中野重治
モスクワには、国際交流基金が行う外国文献図書館というものがあり、日本語の本を借りることができました。
しかし、現在の国際情勢の影響をうけて、2022年3月に一時閉鎖となり、2023年3月には、完全閉館になりました。
もう日本語の本を読むことができないかとがっかりしましたが、日本大使館に蔵書が移動して、貸し出すということで、2023年4月からせっせと通っています。
私が読んでいるのは、井上ひさしさんが寄贈してくださった新潮の日本文学全集です。
最近、借りて読んだ本は、『中野重治集』でした。
中野重治という作家を初めて知りました。
『梨の花』という小説は、福井が舞台です。読んでいて、一部は、作家自身の自伝ではないと思う部分もありました。
また、作品に書かれている会話の部分が、当時の福井方面の発音を忠実に再現していると感じました。
通常のひらがな五十音表の音に当てはまらない部分もなんとかひらがなで描き表そうとしている部分があり、興味深かったです。
当時は、そんなにも録音ができる環境ではなかったから、こうやって、文字で再現していると、当時の発音を知ることができます。
また、当時の生活の様子も細かく描かれていて、興味深かったです。
この他に、『汽車の罐焚き』という作品も収録されています。
こちらも当時の蒸気機関車の仕事の様子が詳しく描かれています。
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