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記事一覧

津野くんの怒り〜海のはじまり第11話 「ママはいない人なの?」

海のはじまり第11話を見てもやもや。何が夏と海の気持ちを隔てたのか。夏はどうすれば良かった…

ヨルシカ「左右盲」に「忘れてください」から流れ着いた

映画を見て、歌詞がスルスルと降りてきて氷解した経験は初めてだ。多くの素材が絡み合っている…

海のはじまり第6話 書きおこしてみた…出産を決めた本当の理由

水季が海を産むことを決めたきっかけは、産婦人科で弥生の書いた文章だった。 他人の影響を受…

海のはじまりとかぞかぞ4つの共通点

2024年夏ドラマの話題作は、海のはじまりと家族だから愛したんじゃなくて愛したのが家族だった…

back numberが描いた新しい恋人達とは〜『海のはじまり』より

back numberの『新しい恋人達に』は、意外な関係性が描かれていた。フジテレビ系ドラマ月9『…

suis from ヨルシカ「若者のすべて」MVでひとつになる想い

suis from ヨルシカの「若者のすべて」Music Videoが公開された。 詩だけ読むと歌の主人公はか…

『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』がぐるぐるまわって自分ごとになった話

今村夏子さんの『こちらあみ子』と『ピクニック』を読んでモヤモヤした。「え、これで終わり?」と何度も頁をめくり直す。気持ちが悪いのでネットで解釈を検索して、ああ、なるほどねと納得した。 両作が収録されている『こちらあみ子』を読んだきっかけは、三宅香帆さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』だ。キャッチーなタイトルに心を鷲づかみされ、時間管理術やマインドの持ち方を教えてくれる実用書だと思った。新書だし。 しかし、期待は裏切られた。明治以来の労働感と読書感を延々と説明する

アンメット第10話 ミヤビがおそれたものは

記憶障害に苦しむミヤビがおそれたのは、三瓶の心だった。 手術をしないで、最後までできるだ…

「僕らはいきものだから」Nコン2024中学校の部課題曲を考える

緑黄色社会の長屋晴子さんが作った曲はいきものの根源に関わるものだった。守られていた人間の…

「明日(あした)のノート」Nコン2024高等学校の部課題曲を考える1

Nコンの2024の季節ですね。高等学校の部の課題曲は、「明日(あした)のノート」だそうです。作…

第9話アンメット〜ある脳外科医の日記の光と影

ケープタウンの学会発表の最後で三瓶医師が言った言葉は、ドラマで何度もくり返されてきた言葉…

ヨルシカの「ただ君に晴れ」に見る夏のはかなさと希望

ヨルシカの「ただ君に晴れ」は、2018年に発売された2nd Mini Album 「負け犬にアンコールはい…

「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」の謎が映画で解けた

好きなことを(仕事に)生かせるなんて、人生舐めてる 主人公の山音麦(やまねむぎ)は、事務…

第8話ドラマ「アンメット」に描かれた過疎地医療

能登半島地震ですさんだ筆者が、医療ドラマをみて感動するだろうか。 結論から言って、いたく心に響きました。 関テレ/フジテレビ系ドラマ「アンメット〜ある脳外科医の日記」第8話は、カテーテル専門医である綾野医師の物語だった。綾野を中心に人間模様が描かれている。これまで綾野はダークサイドの人間かどうかいまいちはっきりしなかったが、今回の話で苦悩する姿を見ると、好感度が大きく上昇した。 父と子Dr.コトーを見ているかのような過疎地医療。往診先から野菜をもらって自転車をこぐ父綾野の