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【化学】自分の授業の振り返り(化学基礎編)~実際に授業にかけた時間と教授資料が推奨する時間の比較~
こんにちは、wizです。
卒業式・終業式も終わり、生徒は春期休暇、教員は日々会議にいそしんでおります…。よく「生徒が休みの間、先生方は何をしているんですか?」って聞かれますが、ひたすら会議と書類作成です…。今なら今年度の総括(職員会議、学年会議、教科会議、分掌会議など)、新年度への引継ぎと準備、通知表への所見欄の入力(もちろん終業式後でよい部分ですよ)、そして部活動。授業がある日はもちろんですが、長期休暇中もなんやかんややることは多く、「年休?なにそれ、おいしいの?」といった具合です^^; 教師のバトン…。
とはいえ、どこかでは自分自身の振り返りもしたいなあと考えていて、隙間時間を見つけてはちょっとずつ進めていました。久しぶりに何もない日曜日でまとまった時間が取れたので、備忘録的にまとめてみました。誤字脱字ご容赦を。
0.あらまし
今年の授業の「時間数」の振り返り。まずは化学基礎。単元ごとに実際にかけた時間と教授資料(※1)が推奨する時間とを比較した。これにより、自分の授業が効率よくできたのか、時間をかけすぎたのかを比較することができる。
その結果、酸塩基と酸化還元で、多くの時間数をかける傾向であることが分かった。
今後は二者間に大きな差があったところについてより詳細を確認し、教授する内容の精査や授業スライドの内容の精査を行いたいと考えた。
キーワード 化学基礎 授業時間数 教授資料 標準単位数
1.実授業時間数と教授資料推奨時間との比較
今年は高校2年化学基礎と高校3年化学(理系クラス)を担当しました。その日に行った単元を手帳にざっくり書き記していたので、それを頼りに各単元各章にどれくらい時間をかけたのかを数えてみました。それと同時に使用している教科書の教授資料(生徒が持っている教科書に「教科書ガイド」ってあるじゃないですか。それにあたる冊子のことです。内容の詳細説明や授業の進め方のアドバイスはもちろん、時代背景や歴史背景、その単元で推奨する実験なども掲載されていてとても勉強になる冊子です。お値が張りますけどね。)で推奨する授業時間数を併記し、比較してみることにしました。その結果は以下の通りでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1711271775895-vNuIPM22Qw.png?width=1200)
こう振り返ってみると、
・化学結合は推奨時間よりも少ない。
・酸化還元・電池分野に時間をかけすぎている。
・そのほかはおおむね推奨時間通り。
という結果になりました。
ということで、これをふまえて今後は「酸化還元・電池」のところで、どこにこれだけの時間をかけてしまったのかを検証したいと思います。これにより時間数をへらしてコンパクトにできるようになれば、その分、酸化還元滴定やイオン化傾向の実験(例えば金属樹とか)ができるもんね。
2.実授業時間数と標準授業時間との比較
ついでに、学習指導要領が定める標準授業時間についても見てみることにしました。
学習指導要領では、化学基礎の標準単位数※3を2としています。1単位は35時間を標準としているので、化学基礎を2単位で設定している場合、年間授業数は70時間になります。しかし実際学校現場では定期考査があり学校行事がありと授業以外にも多くのイベントがあるので、1単位35時間計算は現実的ではないと思います。実際に今年の高校2年化学基礎の授業時間を振り返ってみたところ61時間でした(週2コマ設定、授業1時間は50分授業)。ちなみに先ほどの表との差が4.5時間(=61-56.5)ありますが、これはテスト後の復習解説時間などがあったためのズレです。
こう見ると、出版会社が作成している教授資料の推奨時間数は、実際の教育現場の状況を反映して作っていることがわかりました(つまり、化学基礎の推奨時間の合計が70よりも小さい数字になっている)。
今年度の実授業時間数が61時間、教授資料推奨時間が52時間。なので教授資料に沿った授業を展開し、ここに適宜実験や復習演習を入れることで、次年度以降はより順調に授業を進められる…かもしれません(生徒の実態は考慮に入れない^^;)。
3.化学基礎の授業コマ数についての総括と今後の展望
ここまで、まずは化学基礎について、今年の実際の授業時間数と教授資料が推奨する時間数比較をしてみました。いままで自分の感覚で進めてきたり、他校の先生と話をする中で
「いま進度はどこですか?あー、同じくらいですね」
といったやり取りで他校比較をしてきてみたりはしてきました。教授資料ってほとんど見たことがなかったのです。ですが、こうやって教授資料と比較してみるのもとても価値があるなと思いましたし、何より教授資料の数値が割と教育現場の実態に沿った数字になっているということを知る機会にもなりました。
今後は、まず「酸化と還元・電池」のところをもう少し詳しく見てどこに時間をかけすぎているかを調べること。それと、他の単元についても再度授業スライドなどを見返すことをしていきたいと思います。そして何とか実験機会を増やしたいと思います。
化学についても同じように調べてみたいと思います。が、単元多いよね~。こちらはぼちぼちやっていきます。
皆さんはどんなペースで進めていますか?もちろん所属校のいろんな状況によるところが大きいと思います。何かコメント等頂ければ嬉しいです。草の根情報交換ネットワークが作れるといいなぁ。
多くの学校で春休みに入っていると思います。休めるときには休みましょうね、お互いに。
4.参考資料他
※1:数研出版教授資料より標準時間を参考とした(他に”速習”の場合の時間数も掲載あり)
※2:数研出版化学基礎の章立て
※3:標準単位数 「1単位時間を50分とし、35単位時間の授業を1単位として計算するものを標準する」と、学習指導要領に記載されている。
★
ちなみに★マークを付けた単元でおこなった「実験」というのは、
・1-3:共有結合をイメージするために、元素が書いてある画用紙カード同士を、コードがついている洗濯ばさみでつないでいく活動。
・2-1:粒子の個数、気体が占める体積、それと物質量の相互単位変換計算を、カードゲームを使って体験する授業
・2-2:中和滴定(1.安全ピペッター、ホールピペット、メスフラスコ、ビュレットの使い方。2.食酢とNaOHと用いた中和滴定実験)
です。