[読書]契り橋 あきない世傳 金と銀 特別巻(上) 髙田 郁

 惣次、佐助、お竹、賢輔と、脇を固める面々を主役に描くスピンオフ。本編主役の幸以外にもそれぞれの物語があるのは分かるが、著者はそれらを実に味わい深く描いてくれた。

 泣ける場面もあり、じれったい場面あり、ハッとさせられる場面ありと悲喜こもごもではあるが、著者らしくそれぞれが読んで心暖かくなるお話にしてくれるているのが嬉しい。

 個人的には惣次とその妻になる雪乃(彼女の名である雪の色の意味が物哀しい)の話が私のお気に入り。もう少し長くしてくれると良かったかな。

 さて、特別編の下巻は誰のどんなお話が読めるだろう。

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