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[読書]魔笛 野沢 尚

 私は今、銃弾の飛び交う間をかいくぐってきたのだろうか?それとも、震える手で、赤と黒どちらのコードにニッパーの刃をあてようかと神経を張り詰めさせていたのだろうか?手を上げようとすると、銃弾が掠めた右手に電流が走ったような痛みを感じた気がする。そんな凄まじい臨場感に圧倒される。

 小刻みに場面・主役が変わる展開も物語のスピード感を煽る。今読んだのは本当に小説だったんだろうか?私には映像以上にビジュアルに思えた。これはある意味傑作といっても言い過ぎではないかもしれない。これ以上新しい著者の作品が読めないことは残念。

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