【南大沢土木構造物めぐり】No.84 公園で土木を満喫する(第1集)
南大沢という街は、公園が多い場所です。
先日放映された、「出没!アド街ック天国」の第12位で紹介されていましたが、51か所の公園があるとのこと。その51か所の中には、一般人の立ち入りを禁止して昔ながらの植生を残しているサンクチュアリがあったり、とにかく体を動かすのが楽しかったり、素敵な遊具があったりと、実に様々な楽しみがあります。
今回は、公園を歩く楽しみを、色々な角度から、と言いつつ、私の色眼鏡が入ると、何故か土木構造物に寄った紹介になりますが(笑)、紹介していきたいと思います。
■蓮生寺公園にある大きな吊り橋
蓮生寺公園は、南大沢と京王堀之内の間にある、険しい丘を抱いた広大な公園です。その丘に一つの谷戸が入り込んでいて、公園内にその谷戸が作る独特の風景が見られます。
公園の前を走る道路が、公園内を通る谷戸の上を越えていく場所に作られているのが、「めがね橋」です。この橋のことは、過去の記事にも書いていますので、そちらも良ければご覧ください。
このめがね橋から、谷戸を少し上流に辿っていくと、
公園内の遊歩道が、この谷戸を越えていくために作られた、吊り橋があります。
この吊り橋、初めて見た時には思わずびっくりしました。とても立派な吊り橋。公園内の遊歩道に架けておくのがもったいないくらいです(笑)。
■清水入緑地にある、隠れた橋
清水入緑地は、丘陵の上にある南大沢駅前から、昔から人の住んでいた清水入谷戸に降りていく崖部を公園にした緑地です。この中の少しマイナーな遊歩道に橋を発見しました。
恐らく木製ではなく、木に似せたコンクリート橋。木に似せたコンクリートが多用されているのは、公園ならではかもしれません。こういう技法は、某テーマパークの園内とかでよく見られると思います。
■大平公園ので見かけた土木な風景
次は、おそらく地元の人たちにはメジャーな場所である、大平公園。古城の石垣を連想させるようなこの不思議な石積みがトレードマークです。
大平公園の中にある、大平池にも橋が架かっています。公園の池の橋って、昔からとても秀逸なデザインのものが少なくない気がします。ここにもさりげなくそのような橋が架かります。
大平公園に降った水が池に集水されるシステムのことが書かれています。谷戸の暮らしの中では、昔は農業用水、今では洪水調整や公園に潤いを与える溜池として活用されているようです。
とっておきは、公園の外周の道路沿いの擁壁で見られる、不思議な装飾の付いた排水口。鬼のような顔をしていますが、何だかかわいいです(笑)。排水口の下だけ白くなっていることからすると、雨天時にはちゃんとマーライオンか、温泉の湯が出る口のように、しっかり雨水を吐き出しているのでしょう(笑)。
■エモい装飾がされた公園・・堀之内芝原公園
こちらは、京王堀之内駅近くにある、堀之内芝原公園。古い宅地と新しくできた宅地の間にある小高い丘を公園にしたような場所にあります。公園の車止めの装飾、なぜこんなに人の顔っぽいのでしょうか?
公園の真ん中には、周囲を見渡せる小高い丘があり、何だか、古墳の跡を連想させるような形に見えます。そうするとさっきのやつは。。そう、埴輪をモチーフにしているのではないでしょうか。
堀之内芝原公園の説明看板。後半部を引用します。
あれ、これを見ていると、ここは昔の古墳そのものではなく、出土した遺跡があったことを後世に伝えるために、古墳の形を復元し、埴輪のオブジェなどを置いたということのように読み取れます。ニュータウン開発と発掘によって出土する古き時代の遺跡たち。開発当時の人たちは、新たな遺跡の発見に湧きつつ、開発か保全かを悩みながら、自分たちができる遺跡があったことを後世に伝えるやり方を考えたのではないでしょうか。そんなことが垣間見えた公園でした。
■終わりに
南大沢には、大小さまざまな公園が林立しており、どれもがとても魅力のある公園となっています。いくつかの公園は、遊歩道との境が明確でなく、別な見方をすると、遊歩道や近隣の山林も含めて、またあるいは団地内の公園なども含めるとたくさんの公園と思われる場所がもっと出てくると思います。今回、「第1集」としましたが、南大沢には、もっと紹介したい公園がたくさんありますし、一つの公園でいくつもの顔を持った存在もあるので、そういうものをまた引き続き取り上げていきたいと思います。
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