[読書]オブリヴィオン 遠田 潤子
妻殺しの罪で服役していた森ニの出所を待っていたのはヤクザである実の兄と、妻の兄である義兄であった。
お話はこの3人と森ニと妻の子冬香・彼のアパートの隣人でバンドネオンを奏でる沙羅、そして彼が殺した妻唯の6人を軸に展開する。何故彼は妻を殺さなければならなかったのか?登場人物達の過去に何があったのか?読んでいくと著者のお話らしい辛く悲しい過去が明らかになっていく。
不幸の連鎖とそこからの主人公の再生という著者が繰り返し取り組む遠田ワールドがオーソドックス(?)に展開される著者の作品のスタンダードとも思える作品。