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[読書]暗幕のゲルニカ 原田マハ

 楽園のカンヴァスを読んだ時、絵を主題に巨匠本人も登場するお話が驚きであったが、著者は絵を主題に、更にスケールの大きな世界を見せてくれた。

 瑤子とドラを中心にシンクロする2つの時代。戦争に対し、ピカソの描いた強いメッセージを持つ絵で、どこまで戦えるのか?その思いの元に奔走する瑤子とピカソと共に歩むドラ、そしてそれを支える美術界の2人の大パトロン。彼らの思いが熱く伝わってきて、心にジーンとくる。

 美術が好きで、著者の本が好きで本当に良かったと思えた一冊。ああ、ゲルニカが観たい。その時、何を感じるだろう。

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