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デジタルドーパミン中毒 その危険性, 対処法をAIに聞いてみる


0. 背景

2024年は動画生成AI元年とよく言われます。これまで不可能と考えられていました, 比較的長時間の生成AIによる安定した動画が可能と言われています。前回, OpenAIがリリース予定の動画生成AI Sora のアイデア集を作成しました。

記事の内容はSoraのみならず, 動画生成AIで実現可能な動画作成例を紹介しています。

9万文字の大ボリュームと制作にかかった期間が2ヵ月という自分の中で超大作の記事でした。ショートムービーのアイデア収集, リサーチをSNSやYoutubeなどで頻繁に行いました。

そのうちにYouTubeのお勧め欄にある変化が起きました。スマホ依存やドーパミン中毒 (正しくはドーパミン報酬系の不均衡) に関する動画が増えてきました。

自分のYouTubeのお勧め動画 猫, AI, オカルトとともにドーパミン中毒とタイトルがつくものが増えてきた

そのような動画で語られているのは, ショート動画の見過ぎによりドーパミン報酬系が乱れ, メンタルヘルスに悪影響を及ぼすというものでした。

ショートムービーはスマホ脳を誘発する??

普段Short Movieは自分の中で『あまり良くないもの』として無意識に避ける傾向がありました。

ショートムービーの見過ぎとドーパミン報酬系に不均衡が生まれ, メンタルヘルスに関連性ありますか?
AIの解答もメンタルヘルスと関連性ありとのことでした。

そして, メディアや本, 動画などではドパミン中毒, スマホ脳の脱却のためには, ドパミン断食やスマホを『一切』さわらない環境に置くなど極端な対処法を提案している節があります。

ニュースの提案:スマホを一切触れないようにする

この対処法は個人的に極端な方法と考えます。現代人は多かれ少なかれ, 『スマホ依存, ドパミン中毒』にかかっているのではないかと思われます。本記事では, 具体的にどのような動画視聴, スマホ使用が危険か, またそれに対する個々人の対処法を講じたいと考えます。

1. 進化の過程におけるドーパミンの役割

ドーパミンシステム生存に有利に働くように進化してきました。その理由を具体例を用いて説明していきます。太古の昔にさかのぼります。現代とは比較にならないほどドーパミンの獲得が困難な時代でした。

脳内のドーパミンレベル (脳内濃度) の推移を表します。狩猟において1. 狩りを始める 2. 追跡中 3. 獲物を見つける 4. 獲物を捕らえる。この一連の動作でドーパミンレベルが上昇しています。また, 獲物をまだ見つけていない段階からドーパミンは多く分泌されているのが分かります。ドーパミン報酬系を簡略化した図を示します。引き続き狩猟を例に説明していきます。

1. 社会化 (Socialization)
社会的行動や対人関係の形成と維持において重要な役割を果たします。例えば, 仲間と狩りに行き新しい時間を過ごすことは脳内でドーパミンの分泌を促し快感をもたらします。この快感が社会的行動を強化し, userが繰り返し社会的相互作用 (仲間と狩りに行く) を求める動機となります。

2. 依存性 (Dependency) 
ドーパミンは依存症の発症において中心的な役割を果たすと言われます。依存症は, ドーパミン報酬系の過剰な刺激により引き起こされます。特に, アルコール, 薬物, ギャンブルなどの行動はドーパミンの分泌を過度に促進し, 強い快感をもたらすことで脳はこれらの行動を報酬として学習し, 結果として, これらの行動が繰り返される (報酬による行動の強化) ようになり, 依存が形成されます。

上記のアルコールなどでなくても, 仲間との狩り, 共闘が異常 (ドーパミンを大量に放出) に楽しければ依存症を引き起こすこともあると思われます。 
(※ここでいう, 仲間との狩りとはゲーム依存の比喩表現です。後述しますが, 通常の狩りでは病的な依存を引き起こす危険性は極めて低いと考えます。)

3. ストレス耐性の向上 (Stress resilience)

ドーパミン報酬系はストレス耐性の向上に寄与することも言われています。狩猟の例えで説明しますと, 危険や困難な状況下でドーパミンが分泌され注意力と集中力を高めます。狩猟後のドーパミン放出は, その成功体験を肯定的な記憶として固定化し『自信』につながります。特に仲間との協力的な活動 (共闘) を通じて社会性の構築を促進し, 機序は大分端折っていますが全体的なストレス耐性を強化につながります。

4. 学習の基礎形成 (Learning)

生存に必要な認知能力の発達を指します。パターン認識, 因果関係の理解, 問題解決能力, 記憶力, 観察力など生活に必要な重要な項目が含まれます。これらの能力はドーパミン報酬系によって強化され, 成功体験 (例えば狩りの共闘が成功した) を通じて強化される可能性があるとのことです。

2. ドーパミン報酬系が正常に機能しない場合の問題点

先ほど挙げた社会性, 行動パターンの形成, ストレス耐性, 基礎学習がうまく形成されなかった場合どうなるかを説明したいと思います。原始時代の狩りが現代のスマホ依存, ドパミン中毒の問題にどうつながるか, 一対一対応で説明するのは無理やり感が強いですが, できるだけ整合性を合わせ, 矛盾がないように以下の4点にまとめました。

1. 対人関係・社会性の欠如

ドーパミン報酬系が社会的成功を適切に強化しないと, 他者との交流から得られる報酬が少なくなり, 対人関係を築く意欲が低下する可能性があります。これにより, 孤立感が増し, 社会性が発達しにくくなります。私は良くモンハンでみんながモンスターと戦っているときに一人でピッケルで採掘しいたら怒られていました。

2. 依存と集中力・注意力の低下

健全な習慣が形成されないと, 短期的な快感を求める行動が強化されやすくなり, 集中力や注意力が散漫になります。これにより長期的な目標に対する意志が弱まり依存症状が出やすくなる。真面目に努力して武器をそろえてモンスターを倒すという地道な目標をたてずに, 仲間に倒してもらい簡単に報酬を得ていたらダメというわけですね。

3. ストレス耐性と長期計画能力の低下

ストレスに対する適応力が強化されないと, 困難な状況に直面した際にすぐに不安やストレスを感じるようになります。これにより, 長期的な計画を立てて実行する能力が弱まり, 将来的な目標を達成するための忍耐力が不足します。2. と一部重複するところもありますが, 適切なモンスターと戦うことが良いストレスとなり, 克服すると強化されるというイメージですね。

4. 受動的, 即時的な消費, 努力と報酬のバランスの崩壊

基礎的な学習能力の形成が弱いと, 新しいスキルを習得する際に必要な努力に対する報酬を十分に感じられなくなります。この影響は本記事のデジタルドーパミンの問題に大きくかかわるので後で詳細に説明します。この能力が培われないと, 努力を避け, 即時的な満足を求める傾向が強くなり, 努力と報酬のバランスが崩れます。

3. クイックドーパミンとスロードーパミン

ドーパミン断食やドーパミン依存などの言葉を聞くと, ドーパミン=悪という考えが浮かんでしまうかもしれません。この記事で言いたいのはドーパミン報酬系が乱れることの危険性を解説することが目的で, ドーパミン報酬系が正しく構築されること自体は人類 (種の保存) にとって極めて重要なことです。

quick and slow dopamine

このチャプターではクイック (quick) とスロー (slow) の異なるドーパミンの解説をしたいと思います。
(※ 直感的に理解するためクイックとスローに分類していますが, 実際脳内のプロセスは複雑で相互に影響しあい, 状況によって変化することがあり一対一で説明することは困難です。)

カウチポテト族

幸せそう『ああ私もこうなりたい』

1970年代に生まれた言葉です。カウチポテトとはカウチ=ソファーに横たわったイモという意味で。だらだら過ごすという言葉の比喩表現です。その後, カウチポテト族という言葉が生まれました。カウチポテト族とは, このようなジャガイモの様にだらだらと過ごす人間をたとえ, ジャンクフード, ポテトチップスなどを食べながら映画を見るなどいろいろな解釈が加えられ使用するようになりました。

カウチポテト族 ソファによこになり, ポテトチップスとソーダを飲む青年
『ああ私も.. 以下略』

これこそがまさにクイックドーパミン (quick dopamine) の正体で楽して手軽に快感を得ることを表します。クイックドーパミンとスロードーパミンの違いを以下に示します。

① クイックドーパミン (quick dopamine)
・短期間で得られる即時的な快楽です。
例:ショート動画, 猫ミーム, ソーシャルメディアのチェック, ジャンクフード
・特徴 :特に現代社会で得られるようになりました。簡単にアクセスできる刺激によって急激にドーパミンが放出されます。特に努力, 苦労が無くても (受動的に) 得られることが問題と言われます。持続時間が短く, 急激に落ち込みます。 頻繁にクイックドーパミンを求めると感度が低下し, 長期的には依存症やメンタルヘルスに悪影響が出てくる可能性があります。

② スロードーパミン (slow dopamine) 苦労して得たドーパミン
長期間に渡って得られる持続的な快楽です。
・例:運動, 学習, マラソン, 目標達成, スキルの習得, もしかしたら本note記事かもしれない (∵完全手書きで1万文字を超える文字, 細かいところに子ボケ (おそらく誰も見ていないであろう表紙画像を拡大するとcrunchycat Lunaちゃんがいるなど) を含む画像を含んだ記事を書くという苦行を経て, 完成したときには変な達成感が得られるため)
・特徴:労力, 努力の末に得られるドーパミン。徐々に分泌され持続的な高揚感, 達成感がえられます。quick dopamineに比べ長期的な幸福が得られ, 精神的な健康も得られやすい。努力を伴い, 受動的では無く, 能動的, 積極的であることが重要です。

グラフで図示しながら説明しますと, 左がquick dopamine の例です。餌のボタンを押すと報酬が簡単に即時に得られます。努力は短時間で少しの快楽 (ドーパミン) が得られます。右はslow dopamindeです。苦労して獲物をとっている例です。苦労して得られた報酬, 快楽は大きく, より長く続きます。  

4. クイックドーパミンはなぜ悪い?

Chapter2ではドーパミン報酬系がうまく機能しないときの弊害を述べましたが, 特にデジタル機器 (スマホ)  使用時 (≒ quick dopamine) で最終的に依存やメンタルヘルスに悪影響を与える理由について述べたいと思います。Chapter2と重複する部分が多いかもしれませんがご了承ください。

1. 依存性と満足感の低下

耐性, 依存性の問題

クイックドーパミンの主な問題点は, 頻繁な即時的満足感による脳の報酬系の過剰刺激です。これにより, 通常活動からの満足感が低下し, より強い刺激を求める (耐性形成) ようになります。結果として, 日常生活への興味が薄れ, スマートフォンなどへの依存が強まります。また, 刺激がない状態での不快感が増し, 長期的な目標達成や持続的な幸福感の獲得が困難になります。このサイクルが依存性を強化し, 全体的な生活の質と満足感を低下させます。

2. 集中力と生産性の低下

マルチタスクになる危険性

ショート動画の長時間使用などは注意力を断片化し, 長時間の集中を困難にすることが言われています。この環境に慣れた脳は, スロードーパミンを必要とする活動に対する忍耐力を失い仕事や学習の効率が低下する。これまで他の記事で何度か取り上げましたが, 2時間とかの長編映画が苦痛になり, 極端な話, ショート動画さえも早送りで見るということも珍しくありません。

short動画さえも早送りでみる。

また, 常に新しい刺激を求めるため, 単一のタスクへの集中が難しくなりマルチタスキングに陥りやすいという問題があります。これは生産性が高く見えても, タスクの質を低下させるという悪影響があります。

3. 不安感とストレスの増加

最悪 不安, 焦燥感, 不眠, 自尊心低下などさまざまな症状が生まれる可能性

クイックドーパミンの頻繁な刺激は, 脳の化学バランスを崩し, 日常生活からの満足感を感じにくくします。これにより, 常に何かが足りないという感覚が生まれ日々の不満や焦りが増大します。デジタル世界での即時反応に慣れることで, 現実世界での遅延や困難への耐性が低下し, イライラしやすくなります。

SNSで他人の幸せな報告をみる

また後で詳細に述べ, 本記事の最大のテーマですがソーシャルメディアを通じた他人との比較が習慣化し, 自尊心の低下や不安感の増大につながります。これらの要因が重なり, 心の平穏を保つことが難しくなり慢性的な不安感とストレスレベルが上昇する可能性があります。

5. クイックドーパミンが脳に悪いメカニズム

スタンフォード大学の神経科学者アンドリュー・D・ヒューバーマン教授は以下のように説明しています。baselineという言葉を平常時, 外部からの特別な刺激がない状態での脳内ドーパミンの平均的な濃度や活動レベルで説明しています。例えば, ショート動画を観る前のベースラインを『5』とします。

クイックドーパミンの過剰摂取でベースラインが低下していく

1本のショート動画を観た直後には5から6に増えて, その分快感を得ます。しばらく時間がたつと本来なら5に戻るはずですが, ショート動画などのクイックドーパミン過剰摂取の場合は5ではなく4.9にベースラインが低下する危険性があります。これを続けていくとベースラインがどんどん下がっていき, 同じ動画視聴でも以前の快感が得られにくくなるとのことです。理由を簡単に以下の2点にまとめます。

クイックドーパミンの摂取によってベースラインが低下する理由

baseline低下の機序
① 脱感作 (downregulation)
ドーパミン受容体の感度や数自体が減少し, これにより同じ量の (quick) ドーパミンを得たとしても快感, 報酬が低下します。これは過剰なドーパミンから脳を保護 (ある種の毒性, 細胞損傷などからまもる) するような機構 (恒常性) が働くためです。

② 耐性化 (Torerance)
①とも一部重複しますが, 受容体の感度低下に加え, 細胞内のシグナル伝達全体が鈍化します。また, 報酬系が構造的機能的に再編成され, これまでの同量のドーパミンで同じ快感が得られにくくなります。これも原理的には①と同じ機構で人体に備わっています。

話を本筋に戻しますが, クイックドーパミンの過剰摂取によりなぜメンタルヘルスへの問題が起きるか理由を簡単にまとめてみました。

baselineの低下自体がほぼやる気 (モチベーションmotivaton) に関連しています。ベースラインは平常時のドーパミン濃度と定義していますので, 恒常的にやる気がでていない状態です。シンプルにしすぎており, 医学的に不適切かもしれませんが, うつ, 不安などにも関連している可能性があります。

楽を覚えた小猫

次に, 簡単に報酬が得られること自体でのmotivationの低下です。報酬系が正常に機能している場合は, 難易度が高い課題に対してはドーパミン報酬系が鍛えられ, 結果的にmotivationが上がります。一方, 簡単に報酬が得られると脳が学習してしまうと, 楽をしようとする回路が出来上がってしまいます。

堕落への道 憧れの生活
DALLE prompt: A whimsical painting depicting a lazy, anthropomorphized potato lounging next to a black and white kitten on a sofa. The potato is in a relaxed pose similar to the kitten, surrounded by scattered potato chips, symbolizing leisure and indulgence. The background is minimalistic, emphasizing the playful and cozy scene on the sofa. The potato and the kitten both embody a sense of comfort and relaxation. The painting style is realistic with a touch of whimsy to capture this unusual yet humorous setup.

最後にどんどんベースラインが落ちるのにも関わらず, やはり以前の快感を得たいという欲求があるため, より強い刺激をどんどん好みます。悪循環に陥り, より多くの時間, ショート動画を視聴, 過激な内容を観るという危険性があります。さらにマルチタスク, 同時に複数の動画をみたり, 他の依存性物質を摂取しながらなど負のスパイラルに陥るという可能性があります。

6. デジタルドーパミンランキング (本編)

ChatGPTにこれまでのやり取りをまとめてもらいどのようなデジタル行為がquick dopamineを放出するのか, 特に過剰摂取により依存症形成が強くなるかについて質問してみました。100点が影響強く, 0点が弱いで日常生活では長時間使用する場合はなるべく0点に近いものが依存性形成が少ないという意味です。

Dalle prompt: A whimsical scene built with LEGO bricks featuring a lazy, anthropomorphized potato lounging next to a black and white kitten on a sofa. The potato is constructed in a relaxed pose similar to the kitten, surrounded by scattered LEGO potato chips, symbolizing leisure and indulgence. The background is minimalistic, focusing on the playful and cozy setup on the sofa. Both the LEGO potato and kitten embody comfort and relaxation, with a realistic yet whimsical style to capture the humor of the scene.

※ 一部過激表現が含まれますが本記事はなるべく医学的な見地から健康を目的としたものですのでご了承ください。またランキングの科学的根拠はといわれるとつらいところです。AIが学習したトレーニングデータを信じましょう。

50点以上 依存性, メンタルヘルスへの危険性 大

95点 オンラインでのいじめ, 誹謗中傷

被害者のメンタルヘルスへの悪影響は100点でした。される方はこれ以上ないストレスです。しかし, 加害者側も, 依存性かつ, 自身のメンタルヘルスへの悪影響は甚大です。その昔, スマイリーキクチ事件という, ネットで誹謗中傷を行う事件がありました。

犯人はいたってどこにでもいる社会人で日常の生活に不満があるわけでもないという報道がありました。ネットいじめ側にも『強い依存性』があること。同時に自身の精神的な健康が蝕まれるということを肝に銘じておく必要があります。

90点 ショート動画の長時間視聴

以前は1-2時間の映画視聴が標準でした。数年前にファスト映画 (映画を数分にダイジェストでまとめる) というジャンルが流行りました。

最近ではさらにショート化が進行し, tiktok やYouTubeの動画でも短時間化が進み数秒の動画が人気を集めています。企業側もいかに面白く, 興味を引く (≒依存性, 中毒性のある)  かを研究しており, 短時間で刺激的な動画が増えている気がします。数秒の動画さえも長く感じ, 飛ばし見, 倍速視聴を多く行うようであれば, もしかしたらドーパミン報酬系が正常に機能していない兆候かもしれません。 

このランキングは面白い面白くないという意味ではなく『退屈』という観点で選ばれたものです。その意味では現代のショート化とは対極に位置していると考えます。トム・クルーズのバニラスカイという映画が選ばれていました。私自身, すごく好きな映画で『退屈』と感じることはなかったです。

トム・クルーズとペネロペ・クルスのあのシーン © Paramount Pictures
私自身『バニラスカイ』を視聴して全く退屈と感じませんでした。
物語が複雑で視聴者側に考えるところが多く, そのために敢えて平坦なシーンを多めに入れて
くれていると勝手に考えています。 そのようなシーンはトム・クルーズの従来の速い展開の
アクションシーンを期待していると退屈と感じる可能性もありますよね??
ショート動画の対極に位置する映画と考えることができますか?quick dopamineの観点などから。

ショート動画よりも, バニラスカイのような複雑な物語性を含む映画は, 忍耐力, 集中力, quick dopamineの観点からも比較的に良いかもしれません。

85点 オンラインゲーム 

ChatGPTに特にクイックドーパミンが分泌されるゲームの種類を聞いてみました。すると現代のMMORPG (大規模同時参加型オンラインRPG) , FPS (First Person Shooter) などのオンライン対戦, ガチャ要素のある短時間型スマホパズルが代表的なゲームとのことです。

現代のスマホゲーはクイックドーパミンが放出されやすいように設計されている?

これらは競争要素, 勝利時の報酬, 短時間の刺激の強さなどから強い中毒性があるとのことです。一方それの対極にあるゲームをGPTに聞いてみました, 例えば昭和期に流行った『たけしの挑戦状 🄬タイトー』『魔界村🄬カプコン』などは現代のスマホゲームに見られるような新設な設計はあまりないといえます。

高難易度, 不親切なUI, シビアな操作性

またGPT曰く, userへ一切媚びない不親切設計, 理不尽難易度, シビアな操作性から昭和のファミコンは短期的な満足感ではなく, 忍耐力や粘り強さを鍛える要素が強く長期的な達成感, 自己成長が促されるという側面もあるとのことでした。もはや修行。

昭和の理不尽なテレビゲームで逆に精神を鍛えられる少年

80点 SNSチェック 他人の幸せな報告(良いニュース)

非常に興味深いことに今回のランキングでは, 他人の不幸なニュースよりも, 幸せなニュースの方が依存性, メンタルヘルスの観点から悪影響という結果がでました。その原因を3段階に分けて説明します。

① SNSチェックによる持続的な不安感の発生
SNSで他人の幸せな報告を見ると, 幸せな感情と同時に, 脳は無意識下に自分と比較してしまいます。自己評価が低下し, 不安感や劣等感などネガティブな感情が生じることがあります。
② クイックドーパミンの追求
①で生じた不安感の解消のために手っ取り早く, 快楽 (quick dopamine) を得ようと行動してまいがちです。ポジティブな投稿をみると一時的にdopamineが得られますが①の理由からやはり結果的にネガティブな感情は生まれて今います。
③ 悪循環の形成
①と②の行為は依存性を高めます。最初は軽い不安を和らげるために始めたSNSチェックが, 次第に習慣化し, 頻繁SNSチェックしなければ気が済まなく, この段階では中毒, 依存行為とも言えます。さらに問題なのは現実の生活よりもSNS上の情報に過剰に反応するようになるということです。

他人の幸せなニュースのチェックが悪循環に陥る理由

『ヒトは比較によって幸福, 不幸がうまれる』

かつてブータンは世界一幸せの国と呼ばれていました。ブータンの人々は『雨風をしのげる家があり, 食べるものがあり, 家族がいるから幸せだ』という考えがありました。それまでのブータンは情報鎖国といい, 他国の生活の状況に関する情報が国民, 特に若者に入ってこなかったということです。

家, 家族, 食事 それさあれば幸せだ

それが, 近年のデジタル化, 情報化によってスマホなどの普及で容易に他国の国民の生活を知ることが可能になりました。現在, ブータンの主観的な幸せ度ランキングは以前とはくらべものにならないほど低下しており, その原因の一つが他国の若者と『比較』することによって生じたという意見があります。

外国の若者と比較するブータンの若者

75点 SNSチェック 他人の不幸な報告 (悪いニュース)

他人の不幸なニュースのチェックはランキング1位『95点 オンラインでのいじめ, 誹謗中傷』と同様に脳に悪影響が大きく, 中毒, 依存性があるという結果になりました。

話は脱線しますが, そもそも人間 (生物) はどうして, このようないじめや他人の不幸につながる行動をするのか生物学的な視点, 脳神経科学的な側面から考察しました。

前頭前野, 扁桃体, 共感性とともに『ドーパミン報酬系』はいじめと関連が深いと思います。
その理由を述べてください。

① 前頭前野不適切な判断を下し, ② 扁桃体攻撃的な情動を引き起こし, ③ 共感性の欠如がその行動を抑制せず, さらに④ドーパミン報酬系がその行動を強化する。この複雑な相互作用が, いじめ行為を引き起こし, 持続させるメカニズムの一部と考えられる。

いじめの脳科学

このうち④ドーパミン報酬系の観点からは,  いじめをする側はいじめ行為によって, 一時的な快楽, 優越感, 達成感を得ます。その『報酬』を再度得ようとする動機付けがおこり, 自己強化サイクルが形成されます。一旦習慣化されたら, 外部の抑制, 環境の変化がない限り行動パターンとして継続する危険があります。

生物学的進化の過程で, 生存本能の観点から, ドーパミン報酬系と『いじめ』について述べてください。

いじめ行為は, 進化的な視点から見ると, 他者支配し, 集団内での優位性を確立・維持するための手段として機能することがある。この過程で得られる優越感や達成感がドーパミン報酬系を刺激し行動が強化されることで, いじめ行為が持続しやすくなる。

古代の恐怖政治, 専制はまさにこんな感じですよね?

70点 ニュースサイトの過剰なチェック

ただのニュースだけと思われるかもしれませんが, 現代のニュースサイトの過剰なチェックは大きな依存性の危険性を孕んでいます。昔のニュースは中立的な内容を一日に数回, TVで放映されたのみで, 受動的な視聴でした。

しかし, 現代のニュースサイトはユーザーの希望のニュースを事実上無限に, 望めば過激でセンセーショナルな内容のものを能動的に簡単にアクセスできるようになりました。企業側 (プロ) 視点として, いかにしてuserに依存的な魅力的なコンテンツに『ハマらせる』ことができるかを日々研究していますので, 我々素人は普通に何も考えずに使用していたらそのサイトに『ハマる』のは自然ではないでしょうか。

Googleでジョン・ゼラツキーはYouTubeで長年, 人の目を「1分, 1秒」でも多く引きつける仕組みを研究し続けてきた「依存のプロ」だ。

Diamond Online, ジェイク・ナップ 時間術大全 - 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」
1分, 1秒でも多くの視聴時間を 依存を作り出すプロ

Google, Facebook, Twittter, Appleの創業者, 従業員など, 依存を作り出す側のプロフェッショナルは自分自身や, 身内には『スマホの使用』を制限しているという話は良く聞きます。以下に依存が怖いか分かっている分, 使用に関して慎重であるのかもしれません。

著者ジェイク氏はアイコンを1列にしていると

また, 時間術大全の著書ジェイク氏は過激なアプリの使用を自制するためにスマホのホーム画面にアイコン自体を出来るだけ置かないなどの規制を自信で設けているとのことです。これらの依存症への対策として極端なものから, 気軽に出来るものまであります。

自然に触れデジタルとは距離を置く digital detox

後の【対策編】のChapterで述べますが, 極端な対策としてデジタル, スマホから完全に離れる, デジタルデトックス (digital detox) やアプリ自体の削除などがあります。気軽にできるものとしては刺激の低いニュース, 動画などに置き換えることです。

滝に打たれて厳しい修行

番外編 60-90点 noteの執筆 

ChatGPTによるとnoteの執筆自体もドーパミンの観点から依存性などの危険
があると指摘があります。もちろん使い方次第で, 過激な内容を頻繁に更新し, イイネ (スキ), impression, PV, 再生数, フォロワー数の獲得を目的に投稿するなどの使い方は高得点 90点以上 (依存性大) になりがちということです。

イイネ, などの反響を期待して投稿自体が目的となるSNS
当方, 自身noteを始めてから生活がかわるくらい執筆をしています。ある種の依存と考えています。
毎回大量の文字数の記事を書いています。書き上げること自体で達成感があり, 
たまに有名なサイトに記事が取り上げられたりバズったりするとdopamineが放出され, 
このような予想外の報酬, 依存性はギャンブルにも似ていると考えます。
GPTの解答:note自体が依存性 (いい意味での?) があるとのこと

低頻度の投稿, 記事を書くことに努力時間を伴う, イイネなどの反響を期待しない, 執筆活動そのものに達成感を持っている人などのnote使用は60点程度の中毒, 依存性でスロードーパミンが主というのことでした。

苦労して一つの記事を書きあげると別の意味でドーパミンが出る

50点未満, メンタルヘルスへの危険性 小

このカテゴリは依存性, 精神への悪影響が比較的小さい具体例が含まれます。これまでの高得点のSNS乱用やショート動画に比べ危険性が低いのですが, やはり使用しすぎると依存症のリスクはあるとのことです。

45点 ビジネス, ドキュメンタリー番組の視聴

自然ドキュメンタリー

ビジネスニュースなど多くは教育的で一見, 有益無害であると考えます。しかし, AIによるとそれが盲点であり過度の視聴が依存性を形成し, 最悪, 日常生活に悪影響, 視聴が自制できなくなるほどに陥ることがあるというのです。スマホゲーでなければいい, shor ムービーではないから健全な動画で安全と考えてしまうという盲点はあるかもしれません。

ビジネスチャンネル 自己啓発

40点 テレビドラマの視聴 

特に昭和から平成にかけてのテレビ (インターネットではなく) でみるドラマに限定します。リアルタイムで限られた時間 (特に9時台が多い) の視聴であること, 比較的, 内容も良い意味で面白くなく (≒中毒性, 依存性が少ないという意味です…) , また家族と一緒に観るなど抑止力が働き, 過度な視聴は抑えられていました。テレビを40点とするなら, それ以下は大分依存性が低いと考えて良さそうですね。

30点 長編映画の視聴 

さあスロードーパミンを得よう

ショート動画と対比して得られる知識や教訓が多く, 芸術性や文化的価値が高いと考えます。単純な快楽追求以上の満足感があり, userに考察する余地を与えたりと, 総じて得られるものが多いと思います。ショート動画が単純な快楽の追求, ドーパミン報酬系の観点から依存などのリスクがあるのに対し, 長編映画の視聴はスロードーパミンによる快楽ととらえることが出来ます。

ショート動画1日視聴後の私『今日何の動画観たっけ?』

こういった経験は無いでしょうか, 子供の時に感動する映画をみたら, 一生, 忘れられないシーン, 教訓が得られたのに対し, ショート動画一日中見ても, 何も記憶に残らなかった経験など?

 20点 YouTubeで作業用BGMを聞く

ゲームBGMを聞いて気分を落ち着ける

作業用BGMや癒し効果のある音楽などの視聴はデメリットよりもメリットの方が大きいと考えます。背景動画自体が過激なものは少なく, 多くは集中力の向上やリラックス効果を目的に作られており, 依存性, メンタルヘルスの観点からも他のショート動画より安全と言えます。

7. デジタル以外のドーパミン 

ちなみにデジタルドーパミンではなく一般的に依存性の強いドラッグ, ギャンブル, アルコール, タバコについても質問しました。

ドーパミン四天王

ドラッグ (100点) :
ドラッグは強力なドーパミンの放出を引き起こし, 非常に高い依存性を持つ。依存という観点からはいうまでもなく最も危険な物質

ギャンブル (90点)
ギャンブルは不確実性とリスクが伴うため, 勝利時の強いドーパミン放出が依存性を助長する。金銭的損失や生活への悪影響が大きい。

アルコール (お酒) (80点)
アルコールは一時的にリラックス効果をもたらすが, 過剰摂取や依存が進行するとメンタルヘルスのみならず身体にも重大な影響を与える。手軽に入手できるという点ではドラッグ並みに危険では?

タバコ (75点):
ニコチンはドーパミンの放出を促進し, 依存性が高い。健康に対する悪影響が広範囲 (副流煙→家族にも健康被害が..) に及ぶ。

SNSでの過激な動画やニュースの長時間閲覧がこれらと同等ということを考えると以下にデジタルドーパミン (quick dopamine) が危険かという言い換えができます。  

8. 対処法

※ ここでの対処法はあくまで一例です。依存症診断されているかた, 未診断のかたは専門家の意見を聞くことを最優先とし, この記事はあくまで参考程度としてください。

従来の考え方ではスマホ依存, デジタルドーパミン中毒に関する書物やネットの記事では全ての使用者が一切のスマホ使用を禁じるなど極端な提案がなされていました。果たして正しいのでしょうか。これらの考えには, 他の依存症患者に対するアプローチがbaseになっていると予想されます。

『あーもしもし 私を出入り禁止にして欲しいのですが』

例えば, 重度のギャンブル依存症患者はギャンブルに関する一切の情報を切り離し (精神的遮断) , 自分でカジノに出禁 (物理的遮断) にしてもらうなど, 徹底した対策が必要と言われます。デジタルドーパミン中毒でも同じことが言えるでしょうか?私個人の考えとしては, 全ての人間が一切のスマホ, short動画をやめる必要はなく, 個人によって大きく対処法が異なるということです。

対処法は個人で異なり, 例えば重度の依存傾向のある人, 軽度の人, 今 (令和) 現在, 子供か
幼少期にスマホに触れずに育った, 大人などで大きく対処法は変えるべきと考えます。
全てのuserがスマホを一切断つのは極端では??

重症 (中毒, 依存症状態)

スマホ使用が最優先と考えており, 自分で使用の制限ができず, 日常生活に支障をきたすレベルで使用したり, スマホ使用が原因で不眠や精神的な不安定などを来している方がこのカテゴリに当たります。

この場合, 個人で対処することが困難な場合が多く, 行動制限, 環境調整, 家族や周りの人の協力を要するケースもあり得ます。

① デジタルデトックス digital detox

一旦使用を一切やめる (段階を踏んで最終的には全く使わなくなる) ことで 解毒detoxするという効果があります。連絡手段以外の一切の娯楽にあたるツール, アプリの使用を辞める (断食) ことで脳のドーパミン報酬系がリセットされるとのことです。

代わりに読書運動, 人と会話をするなど動的な作業, さらに, 絵画, 音楽, 執筆などクリエイティブな活動を取り入れることが効果的と言われています。クリエイティブで連想しましたが, note記事を書くのは良いのでしょうか。

noteの執筆はいかがでしょうか?

先ほどのChapterでも述べましたが, note記事を書く目的が重要で, 執筆, 創作活動を目的とするならdetoxの効果は多く, 単なる, スキ, ビュー数の獲得を目的とする使用は逆効果になるとのことでした。

② 環境調整
アプリの削除やパスワードを家族に管理してもらうなど物理的に使用できない状況, 環境に身を置く方法です。また, 家族や周りの人の協力として, みんな同時に使用しない時間を設けるなど周囲に理解者がいる環境にすることは効果的と考えます。

他の人が絵を描いている中で自分だけスマホで遊ぶ

軽症~中等症

重症までとはいかないが, 日々スマホに費やす時間が多い人, ついついショート動画やSNSチェックしすぎていつのまにか思ってたより時間が過ぎてしまった経験を多く持つひとなど, 特にスマホ使用を制限してない多くのスマホユーザーが当てはまると考えます。

① デジタル休養 digital fasting

週に何日間のうち数時間など, 敢えてスマホを使わない時間を定期的に取り入れることで, たった数時間でも多く脳を休ませることは効果があると言われています。先ほどと同様に運動や芸術活動, 読書などに代替することも言うまでもなく大きな効果があると考えます。

② さきほどのランキング
本記事で提案したランキングの点数の高いもの (≒依存性の高いもの) ではなく, なるべく低いものに置き換えることは効果的であると思います。SNS過剰チェック, ショート動画, 誹謗中傷などの過激なニュースなどではなく, より過激ではない『長編』映画やビジネス動画に置き換えるなどは効果的ではないでしょうか。

重症, 軽症などの重症度以外に考えるべき要素はやはり『年齢』と思われます。『お酒は20歳になってから』というキャッチフレーズは良く聞きます。このような, 嗜好品やギャンブルなどに年齢制限がかけられている最も大きな要因は未成年が使用した場合, 大人とは比べものにならないほど『依存性』が強いからと考えます。

アルコールは20歳以上

依存性のある物質は, 未成熟な脳に強く作用し, ドーパミン報酬系を過度に刺激し容易に依存性を形成します。その結果, 詳細は省きますがストレス耐性の低下などメンタルヘルスへの悪影響, 長期にわたる健康被害が甚大です。という訳で話を戻し, 対処法についてです。

幼少期からスマホを触れる場合

基本的には大人の重症の場合の対策と同じで良いのではないかと個人的に考えます。特に未就学児の場合, 先ほどの50点以上の項目, 例えばSNSの過剰チェック, short動画の視聴などはほぼメリットなしではないでしょうか。

年齢ごとにデジタルツールの使用例について述べてください。

未就学児(0-6歳)50点以上のデジタルコンテンツは原則使用禁止。

小学生(7-12歳):厳重な監視下で限定的な使用のみ許可。

中高生(13-18歳):徐々に自己管理を学ばせながら, 使用時間と内容を制限

年齢に応じた使用制限を設けることは効果的と考えます。繰り返しになりますが年齢が若ければ若いほど, 依存性のリスクが高いため使用には細心の注意が必要です。使用時間の制限として例えば, 低年齢の子供には1日30分以内など明確などの取り決めは良いかもしれません。

タカハタ (高畑) 名人 『ゲームは1日30分』

内容に関しても注意が必要です。観るにしても先ほどのランキングで点数が低いものや教育的コンテンツを優先するなどスマホの有益な側面を活用できるかもしれません。

しかし教育的コンテンツといっても, 昔のNHK教育番組などとは異なり, YouTubeなど無制限に観ることもでき, 過度な視聴, 過激な内容のものをみるとすれば元も子もない結果にもなるので注意が必要です。

ドーパミンランキング 25点:昔の教育番組 40点:現代の教育的コンテンツ
ルールや規則など正しい週間をみにつける時期

また私が偉そうに語ることではないですが, ドーパミン報酬系とは直接関係ないかもしれませんが, この時期のお子さんはスマホ使用ルールのみならず, あらゆる健全な規則, 社会習慣などを柔軟に身に着けることができるため, デジタルコンテンツの乱用などは言うまでもなく悪と言えます。

屋外での遊び, 読書, スポーツなどスマホを使用しない活動は依存症, メンタルヘルスへの悪影響が軽減されないだけでなく, 健全なドーパミン報酬系が構築され, 継続的な努力による報酬という正しいネットワークが強化される, ストレス耐性が強化されるなどメリットは計り知れません。

努力→達成感→報酬→次の努力への動機づけ

幼少期はスマホに触れず成人してから使用しだす場合

この記事を読んでいるかたは, 幼少期にはスマホが全くなかった, ほとんど触れなかった時期を経験し, 成人してから関わる機会が多くなったという人が多いのではないでしょうか。先ほどのケースとは対処法が全く違うと考えています。なぜなら子供時代という柔軟な成長期が過ぎており, 脳への影響度が比較的少ないからです。

成人してから, 依存症を発症することはありますが, 小児リスクより比較的低いと言えます。その中で, スマホ使用を一切しないなどの強い規制 (digital detoxなど) はむしろ, リバウンドや強いストレスを生むことがあり, むしろ逆効果になることさえあります [A comprehensive review on digital detox: A newer health and wellness trend in the current era. Cureus 2024; 16(4):  e58719.]。

このChapterでは実際の使用例をAIと対話しながら危険性を考えました (※点数に関しては主にこの記事を学習したAIが出したもので飽くまで参考値です)。

使用例1 :仕事終わりにスマホを長時間使用する

同じコンテンツでも年齢や使用状況で脳への影響は大きく異なる

実際の多い使用例では仕事を一日頑張ったご褒美として, 家に帰り長時間, ショートムービーやSNSニュースなど使用するケースが多いかと思います。この場合, 昼間に仕事を頑張った, その報酬として夜の長時間使用というある種のスロードーパミンの分泌と呼べるような機構が働いているかもしれません。

能動的な努力が働いている分, 純粋な90点よりは危険度が少し緩和されるイメージです。もちろんこのような使用を推奨しているわけではなく過度な使用は慢性的な疲労, 不眠など健康被害甚大と考えます。

まとめ 状況別 危険度 ショートムービー (中毒危険度 90点) の使用例 

① 幼少期の長時間使用 95点
脳 (ドーパミン報酬系含む) が形成される段階であり, 発達の観点から非常に危険である。

② 仕事の後の褒美としての長時間使用 70点
ある程度, 回路が形成されていること, 日中のハードワークという能動的な努力の結果の自分御褒美ならある種のスロードーパミンと考え悪影響度は下がる。
③ 学生の息抜きとしての短時間使用 70点
形成が不十分でもあり, 依存リスクが高く短時間でも悪影響が強いと思われる。過度な抑制はストレスが多く, リバウンドなどデメリットが大きい。短時間使用であればストレス解消の効果が大きい。対処法が難しく引き続き社会問題に。

④ 高齢者の適度な使用 55点
十分に回路 (嗜好という意味でも) が形成されており, この時期から依存症が形成されるリスクは少なく, ドーパミン報酬系というよりはコンテンツ自体 (過激であることなど) の悪影響度が強いと思われる。しかし, 加齢に伴う認知機能の変化で新たな習慣形成の影響を受けやすい面もある。

対処法高点数のコンテンツ, 長時間使用はなるべく避ける

使用例2 :仕事中や他の作業中に動画チャンネルを聴く (観る) いわゆるマルチタスク

現代人は年々, マルチタスク化しているとしばしばいわれます。以下の画像は電話をしながら, テレビをつけ, 漫画を読み, PCで別の作業, お菓子とジュースをつまむなど同時に複数の作業をしています。これはドーパミン報酬系の異常ときっても切り離せない理由があります。

マルチタスク 同時に多くのことをしてしまうのはドーパミンが関係?

個人的に興味があったのが〇〇しながらの動画視聴です。私自身, 本note記事を書く時にもPCの別windowYouTubeをよく流しています。穏やかな作業用BGMの場合もあれば, 過激な表現を含むチャンネルのこともあります。

note記事を書きつつ音楽チャンネルを観ることも駄目?

その場合でもやはり, 中毒性が高まってしまうのか調べてみました。結果から言うとかなり, 悪い行為と言えます。マルチタスクを行うと, quick dopamineの過剰放出, 脱感作, あらたな報酬回路の形成 (マルチタスクが『通常』の行動として定着してしまう) などで依存中毒リスクが上昇します。

元気にいろいろtaskを行うがし終わったら, 脳がドットつかれてしまう

また, 同時にいろいろな情報を同時に脳に入れると処理が追い付かなく脳が疲れ, 身体もついでに疲れるという大きなデメリットがあります。しかし, ここでも重要なことは, 全てのマルチタスク=全て完全悪ではなく case によって悪影響度, 対処法を考えることです。

左:仕事 (作業) と動画に同じくらい集中 (=分散), 右:作業に集中, 音楽くらいは聴いている

2-① 同じくらい集中
これは全ての人が今すぐやめた方がいいかもしれませんね…少なくとも私はこの記事を書いてから, 集中が必要なYouTubeチャンネルのながら観の頻度は激減しましました。

ドーパミン報酬系:単独のtaskよりもより多くのquikc dopamineを放出
脱感作が起こる。単独taskでは満足できずに, より多くの報酬を得たいと感じ, より依存性を生む。マルチtaskが通常の行動として『定着』し習慣化, 悪循環を生む。

脳への負荷:多くの情報を処理するため脳への負荷は大きい。それぞれのtaskへの注意力がさがり, 効率性も落ちる。心身への負荷は大きく疲労する。

対処法:できるだけやめるに越したことはない

2-② 仕事 (作業) への集中度合が大きい場合

マルチタスクに見えて性質はシングルタスクに似ています。状況によってはメリットが上回る可能性もあります。

ドーパミン報酬系:仕事に集中しているため, quick dopamineの放出は抑えられます。脱感作もおこりにくく, 悪影響は少ない

脳への負荷:マルチタスクのような過負荷がなく, 集中力の低下, 疲労は比較的軽度

対処法:仕事への集中を重視し, 過激なコンテンツではなく, 作業用の音楽チャンネル, 癒し動画などを選ぶ

このようなマルチタスク?はデジタルが普及する以前からも存在しているもので, 現代のスマホショート動画のながら観とは性質が全く異なるものと考えて良さそうです。例えばマラソンしながら携帯音楽プレイヤーで音楽を聴く, 新聞を読みながら食事するなどです。

昔から良く行われている『ながら作業』と現代のマルチタスクは何が違うのか

個人差はかなりあると思いますが, 状況, 環境しだいではながら作業が大きなメリットを生む場合もあると考えます。例えば, 美容室癒し音楽を流すことは施術者, 客がリラックス効果を生み, 顧客満足度, 労働環境の向上などの効果があります。コーヒーショップで勉強, 創作活動をすることは, 環境音が作業効率, 創作性を向上させ, 周りに人がいるという緊張感が集中力をたかめるなどのメリットが言われています。

ながら作業が大きなメリットを生む局面 昔はコーヒーショップで勉強している人は周りから『何をされている方なの?』と良く不思議がられていました。

以上からスマホの使用, ショートムービーの長時間視聴, 全てのマルチタスク=と一概に決めて, スマホ断ちを行うのはやや強引ではないかと考えます。

また, 以下の論文では低〜中程度のインターネット利用やメディアマルチタスキングが潜在的に有益である可能性を示しています。[Front Psychiatry
. 2022 Jan 27:13:813507]

あとがき ねずみの楽園とストレス, いじめについて

今回の記事でいじめ, 他人の不幸などのチェックがドーパミン報酬系を刺激するということがあると述べました。このようないじめ行為は生物 (人間) に本来備わっているものではという疑問 (仮説) が思い浮かびました。ネズミの楽園を例にAIと一緒に考えたいと思います。

1968年代のネズミを使った実験です。元の論文は↓から読めます。

ある場所に集められたネズミに対して, 『無限の』餌, 水を与え, 外敵からの恐怖などのストレスを排除した場合どうなるか観察されました。

その結果, 無尽蔵に繁殖するわけではなく 個体数は2200匹をピークにその後, 減少して最終的には0匹になります。ネズミたちにもいじめに似た現象が観測されています。

人間社会にも似た強者, 弱者の序列が見られ, 強いネズミのグループが弱いネズミのグループに対して, 物理的な攻撃, 無視, 社会的な孤立, 疎外などといった精神的ないじめも観測された。

楽園といった社会のなかでも『いじめ』があるのであれば, それは生物自体の遺伝, 生物学的に
本質に備わった性質と考えることが出来るのでしょうか?

もちろんこれまでのやりとりから, これらのいじめ行動もドーパミン報酬系が関係していると考えます。

しかし, 『ねずみの楽園』実験は解釈が難しく, 多くの都市伝説系のサイトでは楽園, ユートピア=no stressでも絶滅, 破滅, 衰退が免れないというストーリーが展開されています。しかし, 実際のネズミたちは狭い環境での人口 (ネズミ個体数) 増加で過密状態となり, 窮屈, 閉塞感からのストレスいじめ, 集団の衰退につながったのではないかと考えます。

小動物という人間に比べて極めて, stress耐性の低い動物であり, 特殊な環境に弱い, 人間社会にそのまま適応するのは危険ですが以下の質問。

いじめがドーパミン報酬系と関連があることが示唆されています。
進化的な利点を考えるといじめは生存に有利な結果をもたらした可能性はありますか?
それが生物に本質的に必要だったといえますか?

いじめが進化の過程で生存有利だった可能性はあります (ドーパミン報酬系の観点からも) 。しかし, それが本質的に必要な行動とは言えないとのことです。

今回, ネズミの楽園実験のようなnon stress環境でのいじめの出現を検証する仮説は
実験の複雑さから直接的な結論を導くのは困難でした。
しかし, 百害あって一利なしということはいえそうですね。
AIの解答でも『百害あって一利なし』とのことでした


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