退職間近、卵焼きを食べて泣いた話
自分で作った卵焼きを食べて泣くと思わなかった。
別に、特別美味しい卵焼きでもないし、お砂糖とお塩を間違えて入れたわけでもない。
お砂糖とめんつゆを入れた簡単だし巻き卵。
ここ最近ずっと、行動はバタバタ。
気持ちはそわそわしていた。
働き方を変えようと思って行動してきた日々。
ついに今の職場の最終出勤日まで1ヶ月を切った。
わたしはこれからフリーで活動をスタートする。
「大丈夫だよ」と「大丈夫かな」を行ったり来たりして、あれもしなきゃこれもしなきゃと行動行動行動の日々を過ごしてきた私の心は、結構疲れていたらしい。
卵焼きの素朴な味が、何だかじわっと心に沁みたのだ。
食の優先度は下がっていた。
毎食ちゃんと食べてはいるけれど、冷凍食品に頼りすぎていたし、作りたくなくてテイクアウトやお惣菜を買うことも多い毎日を送っていた。
体が喜ぶごはんから遠ざかっていたなぁと思う。
数分もあればすぐに作れてしまう卵焼き。
それでも心に余裕がないときは、この数分もちょっとの動作さえも、なぜかハードルが高くなってしまって、動けない。
そんな中、今日の朝突然、卵焼き食べたいなって気持ちが浮かんできた。
体からの声だったのかなと書きながら思う。
そんな声を大切にできたから、きっと大丈夫。
不安が消えたわけではないけれど、ちょっとだけ心が軽くなって、自分も周りも愛おしく思えた3連休最終日の朝のこと。