「なりたい自分」より大切なものに気づいたとき
小学生の頃、卒業文集で「将来の夢」を「保育士」と書いた。
特に憧れがあったわけではなく、仲良くしていた友だちが書いていたから「私もそうしよう」と思ったのだった。その友だちは、かわいくてクラスでも人気があって、「あの子が言うんだから間違いない」と感じたのを覚えている。
それでも、心の奥ではそれが本当に自分の願いではないとは感じていた。文集に書けるのは名前のある職業だけ、とどこかもやもやした気持ちも抱いていた。大人が求めているのは、キラキラした夢や希望。でも、それが何なのかもよく