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書評『シェルフ・ライフ カイロで革新的な書店を愛し育て、苦悩した記録』@関西ウーマン信子先生のおすすめの一冊
関西ウーマン信子先生のおすすめの一冊、 今月はエジプトの首都カイロで書店を立ち上げ、最盛期には10店舗にまで拡大した女性の回想録、『シェルフ・ライフ カイロで革新的な書店を愛し育て、苦悩した記録』です。
著者ナディア・ワーセフさんと姉のヒンドさん、2人の古い友人ニハールさんらが立ち上げた書店ディーワーンは、それまでのエジプトの書店のイメージをまったく覆すものでした。
本書は、成功物語としての語りよりも、むしろ、男性中心社会で女性が理想の場所をつくろうとするときに向き合わざるを得ない、さまざまな葛藤をたどるものです。
お嬢様育ちでありながら、猪突猛進。誰よりもよく働き、情熱的で、ちょっと口が悪くて、強い意志を貫きながらも自分の弱さも率直に認める。そんな女性経営者の、書物への愛や造詣が魅力の一冊です。
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