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ことばを味わう
いつも自分の好きな作家さんばかり読んでしまうので、何か一つ新しい感覚を取り入れたいなと思って、本が好きな職場の子にオススメな作家さんを聞いてみた。
彼女は詩が好きで、穂村弘さんの短歌集をいくつか貸してくれた。
詩の中でも短歌は私も好きで、とくに現代短歌とよばれるものは感性が瑞々しくて「ことば」に溺れるのにはぴったりだと思った。
穂村弘さんは名前だけ存じているものの、あまり読む機会がなかったので嬉しい。
短歌や詩と言えば俵万智さんや加藤千恵さんが好きだ。それとルミネの広告を手掛けるコピーライターの尾形真理子さんの言葉も女の子の心の的を得ていて好き。高校時代は銀色夏生さんも、夏の午後の淡い青空とシャボン玉のような世界観で好きだった。
私が短編小説を書き始めたのも、お題に沿ったテーマに合わせて短歌のような短いフレーズを考えて、それをコンセプトに物語を考えていくようにしたらあれよあれよと書く事にはまってしまったのだから、「ことば」って本当に面白いなと思う。
穂村さんの短歌や詩、散文に触れて、久々に自由に自分の感性を厳選した言葉でまとめる面白さを再確認した。
どんなふうに考えれば、こんなにしっくりくる言葉でまとめられるのだろう?と思考がしりたくて、穂村さんと川上未映子さんの「たましいのふたりごと」という、言葉にまつわる対談集を借りてきた。
言葉を仕事にするお二人が、選んだテーマについてあれこれ感じるもの・考えているものをフラットに話し合ったものだ。
(1話目から「打擲」というテーマなので面白いので是非読んで欲しい。ちなみに「ちょうちゃく」と読みます。私は北方謙三の水滸伝シリーズが大好物なのでそれで知りました。)
その対談を読んでから、短歌集を堪能するという言葉の醍醐味を味わえて、早く返さなきゃと思いながらもじっくりじっくり言葉を味わっている。
まるでつららから落ちる水の一粒、一滴に舌を差し出すように。
短歌の限られた言葉から広がる世界観を想像する。体温や肌の柔らかさのリアル感・瑞々しさに読みながら面白くて、顔はニマニマしてしまう。
気に入ったから、今度自分用に1冊手元におこうかな。
やっぱりたまには別の人の感性をヒントに、新しいものを取り入れるのって楽しい。
そうして読んでいると、新しいイメージを元にまた何か書きたくなってくるから不思議。
今度は何のテーマでお話を書いてみようか。
言葉を味わう、言葉に溺れるっていいな。