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みどりぃちゃんとの、みかん狩り。
みどりぃちゃんがまだ小学生の頃だったかなぁ。
何がきっかけだったかは
もう忘れてしまったけれど、
この時期になると、毎年ふたりで
みかん狩りに行くのが
恒例行事だったなぁ・・・
車を15分ほど走らせたら行ける、とか
その時、私もみどりぃちゃんもヒマだった、とか
ただの思いつき、とか
行き始めたきっかけは
たいした理由ではなかったような
気がするけれど。
みかん園に入るには、当時
子ども200円、大人300円。
園内のみかんはどれをどれだけでも
食べてよかった。
袋に入れたみかんは
1キロいくらで持ち帰ることもできた。
(いくらだったかは忘れた)
まず、みかん園のおいちゃんに
ハサミの使い方と
みかんの切り方を習って
「いろんな木ば味見してから
美味しいとば見つけんしゃい。
美味しいとがみつかったら、その木の
みかんばちぎって持ってかえりんしゃい。」
というアドバイスをもらい
いざ、みかんの園へ!
と、まぁ毎年こんな流れで
みかんをちぎりに(ハサミで切りに)
行くのだけれど
なぜか私がちぎるみかんは
酸っぱいだけで、アゴがキューてなって
みどりぃちゃんがちぎるみかんは甘くて
それでいてちゃんと酸味もあって
とてもおいしい。
みどりぃちゃんが大きくなるにつれて
ふたりがちぎるみかんの味の差は
大きくなっていって
ある年、私は
「なんでそんな美味しいみかん、
見つけきると?」
と尋ねてみたところ
「うーん、なんかー、
木に呼ばれる?気がするっちゃんね」
とのことで。
なるほど。
私はその後も美味しい木に
呼ばれることはなかったから
美味しい木をみつけるのは
みどりぃちゃんにお任せするようになり。
頼もしいなぁ。ウフフ。
と、みかんの木の陰で
ニヤニヤしてみたりして。
眩しい顔をしてみかんをちぎる
みどりぃちゃんの姿を
隠し撮りしてみたりして。
毎年楽しみにしていた行事だったけれど
みどりぃちゃんが高校生になってからは
行かなくなっていったっけ。
休みの日に天気が悪い、とか
休みの日にお互い用事がある、とか
そもそも親となんて出かけたくない、とか
その時なりの理由があったはずなんだけどね。
最終的にみどりぃちゃんは
大学生になって家を出てしまったから
もう、二人でみかん狩りに行くこともなくなった。
そんなみどりぃちゃん。
農家バイトでみかんの収穫をしたときは
生産者さんのご好意で
箱いっぱいのみかんを
送ってくれたっけな。
そのみかんも、甘くてすっぱくて
ものすごく美味しかった。
わが子が収穫したと思ったら
なおさら美味しかった。
だから
「すごく美味しかったけど
また木に呼ばれたん?」
って聞いたら
「いんや、違うばい。
それは生産者さんのおかげばい。」
と、言われた。
ごもっともです。
母上ケイコのお友達から
いただいたみかんを食べながら
そんなことを思い出した夜。