のどか ちひろ

書きたい想いがわいたときにちょこっと書きたくて登録しました。

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マガジン

  • 創作短編小説

    以前に趣味で執筆していた短編小説です。 お題配布サイトに沿った話ばかりになりますので、オチのために内容はやや強引傾向多めです。

  • ひとりごと、ふたりのこと

    私と夫の日常生活の一コマをメインに、ひとりごちてふと思った事などのエッセイ

最近の記事

詩 春も夏も秋も冬も

夜の情事な詩。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 春も 春の乾いた空気、つくしのような匂いに、布団がふわりと肌を撫でて衣擦れも肌にやさしい ゆるやかな肌の温度とやわらかさに、抱いていて心地良い 夏も じっとりした暑さに、肌が火照って汗ばんで、余裕のない夜もいい 渇いた喉に沁み入る麦茶、一緒に飲めばなおも潤う もう少しだけ星座みたいに繋がっていたい 秋も 夏の名残の淋しい感じと、混ざっていくひんやりした風に、落ち葉と腐葉土の香り 夏よりも抱き合いやすくて、

    • 短編小説「たき火と潮騒」

      ※以前に趣味で執筆していた短編小説です。元々はお題にそった短編小説なので、原題は「たき火」という作品になります。 --------------------------------------------------------- 「あの、やめてもらえませんか、それ」 「良かったら食べます?焼き芋」 私の苦情に全然お門違いな返事をするこの人と、縁なんてあるわけがない。 【 たき火と潮騒 】 今日こそは言おう、と決めていた。 まだ片付いていなかった段ボールをようやくまと

      • 春に ~谷川俊太郎様によせて~

        谷川俊太郎さんが亡くなられた。 そのニュースを知り、不意に私の心にちいさな針を感じた。 その痛みは、チクン、なんてものじゃなくて、ぷすん、でもない。 静かにスッと入り込んできたような感覚。 小さくても細く鋭いような痛みは、意外にも奥へ刺さった気がした。 谷川俊太郎さんの詩の中でいっとう好きなのは「春に」だ。 中学3年生の卒業式での合唱曲だった。 当時はちょっとだけ反抗期で、世の中のことを斜めに見てしまっていた。まるで大人の事をもう分かったような気さえしていて、クサクサし

        • さいきんのこと ~旅行、お祝い~

          *たかが一泊、しみじみと。 父の内視鏡手術が無事に終わり、見舞に行ってきた。 元気そうだったのと、あと数日で退院なのがもどかしそうだった。 実家を後にし早めに帰り、夫が仕事から帰ってくるまでご飯を作る。 この家にいるのがしっかり自然となった自分がいて驚く。 夫が帰ってきてから「たかが一泊だったし、前は一人でこの部屋に暮らしていたのに、もう前には戻れないくらいにちひろが家にいないことが寂しいと思っちゃった……」と嬉しい事を言ってくれたもんだから、もうこの人と私は家族なんだなぁと

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        • 創作短編小説
          31本
        • ひとりごと、ふたりのこと
          15本

        記事

          太陽を抱きしめる

          どうにもならない事が重なり、自分でもどうしていいか分からず途方に暮れていた。 色んな事が気になって、ガマンしていたのか胃痛が再発した。 過去にストレスで胃痙攣になってから、ちょっとしたことで胃がすぐチクチクずきずき痛くなることが増えた。 その日は朝からずっと痛くて、夜に夫とソファで過ごしていても普通の姿勢ができないほどの調子になった。 もちろん心配されて理由を尋ねられたけれど、愚痴になるのは目に見えているのと、口にすることも嫌だったから頑なに言わないでいた。 でもそうしたら

          太陽を抱きしめる

          短編小説「おばけになったら、なんて」

          ※以前に趣味で執筆していた短編小説です。元々はお題にそった短編小説なので、原題は「おばけ」という作品になります。 ※短編小説「雷、放課後、雨のち晴れ」のアナザーストーリーです。 --------------------------------------------------------- 入院中、父親が持ってきてくれたCDの、ある曲の歌詞に何故か無性に感動した自分がいた。 その頃はまだ恋愛なんかもしていなかったし、むしろ自分は将来好きな女の子ができても悲しませてしまう

          短編小説「おばけになったら、なんて」

          短編小説「雷、放課後、雨のち晴れ」

          ※以前に趣味で執筆していた短編小説です。元々はお題にそった短編小説なので、原題は「かみなり」という作品になります。 --------------------------------------------------------- 初めて、雷の日って悪くない、そう思えた出会いだった。 【 雷、放課後、雨のち晴れ 】  薄暗闇の空が唸ったと思ったら、目を射しそうなくらいの閃光が雲を割って轟音と共に落ちてきた。 ピシャーン!バキバキ!と、突然の光と音に、 「ひゃぁああぁぁ

          短編小説「雷、放課後、雨のち晴れ」

          あの人が不幸せなままなのは嫌なの

          親友と飲んだくれた日に、自分でも思いもよらなかった言葉が出てきて私は泣いた。 恋の始まりから終わりまで何もかも全て知ってくれていた彼女も、一緒に泣いてくれた。 言葉にするとなんてチープで偽善なんだろうと思う。 ましてやもう心を隔てた他人となった今、「だからそういう風に言えるんでしょうね」と思われるかもしれない。 それでも、本当に心からそう思っている。 全てを赤裸々に書き残す事なんて、何一ついいことはない。 都合が悪くなったら消せる利点が、こういったSNSにはある。 だけ

          あの人が不幸せなままなのは嫌なの

          おおいに笑い合える日々

          夫から最近よく言われるようになった言葉がある。 「もう勘弁して!」 どういう時に言われるかと言えば、呼吸が出来なくなるほど笑いがおさまらなくなったときだ。 そう、私たちは実につられ笑いする。 彼曰く「違う、笑ってるのはちひろだけ。俺なんもしてないもん。笑わせてくるのはそっちだもん」とのことだけど、これまたニヤニヤひーひー笑って言ってくる。 昨日なんて顔パックしながらあることに慌てふためいていたら、それを見て突然顔を覆いだして笑っていた。それも呼吸もできないくらいに。

          おおいに笑い合える日々

          純粋と、下心と、0か100の「性」なるもの

          ※自分でも書いて嫌だなぁと思いながら書いているので毒は強め、雰囲気は暗めのやさぐれnoteです。 前回、女友達について話したけれども、今回は異性の友人について綴りたくなってきた。 昔から異性の友人をつくるのが難しい。 結局、好きになったりなられたり。どうしてか必ず「性」なるものが割り込んでくる。 人からすると「モテ自慢?」と嫌味に思われるかもしれない。 けれど、結局先々でそういったものが本人の意思とは別にこびりついて離れない人だっていると思う。 そういうつもりはなくて

          純粋と、下心と、0か100の「性」なるもの

          短編小説「雨の歌」

          ※以前に趣味で執筆していた短編小説です。元々はお題にそった短編小説なので、原題は「雨の日」という作品になります。 ※「春の風、嵐の前」と「アラウンドザワールド」とちょこっとクロスストーリーになってます。 --------------------------------------------------------- 湿った空気に、小さな粒がリズムよく落ちる。 こんな日は雨宿りがてら、カフェに立ち寄るお客さんが増える。 カラメルをたっぷり含んだように甘美な弦楽BGM。

          短編小説「雨の歌」

          ことばを味わう

          いつも自分の好きな作家さんばかり読んでしまうので、何か一つ新しい感覚を取り入れたいなと思って、本が好きな職場の子にオススメな作家さんを聞いてみた。 彼女は詩が好きで、穂村弘さんの短歌集をいくつか貸してくれた。 詩の中でも短歌は私も好きで、とくに現代短歌とよばれるものは感性が瑞々しくて「ことば」に溺れるのにはぴったりだと思った。 穂村弘さんは名前だけ存じているものの、あまり読む機会がなかったので嬉しい。 短歌や詩と言えば俵万智さんや加藤千恵さんが好きだ。それとルミネの広告を手

          ことばを味わう

          女友達、変わっていくもの、変わらないもの

          突然だけど、友達の事が大好きだ。 中高時代にオタク活動をしていた頃も、オタ活を休んでおしゃれや恋に夢中だった頃も、 お互いの状況やコンディションがそれぞれ違えど、仕事に悩んだり、恋愛に行き詰まったりして沢山相談に乗ってもらっていた頃も、いつも支えてもらっていた。 「どうせひとりだし」と拗ねてみても周りをふと見ると、いつも友達が「話聞くよ!待ってるよ!」とニコニコ微笑んでくれていた。 だから「全部ひとりで乗り越えてきた」なんて独りよがりなことは口が裂けても言えない。 けっ

          女友達、変わっていくもの、変わらないもの

          短編小説「春の風、嵐の前」

          ※以前に趣味で執筆していた短編小説です。元々はお題にそった短編小説なので、原題は「風の中」という作品になります。 ※「あなたとダンスを」のリンクストーリーになってます。(同じ音楽学校に通う弟の物語になっています) --------------------------------------------------------- それならいっそこの風に巻き込まれてしまおうか。 目の前の儚くも綺麗なこの人が、あの日、僕に決めてくれたように。 もしかしたらチェロに引き上げられ

          短編小説「春の風、嵐の前」

          短編小説「あなたとダンスを」

          ※以前に趣味で執筆していた短編小説です。元々はお題にそった短編小説なので、原題は「ダンス」という作品になります。 --------------------------------------------------------- 伴奏者と演奏者は恋になんか落ちないってみんなは言うけれど、 もしそれが本当だとしたら、僕はやっぱり変わっているんじゃないだろうかと思ってしまう。 【 あなたとダンスを  】  手と手を取り合いながら駆けてゆき、踊るようなメロディ。 そんなイ

          短編小説「あなたとダンスを」

          短編小説「エメラルドの憂鬱」

          ※以前に趣味で執筆していた短編小説です。元々はお題にそった短編小説なので、原題は「みどり」という作品になります。 ※「アラウンドザワールド」のクロスストーリーです。 --------------------------------------------------------- 「わ、ミドリくんの髪の毛の色が緑になってる。どしたの」 「黒染め失敗してまさにこの色」 「どうせやっすいヘアカラー使ったんでしょ」 「慌てて手にとったのがこれなんだよ」 「てっきりお菓子職人じ

          短編小説「エメラルドの憂鬱」