になってくる。先が読めないこの時代で、インドはどんどん伸びていくんだろうな~!
新潟県教育委員会主催の11/16(土)「新潟県教育の日」イベントにて、
基調講演で工藤勇一氏が、
とおっしゃっていた。ちょっとフォルケ・ホイスコーレの価値観に似ている。生徒が科目を選択し、授業も生徒が意見を述べて変化していく。生徒が主体となった学校。
ということもおっしゃっていた。やっぱり、探究は学校の授業の中でも、生徒が主体的に考えて行動できる時間として、価値がある。
そして、「与えられすぎて主体性を失ってしまった子供にどう接すれば主体性を取り戻せるのか?個人でできることはあるのか?」
という問いが出て、
とお答えされていた。少しでも自分で決めたチャレンジを実行することが大切だと考えて、私たちもゆきぐに探究委員会を運営している。
4. 主体的に行動すること
主体的に行動することはすごく重要。インドと違って、日本で育つと、なかなかみんなの前で主張をするのは難しい。
でも、日本人だって、一人一人しっかり考えを持っているし、やってみたいという気持ちがある。
それを深く実感したのが、11月から始まった、ゆきぐに探究委員会の高校生と、学生サポーターのオンラインMTG。
困っている部分や、今の考えをまとめるのを学生サポーターが手伝ってくれて、次の週までに行うチャレンジを決定する。
高校生メンバーは、テーマに取り組みたい理由や、どんな理想を持っているのかなど、自分の体験に基づいてしっかり考えを伝えていた。
普段は自分の意見を口にする機会が少ないかもしれないけど、自分で考えたチャレンジを実行することで、ゆきぐに探究委員会のメンバーは、自分のプロジェクトを進めている。
5. 探究の価値は、主体性を育むこと?
11/28(木)は、十日町の中学生と「十日町の魅力」について、一緒に話をさせてもらった。雪!優しい人!自然!食べ物!豊かな文化!とか!
そして、「これからの十日町に必要なもの」を最後に考えた中学生たち。
必要なものを実現させるために、行動してみたら面白いんじゃないかな~。
答えのない問いを考える授業で、刺激的な時間だった。
貴重な機会に感謝。
少しでもいいから自分で考えて、何か決める機会が増えると、自分で考えて行動することができる一歩になる。
探究は、自分が面白いと思ったプロジェクトに積極的に取り組み、選択をする機会になるから、主体性を育むためにも価値がある。
6. 最後に
改めて、探究は先が読めない未来を生きる上で、価値がある。
価値があると思える「ゆきぐに探究委員会」や、「総合的な探究の時間」に関わることができて心から感謝。
「主体性を取り戻すために、自己決定の機会を増やす」という趣旨だと、旅に出るのもすごくいい。
スペインの私立小学校で働いていた時、5,6年生が、修学旅行のために、バザーで資金を集めて、ルートを決めて、食料の買い出しに行っていた。
日本の修学旅行も、ツアーみたいな感じじゃなくて、もっと生徒主導の旅になれば面白い。
自分で決める機会に溢れている旅は、人生の勉強になる。
インド旅は、主張して強く生きる人たちの逞しさを教えてくれた。
旅に出るたび、学びがある。
色々書いたけど、
自分の人生の主導権を取り戻すためにも、
探究と旅は素晴らしい。
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