ラストダンスへの敗北
好きな本を聞かれて「アシモフが好き」と答えた人がいた。
その世界に潜らないと出てこないアシモフという名前。その名前を聞いて「古典SFですね!」と盛り上がれる人が一体どれだけいるだろうか。
「本が好き」という言葉には様々な深さのグラデーションがあるように思う。わたしは自分の「好き」の世界を最初から全開で人と話すことに抵抗がある。「ゲーテが好き」と言っても古典に興味なければ「???」だし、読んでいただいた場合、それを好きと思うかどうかは読み手によってかなり大きく分かれるだろう。