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押し付ける店主になっていないか?

「いや、ここに説明書いてますけど?」

と、言いたい気持ちを抑えて
イチから丁寧に説明する。

いや、でも、待てよ。これって…
と、思ったマルシェ出店での出来事を書きます。

似顔絵キーホルダーを制作販売しています!

似顔絵屋さんとしてマルシェ出店をひとりでしている私は、すべてのことをひとりでこなさないといけない。

①じーっと眺めて興味を示していくれている方へまずはご挨拶

②簡単な商品説明

③オーダーを受ける

④代金を受け取る(おつりを渡す)

⑤似顔絵を描く

⑥描きながら余裕があればおしゃべり(ほぼできない)

⑦完成写真を撮る許可取り&撮影

⑧必要であれば包装して似顔絵を渡す

⑨似顔絵を見た時のお客さんの反応にニヤつく

この基本ルーティンを、同時進行でやらなきゃいけないことも当然ある。

例えば、似顔絵を描いている時に、次のオーダーを受けるとか。

ひとりでは対応しきれなくなるのは明白なので、申し訳ないがお客さんにも協力していただこうと、オーダー表を作成してみた。

似顔絵は写真があれば描けるので、公式LINEに登録して写真送ってね。誰がどれかわからなくなるから、あなたのLINEの表示名もここに書いてね。
って、説明を全部書いたんよ。

でも、実際にこれをやってみてわかったこと。

みんな全然、説明読まない!!

「こちらにお名前書いてもらって、ここのQRコードから公式LINEに写真送ってくださいね〜」

って言いながらオーダー表渡すんだけど、とりあえず名前書いて終了して、待ってるの。

あ、そうか。

そこで、痛いほど理解した。

私はこのオーダーの流れを何度も頭の中でシュミレーションして、何回も何回もこねくり回して考えた。

だから、これをこうして、こうして、こう!

で、理解できるけど、

初めて見て、聞いた人からしたら、

「え?え?どゆこと?」
「次、これでいいの?合ってる?」

って、不安になるし、一発で100%理解できるわけないんだよね。


デザインの勉強を始めた頃、受け取り手にいかに読む労力をかけさせないか、人は基本的に読まないもの!と、教わった。

そうだ、そうだ、そうだった。
と、猛烈に反省した。

お客さんが説明を読まないんじゃなくて、読む気にもならなければ、読んでも結局わからないものを、私は作ってしまってたんだなぁ。

ひとりでまわすのが難しいから、お客さんに協力してもらおう。
そんなことを考えるのならば、そのお願いを理解しやすい形にしないと。
そして、協力してもらう手順すらも楽しんでもらえるような工夫をするのが礼儀だろう。

なのに、私ときたら、ただただ自分のお願いを一方的にお客さんに押し付けているだけだった。

お客さんを楽しませたいのに、プチストレスを提供してどうする!バカ!

それと、ふと思い出したことが。

前に入ったラーメン屋さんで、

「ここからこうやって並んでください」
「店内の撮影はご遠慮ください」
「食事中の携帯電話の使用はお控えください」
「コショウは使ったら元の場所へ」
「ティッシュはカウンターの下にあります」
「食べ終わった皿は、カウンターの上に乗せてください」

などなど、あらゆる場所に何枚も店からの説明書きが貼られていた。

なんか…圧がすごいよ…。って、正直思った。

きっといろんなお客さんがいて、こうやってひとつひとつ説明書きが増えていったんだろうなぁと、察しはつくけど、ね。

伝えたい気持ちと受け取る側の気持ち。

お互いが気持ちよくキャッチボールできるように、どんな工夫ができるだろうか。

これ、ちゃんと伝わる言葉かな?
一方的になってないかな?
もっと他に伝えられる方法はないかな?

と、少し冷静に考えてみる。

そして、伝える過程も楽しんでもらえる工夫を忘れないでいたい。

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