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登戸駅から向ヶ丘遊園駅を目指す、冬の散歩道(前編:多摩川の河川敷を歩く)

小田急線とJR南武線が交差する、登戸駅。実は結構うちから近かったりするのですが、今まで両線の乗換目的以外に降りたり散策したりしたことがなくて・・。向ヶ丘遊園駅は、ずいぶん昔に少しだけ駅前を通りかかったことはあるものの、ほとんど土地勘が無いです。といいつつ、かつての遊園地や、そこに向かうモノレールの廃線跡があったりと、ちょっと面白そうな場所・・。ということで、冬の夕方にふらっと散策してみました。

■登戸・向ヶ丘遊園とは・・

登戸駅は、小田急線で新宿駅から20分程度で、南武線との乗換駅でもあるため、かなり多くの人が利用する駅です。東京都内を走る小田急線が、多摩川を渡って神奈川県に入り、すぐに到着する駅でもあります。そのお隣、向ヶ丘遊園駅は、かつて小田急が経営する遊園地があった最寄り駅。どちらの駅にも急行が停車し、駅間距離がとても近い両駅です。かつて小田急線の町田や座間に住んでいたことがあり、その頃は、新宿まで毎日通勤で通る駅でもありました。帰りの電車で多摩川を渡り、登戸・向ヶ丘遊園まで帰ってくると、ちょっと地元に近づいた、と感じる場所でもありました。

今回の散策エリアを「今昔マップ」で見てみましょう。昭和40年代の地図(左)には、向ヶ丘遊園駅の南側から、「モノレール」とかかれた軌道が二ヶ領用水沿いに伸びていて、その先に「向ヶ丘遊園」がありました。

周辺の地図。左が昭和40年代、右が現在。

向ヶ丘遊園は、1927年に開通した小田急電鉄と同時に開園した遊園地でした。向ヶ丘遊園駅は、かつて「稲田登戸駅」とよばれ、遊園地まではかつては「豆汽車」が走っていたそうです。その後豆汽車は車道との平面交差等が理由で撤去され、昭和33年以降はモノレールが走るようになったのだとか。

そんな街を歩いてみました。

■登戸駅から多摩川へ

今の自分は京王相模原線沿線民なので、
稲田堤から登戸へは南武線でやって来ました。
JRの駅も、利用客増加を受けてかなり立派な駅になりました。
多摩川方面に向かうと、小田急線の小さな改札が。
こちらは出口専用改札。そんなものまであるのですね。
複々線の小田急線と、南武線の交差部分。
巨大な乗換駅の脇は、意外と普通の街だったりするのです・・。
小田急線の高架下は、多摩川の水辺を楽しむ拠点になっているようです。
少しばかり歩くと、あっという間に多摩川に到着します。
多摩川の河川敷。

この河川敷、そういえばかつてはバーベキューが盛んにおこなわれていて、ゴミの問題などでかなり議論になり、今では基本的に禁止されていて、市の定めた有料のスポットなどでしかできなくなっているようです。たしかかなり昔に、対岸の和泉多摩川の小田急高架下で楽しんだことがあったような記憶があります。

この場所にも、ちょっとしたバーベキューを楽しむスポットがあるようで、何だか楽しそうな雰囲気でした。店の方がnoteをされているようなので、ちょっとご紹介しておきます。

多摩川河口から23km地点。
あ、ロマンスカーが通過。
電車好きには飽きが来ない散策スポットです(笑)。
河川敷は、グラウンド、かと思いきや、何だか土木っぽい施設が。
【五反田川放水路樋門】

ほお、このグラウンド、五反田川の放水路の放流口の真上を利用したものだったのですね。

グラウンドの下は、この通り、地下河川の放流口の出口でした。

五反田川とは、小田急線の向ヶ丘遊園~百合ヶ丘にかけての谷を流れる川で、洪水対策に地下放水路の建設が進んでいて、2024年に運用を開始したばかりのようです。

五反田川の概要(川崎市HPより)

■多摩水道橋

そして、この放水口から見える橋は・・、

多摩水道橋です!

多摩水道橋は、世田谷通りに架かる橋で、元々は水道管と道路の併用橋として架けられた橋です。今では東京と神奈川を結ぶ主要道路の一つとなっています。

多摩水道橋交差点に向かいましょう。
親柱です。交通量の多い橋。歩行者も結構多いみたいです。

■世田谷通りの架け替え工事はいま・・

この道、川崎市内に入ったところで、工事中の箇所に差し掛かります。

世田谷通りを少し西に歩くと・・
この先通行止め・・に直面します。

この先には、JR南武線を越える陸橋があるのですが、現在架け替え工事中。前回のレポートでもお伝えしたように、古い橋を架け替えようと思ったら・・、設計図と現地が違うというトラブルが発生し、現在工事がストップしているようです。

交差部の現状。先日あった、桁を架設するための仮設備は、
現在撤去作業中のようです。

前回歩いた時の記録がこちら。その時と比べて、仮設備の撤去が進んでいることが分かります。

うまく解決策が見つかり、事業が円滑に進むことを望みたいところです。

■向ヶ丘遊園駅に向かう

前回の散策でも歩いた、下河原踏切に到着。
元々の世田谷通りの旧道なので、人通りも多い感じがします。
登戸駅前に到着。JR線と小田急線の連絡デッキはとても立派です。
それ以外は、意外と落ち着いた感じの駅です。
登戸駅から向ヶ丘遊園駅に向けて線路沿いを歩きます。
どんどん下ってくる小田急線。
そして、地上に降りてきたら、すぐに向ヶ丘遊園駅に到着です。

■向ヶ丘遊園駅前にある踏切

向ヶ丘遊園駅のすぐ手前に、一つの踏切があります。たくさんの電車が行き交うので、ちょっとした「開かずの踏切」になっているようです。今では車は通れない形になっています。

駅のホームのすぐ手前にある踏切。
登戸~向ヶ丘遊園間は、下り:1線、上り:2線の区間。
ひっきりなしに電車が走ります。

実は、この踏切のある部分は、小田急線の複々線化工事が「未完了」の区間で、この付近の区画整理事業が進み、この踏切が廃止されたら、登戸と向ヶ丘遊園の間の複々線化が完成する計画となっています。


そして、踏切の前では工事が始まっています。
踏切を廃止するための跨線人道橋の工事です。

この界隈は、まだまだ変化していくようです。

向ヶ丘遊園駅付近は、ちょっと不思議な街路があります。
用水路を暗渠にした?ような、細い小径を通っていくと・・、
こんな感じでビルの間をすり抜けたら・・、
駅前広場に到着する、という感じです。

今回の記事はここまで。次回は、向ヶ丘遊園駅から遊園地の跡を目指し、モノレールの跡地を辿りますので、お楽しみに。

■終わりに

登戸駅から向ヶ丘遊園駅までは、近い距離なので、なかなか面白い散策ができます。多摩川の水辺空間と、ちょっと不思議な街路が広がるエリア。まだまだ変化を続けていきそうなこの街、ちょっと面白いと思いました。

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