和訳を止めて文脈を見よう
注: この記事は和訳が仕事だった元翻訳者が書いた、「和訳はお勧めしない」という記事です😂カオス
先ほどnoteを徘徊していたら、↓の記事を発見しました。
これほんとその通りです。
外国語をやるときに和訳は害悪以外の何物でもないと個人的に思ってたりします。辞書や他人が訳したものを参考程度に使うならいいですが、自分でコツコツ丁寧に全部日本語訳なんてする必要があるのは翻訳の類の仕事に就きたい人だけではないかと思います。
私は外国語学習をしているときに「以下の文を和訳せよ」みたいな問題が出てきたらその部分はちぎってゴミ箱に捨て・・・るまではいかないですが、ざーーーっと目を通して意味が分かるか分からないかだけ確認して、意味分かんないところだけちょっと調べてすぐ先に進みます。いちいちノートに日本語訳を書くというのは時間と労力の無駄なわりに害ばかりあるというのが私の基本認識であるためです。
私は去年まで翻訳者やってたので仕事で日本語訳をやってましたが、それ以外の普段の生活では一切日本語訳をやっていません。外国語を読んでいて分からない部分があったら辞書を引きますが、意味を確認したらそれで終わりです。
というより、最近は外国語学習に使っているノートに日本語を書き込むのを嫌悪していたりします😂 そのため、私のドイツ語学習帳には最初から最後までドイツ語しか書いてありませんし、フランス語の学習帳にはフランス語しか書いてありません。文法説明とかを書きたしたい時にも日本語を書くと負けたような気がするので(何に?🙄)、わざわざフランス語の文法用語をググって全部フランス語で書いたりしてます。めんどくさい時は基本全部英語で書いてますが
少し前にChatGPTでクロアチア語学習をしたときも英語でやって、2日目あたりからチャットをちょっとずつクロアチア語でやるようにしました。そもそもChatGPTに日本語を打ち込んだこと自体が一度もないような
もうあれから50日くらい経過しているのでクロアチア語は既に忘却の彼方に(白目)
私は基本的に何語であれ翻訳を挟まないでダイレクトに理解・発信しようとしているのですが、それにはやはり実物に触れまくるのが一番早いです。和訳ではなく、各文型や語彙の意味を出来るだけ多く文脈との関係性で覚えるのが理想です。
文脈の例: ハチ
例えば、私が文脈で覚えたものに昆虫のハチ絡みの単語があります。日本語訳を調べたことがないので不正確な部分もあると思いますが、以下に思いついたものをつらつらと並べてみます。
この手の語彙を覚えた背景には、
Youtubeで見たスズメバチのドキュメンタリー
バイオハザードに出てきた蜂のモンスター
The Hunger Games(小説、映画)に出てきた人工的に作られたTracker Jackerという毒バチの描写
ニュース記事で女子サッカーのスウェーデン代表が「Bumblebee」と形容されていた
アジアから欧米に入ってきた外来種のスズメバチが現地のミツバチを頃しまくってると言うニュース
等々割と色々な文脈がごちゃ混ぜになっています。背景なし、文脈なしで単語帳使って蜂絡みの語彙を一個ずつ覚えようとしたら確実に途中で飽きて忘れていたはずですが、おそらくこれらの単語を私は今後氏ぬまで忘れることはないかと思われます。複雑な文脈が絡まり合っててそもそも忘れる方が困難なレベルだからです。
基本的に、言語が使われる背景には必ず文脈(場面)が存在します。単語や文法は文脈に付随しているに過ぎないので、文脈抜きで延々と単語や文法だけ覚えても使えるようにならないのは道理です。
文脈の例: お世話になっております。
例えば、日本語のビジネスメールの冒頭で「お世話になっております。」というフレーズを使うことがあります。ここで「『お世話になっております』を英語でなんて言うのだろうか?」と思ったら要注意です。疑問の持ち方が既にズレています。ここで考えるべきは「英語ではビジネスメールの書き出しをどのように表現するのだろうか?」です。
私が過去に受け取ったメールでは「I hope this email finds you well」みたいな言い回しがよく使われていました。「この文を日本語にするとどういう意味だろうか?」とか考えたことは全くないです。「私はこのEmailがあなたを上手く見つけることを希望しています」とかそんなことを考えても仕方がありません😂(まぁ多分「このメールがちゃんと届いているといいのですが」とかそんな意味でしょう。) この文脈ではこの表現、ただそれだけです。間違っても「お世話になっております。」を直訳して「I'm taken care of by you」とか意味不明なことを言ってはいけないことは確かです🙄
しかし、だからと言って「お世話になっております。」=「I hope this email finds you well」とフラッシュカードにブチ込んだりしてもいけません。相手との関係性によっては冒頭を「Hi!」で始めても特に問題なかったりします。
私が仕事してた頃は海外の翻訳会社の職員と
みたいな超やる気のないメールのやり取りをしててお互い全然お世話になってなさそうな雰囲気がすごい、みたいなこともありましたからとにかく文脈次第です。
文脈の例: お疲れ様です。
「お疲れ様です」を英語で何というのか?などと考えてはいけません。
とか考える人は多分日本に誰一人いないと思いますが、もちろんこんなことではいけません。
「退勤する時、上司や同僚に何と声をかけるのだろうか?」と考えるのが無難でしょう。
その上、この「お疲れ様です。」という表現は「お疲れ」とか「乙!」とかバリエーションがあります。「大学のサークルから帰るときに友人たちに何というのか?」とか「ネトゲで一試合終わった時に何と挨拶するのか?」など、日本語のフレーズそのものより文脈と外国語の表現を連結させるのです。
間違ってもネトゲで試合が終わった時に"Mr./Ms. Tiredness Madame/Sir!"などと言ってはいけません。言わないだろうけど🙄
まとめ
というわけで私は外国語表現と文脈を連結させて覚えることを最優先にしているのですが、この方法の欠点はメチャクチャ時間がかかることです。
頭にボコボコ文脈をブチ込んでいかないといけないので、まずインプットする文脈が大量に必要です(要はAIと同じです)。そのため、短期的には単語や文法をバラバラとインプットする方が一見効率が良く見えます。
しかし、長期的に見れば大量の文脈を巨大な神経網の如く張り巡らせた方が長期記憶の維持という点では簡単になります。事実、私はもう「英語力をどうやって維持しよう」と悩むことはないです。インターネッツ日常生活で散々使っているので、使い慣れてる分野では自転車に乗るのと同じような感覚です。
最近は興味本位でPhrasal VerbsとかIdiomsとかの本を読んだりしてますが、あくまで興味本位なので別にフラッシュカードにして覚えようとかそんな気もありません。
必要に応じて日本語や既習言語の補助を得るのは問題ないのですが(むしろ全く使わないのは無理だと思います)、和訳は出来るだけしないことをお勧めします。
しかし問題は大学受験とかにフツーに和訳の問題が出て来ることですかね('_') いつから大学は翻訳者の養成講座に?😇