見出し画像

大寒卵て何?

 スーパーの店先で大寒卵なるものがあるのを知った。お店の販促策でまた新しい造語が出来たのかと思い、調べてみると実は以前からあったものらしい。

 大寒卵とは大寒の初日に生まれた卵のこと。昔の鶏は冬前に餌を沢山たべて栄養を蓄え、冬本番になると卵を生まずにじってしていたという。このため大寒の頃に生まれた卵には栄養が凝縮されていて栄養価が高かったため、「大寒卵」として縁起物としても扱われていたらしい。

 ちなみに大寒を3つに分けた七十二候の最後は「鶏始乳」(にわとりはじめととやにつく)春の気配を感じた鶏が卵を生み始める頃。(もっともこの場合の卵は有精卵のことなのですが。)

 とはいえ、今市場に出回る卵のほとんどは養鶏場で作られたもの。温度や餌の管理がしっかりされているので、季節によって栄養に偏りがある訳ではない。(そもそも市場に出回るのはほとんど無精卵だが)。大寒時期の卵のありがたみは、縁起物としてのそれでしかない。

 それよりも今は、鳥インフルエンザによる鶏の大量殺害や電線泥棒による養鶏場の機能停止等の災害に加えて、燃料費の高騰や輸送費の高騰もあり少しずつ養鶏場も減っていて、卵の供給システムそのものがあやしくなってきている。そのうち大寒卵だけでなく、卵そのものが貴重なものになり人工の代用卵にでも置き換わるかもしれない。などと思ってしまうのは私だけだろうか。


いいなと思ったら応援しよう!