煮汁はしまいまでつかえ、という祖母の教え。
昨日、ケイコが肉じゃがをこしらえて
くれていた。
牛と芋だけでこっくり煮た、私の大好物。
そして、残されたのは
旨味たっぷーりの「煮汁」。
フフフ。この汁は、レンコンよね。
薄く切ったレンコンを入れて
汁が無くなるまでささっと炊いたら
ほら、おいしい。
シャキっとホクッと、あまじょっぱい
ご飯のお供(酒のあて)が出来上がった。
すりゴマをふりかければ、なお香ばしい。
私の祖母は24年前に93歳で旅立った。
ゴリゴリの大正生まれである。
地方の豪農の長女らしかったが
誰よりも働け、という家訓だったとか
そうではないとか。
ともあれ、なにごとも
「そまつにするな」というばーちゃん
だった。
私が小さい頃、
ケイコがどっかに遊びに行ったりする時は
ばーちゃんがウチにきてご飯を
作ってくれていた。
色々作ってくれてはいたと思うけど、
一番覚えているのが
ちぃさい里芋の煮っころがし。
(今思えば、孫芋だな)
それがすごく美味しかった。
どうやって作ったのか聞いたら
昨日の大根の煮物の汁で
煮ただけやぞ。
との答え。
ケイコはそんなことしてなかったから
衝撃だった。
煮汁て使い回しができるとぉぉぉ???
驚く私に、ばーちゃんは
「なんでも、しまいまで使わにゃ」と
笑っていた。
今となっては、
これは私の料理の知恵、
みたいなものになっている。
足りないものは工夫する。
食材は、調味料も含めてムダにしない。
家庭料理に決まりはない。
あるしこ、でけるしこ。
(あるだけ、やれるだけ)
今夜もばーちゃんが
どっかで
「みーさんよぃ、うまいことでけたな」
って褒めてくれる気がしている。
ありがとうね、ばーちゃん。