【短歌14首連作】肩が痛い2
*肩が痛くて作った短歌連作の始まりはこちら↓
肩が痛い、ただそれだけでわたしたちわかりあうかもしれぬ初夏
肩こりをきっと武術の達人はわたしが歩くだけで見抜くだろう
湿布薬うまく貼れないもどかしさ えいっ(ぺちっ)が成功しない
わたしたち勉強すれば合格と肩こり持ちにまっしぐらだね
「肩こりは英語で直訳できないんだよね」あ、そうですかあ、そんじゃ。
肩こりを新機能として搭載しいざ東京で大学生に
岩山を木っ端みじんに吹き飛ばす肩こり用ダイナマイトください
湿布薬みりみり剥がすそういえばこのあたりも産毛の棲息地
蝉時雨くぐって急ぐ千円でフルマッサージの福利厚生へ
一年ぶりの声のみ聞いて廣川さん肩でしたね、と指圧師は笑う
うつぶせて左半身まず指圧されればぬううと声が出てくる
肩が痛い、ただそれだけがわたしたちいま生きている実感なんて
人間の肩であるため いや 人間であるために大きく伸びをする
肩こりの予定運命なんてない夏の夕焼けだけ見ていたい
(2019.07.31.)
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