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【勝手に読書感想部】アノニム:原田マハ
[あらすじ]
香港のオークションに出品されたジャクソン・ポロックの幻の絵画「ナンバー・ゼロ」をめぐる、アート窃盗(保護?)集団「アノニム」と、アーティストを志す難読症の高校生、張英才の物語。
[ネタバレと感想]
*以下ネタバレ含みますので、まだ読まれていな方はご注意ください。
場面がテンポよく切り替わり、展開が早くて読みやすかったです。
「アノニム」という集団には、花形オークショニアや天才エンジニア、世界屈指の絵画修復師、0.1ミリ単位の誤差も許さない建築士などなど、各方面のスペシャリストたちが集結していて、その設定だけでもなんだかワクワクしました。
これから何が起ころうとしているのか?
彼らはどういう目的を持って行動しているのか?
少しずつ明らかになっていく感じが楽しかったです。
何より、終盤のオークションシーン!
「ナンバー・ゼロ」を落札できなければ消されるっていうプレッシャーの中パドルを上げ続けるヘロデの緊張感。
オークションの空気を思いのままに支配する、ネゴ。
途方もない金額まで上がり続ける価格。
レコードプライスで落札される瞬間のオークションハンマーの音。
ものすごい緊迫感で、最っ高にエキサイティングでした。
そして、この作品のテーマとも言えいる「アートで世界を変える」件についても!
難読症を克服、3000人の聴衆の前で自分の考えを発信。
アートにおける自分なりの表現を見出し、突き進む決意を固めることができて。
ついでに、好きな女の子ともいい感じに。
まさにポロックの絵画が起こした奇跡!でしたね!
何も起きないかもしれないけど、何か起こせると信じて一歩を踏み出すことの大切さに気づき、行動を起こした英才に、胸がアツくなりました。
読者にも、遠い昔に胸の中に仕舞い込んでそのままになってる情熱を思い出させてくれるようなアツさ。
読了感がすごく気持ちよかったですね。
その後の英才の活躍やゼウスやヘロデ(消されちゃったかな?)、アノニムのメンバーの活動を想像するとワクワクしますよね。
続編とか、アナザーストーリーを期待しちゃいます!