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【古事記】国生み 〜ヒルコと日本列島誕生編〜
イザナギとイザナミが日本列島を作るお話です。
前回のあらすじ
・イザナギとイザナミが天沼矛でオノコロ島をつくる
・オノコロ島に天御柱を建てる
・お互いの身体のつくりを教え合う
・天御柱の周りを回って結婚する
前回のお話しの詳細はコチラ。
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イザナギは一抹の不安を抱えながらも無事結婚式を終え、イザナミは妊娠し子供を生みました。
生まれてきた子供は、ヒルのように骨がなく手も足もありません。
その子供に 水蛭子 (ヒルコ) と名付け、小さな葦の船に乗せて海に流しました。
次に生まれてきた子供は、泡のように不完全な身体で生まれてきて、 淡島 と名付けました。
そして、ヒルコと淡島は、不完全な子であったため、子供として認めませんでした。
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イザナギとイザナミは
「私たちが生んだ子は良くなかった。一度、天津神に相談しよう」と言って高天原に戻りました。
天津神は不完全な子が生まれる原因を 太占 で占いました。
太占で占った結果、結婚式で女のイザナミから声を掛けたのが原因だとわかりました。
太占:カメの甲羅や鹿の骨を焼いて、その甲羅や骨に入ったヒビの形で吉凶を判断する古代の占いのこと。
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イザナギとイザナミは、高天原からオノコロ島に戻り、もう一度結婚式をやり直しました。
前回と同じように、イザナギとイザナミは天御柱の周りを回り出会ったところで声掛けます。
天津神に言われたとおり、男神のイザナギから声を掛けます。
「そなたは、なんてイイ女なんでしょう」
そしてイザナミは、
「そなたは、なんてイイ男なんでしょう」
と答え、再び二柱はまぐあい、イザナミは子供を生みます。
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最初に生まれたのが淡道穂狭別島(淡路島)。
# ようやく不完全じゃない子供が生まれた
次に生まれたのが、
顔が4つもある伊予二名島(四国)。
4つの顔には、それぞれ名前があります。
顔の名前は、
愛比売(愛媛県)
飯依比古(香川県)
大宜都比売(徳島県)
建依別(高知県)
です。
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そして、隠伎三子島(隠岐の島)が生まれます。
隠岐の島は、別名 天之忍許呂別 とも言います。
さらに、筑紫島(九州)、伊岐島(長野県 壱岐島)、津島(対馬)、佐度島(佐渡島)が生まれました。
そして、 大倭豊秋津島(本州) が生まれました。
こうして、8つの島が先に生まれたので、日本のことを 大八島国 と呼びます。
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さらに、
吉備児島(岡山県 児島半島)
小豆島(香川県 小豆島)
大島(山口県 屋代島)
女島(大分県 姫島)
知訶島(五島列島)
両児島(男女群島)
これら6つの島が生まれ日本列島は完成しました。
#北海道と沖縄はない
#当時は北海道は未開の地
#沖縄は海外
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日本列島は、イザナギとイザナミの子どもとして生まれました。
そのため、日本列島は神に与えられたというよりは、日本列島自体が神様です。
建物を建てる時、その土地の神に祈りを捧げる地鎮祭。
土地に祈りを捧げるのは日本特有の文化ですが、それは国生みの神話からきているのかもしれませんね。
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ヒルコと淡島が生まれ悩むイザナギとイザナミ。
神なのに神に相談して、その神も占いで結果を神や天命に委ねるのは、神も神頼みする面白い描写だなと思います。
他にも、
天沼矛って何?
ヒルコと淡島は、どうなったの?
オノコロ島って どこにあるの?
天御柱を回る意味は?
などなど、国生み神話にまつわる疑問や謎がありますが、それらは、また別の記事で紹介します。
次回、紹介する古事記のストーリーは、「神生み」です。
色んな神々が生まれますが、最後は衝撃の展開です!
お楽しみに!