
昔々ロシアっぽい架空の国=ゾシア帝国の混血羊飼い少年=ディミトリは徴兵されすぐ敵の捕虜となりフランスっぽい架空の敵国=ランスで敗戦奴隷に堕ちました。『お前の顔は若いころのわしそっ…
¥300
- 運営しているクリエイター
2020年8月の記事一覧

3-1 女主人、割とすごいことをポロッと言って割とすごいことをポロッと行う 小説「女主人と下僕」~敗戦奴隷に堕ちた若者の出世艶譚~
本来は休憩するほどの道のりでもないような気もするのだが、道の途中で、ちょっと休憩しましょうか、とマーヤが言い出して、オープンカフェ形式の茶亭に入った。 金髪の美男の給仕は、美しい若い婦人、しかもやや東洋の血の入った珍しい稀人とみて喜び、ひさしの近くの、通行人から目立つ上席に案内しようとしたが、マーヤは奥まった席をえらんだ。 ディミトリは「俺は馬の世話でもしながら待ってます」と遠慮しようとしたが、マーヤは自分のテーブルに、もう一つ茶を頼んで、ディミトリを強引に座らせた。