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地下鉄が川を越えるって、すごい!?

私がnoteを執筆するようになって、2年半近くが経ちました。色々と書いているうちに、新たな疑問が湧いて、また書き続けるような日々を続けています。書くのが嫌にならない程度に、といいつつ、緩く楽しく書き続けることを心掛けて、ここまで続けてきました。そんなときに、noteさんから、お題企画である、「 #私の学び直し  」の受賞作に選んでいただいたという知らせが入りました。

その受賞作品が、こちらです。地下鉄が川を越える、ということに対して文献と現地を調べていくうちに興味を持ったテーマを記事化したものです。

私の記事は、長く書き続けることを優先しているので、プロのクリエイターさんなどの記事のように手の込んだ図などもあまり無ければ、専らスマホで撮影した写真をペタペタ貼り付けているだけで、写真撮影のうまい方の写真のような美しさもありません。あとは、土木と鉄道と地図と街歩きと、プラスアルファの知識を使って好きなスタイルを書いているだけ、なのですが、今回それが審査員の方々に評価していただき、受賞することができたのは、実は本人が一番驚いているかもしれません。

今回は、こういうめったにない機会なので(笑)、記事執筆の舞台裏(!?)を少しご紹介したいと思います。

■今回このテーマを追いかけたきっかけ

今回このテーマを追いかけるきっかけになったのは、実は10月にガイドを務める、舟遊びツアーの題材を探し始めたのがきっかけでした。「鉄道と舟遊び」というお題で舟のガイドをするにあたり、船から「見える」鉄道をガイドするだけでなく、「見えない」鉄道を題材にするとおもしろいんじゃないか?と思い始めたのがきっかけでした。

ここで、「見えない」鉄道には、2種類あると考えていて、1つは、地下を走るので、地上から見えないもの、と、過去に鉄道関係のものがあったが、今はもう無くなってしまった、という2種類と考えています。前者は今回のテーマである、地下鉄が川を越える問題、後者は舟運と鉄道をつなげる、昔あった貨物駅と舟運との連絡などが考えられます。

そんなことを合わせてできたツアーが、この舟遊びツアーです。

このツアーのロケハンとして、ちょっと長い、川を越える地下鉄をロケハンすることと、鉄道と舟運との関係を調べることが始まったのです。

この地下鉄のロケハンが面白いと思うようになったきっかけは、デジタルアーカイブされているこの書物に出会ったことがきっかけです。

ある意味バイブルになった、「東京地下鐡道史 坤」
これが国会図書館でオンライン無料公開されているのです。

こういった書物が、オンラインで無料公開されていることが、本当にすごい!ということで、この書物を少しオンライン上で読んでいたら、とても興味的な記述を見つけたのでした。

何と、地下鉄銀座線は、わざわざ日本橋を避けて掘削している!
まあ、そりゃそうか。という発見でした!!
なかなか文章の記載も面白いんです。
「やむを得ず、線路を多少屈曲せしめて橋梁本体を避けて線路を敷設」
という記述があります。

つまり、地下鉄が川を越える、というのは、実はやはり並大抵のことではなく、みんな大変な苦労をして、川を越えたのでは。これは史料を集めると、面白いことがいっぱいあるのではないか、と考え、もっと調べてみようと思う気持ちが出てきたのでした。

同じ工事誌に、神田川を渡る銀座線についても記述があり、万世橋は実は銀座線の地下躯体を作るのと同時に橋の基礎を設置したため、橋の真下に躯体があることを知りました。それらをまとめたのが、こちらの記事です。

いやあ、これは面白い!と思って、船のガイドをする!ということは少し忘れてでも、東京の地下鉄がどのように川を越えているかを純粋に調べることが楽しくなってしまいました。そんな時、またしてもこんな素晴らしいサイトがあることを見つけてしまったのです。

東京メトロさんが運営する、「メトロアーカイブアルバム」。東京メトロの各線が、どのような経緯で作られたかを記録する「工事誌」を、無料でネット上で公開してくれていて、さらには開業当時の写真を公開してくれているものです。本当にこの記事を見た時は、目から鱗、という感じでした。

このアーカイブには、何と丸ノ内線から副都心線まで、東京メトロが工事を行った、全ての線の工事誌が、同じ形で公開されているというすごさ!

各線の建設時代のことが書かれた貴重な書物。
これが電子化されています。

こちらは、日比谷線の秋葉原駅前の施工の様子。

一例に、日比谷線の神田川横断部の記録の抜粋。
橋の真下を掘削したという記録がありました。

このような記録が東京メトロ全線で概ね良好に保管されていて、それを紐解きながら、船で回るルートは楽しい!と思っていたところでした。

■終わりに

noteのお題コンテストへの入選をきっかけに、さらに楽しんで記事を書いていきたいと思う気持ちが深まりました。今後ともマニアックな視点での街歩きを中心の記事をアップしていきたいです。

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