希望の小道
今日は我が家の「希望の小道」について書きたいと思います。
我が家の玄関に至るまでには長さ約10m、幅1.8mの小さな私道があります。
幅1.8mという点がポイントで、この幅がもしあと20センチ広ければ、建築基準法で求められる2m以上の間口を設けることができるのですが、そうでないと特定の条件を満たさないと新築住宅を建てることができません。
そういった制約があることもあり、周囲と比べれば安く購入することもできたのですが、一方で車を入れることができなかったり、将来の転売も難しいことが考えられます。
しかも、この小道の両脇は土がむき出しになっており、毎年の雑草取りが大変でした。抜いても抜いても出てくる雑草との戦いは終わりがありません。
この私道の幅がせめてあと20㎝あればと「ない」ものに目を向けがちでした。
もちろん雑草対策だけを考えれば、根本的に全てをコンクリートで覆ってしまう、もしくは石を敷き詰めるという方法もありましたが、コロナ禍の昨年、妻のアイデアで土がむき出しになった部分に肥料をまき、芝桜の苗を中心にいろいろな花を植えることにしました。
今年は花が咲いた最初の年だったのですが、思いも寄らなかったことが起きました。
近所の人たち(特に高齢の方)が足を止め、しばらく眺めていたり、花の写真を撮ってもいいですか?と聞かれることが出てきたのです。
息子はこの道を「希望の小道」と名付けました。本人は全く意図していなかったのですが、たまたまニュースで聞いた話では芝桜の花言葉の中には「希望」という言葉もあるとのこと。
特に高齢者はコロナ禍で気兼ねなく遠方に出かけられる状況ではありません。
そんな中、近所で少しでも安らげる場を提供することができているのかもしれません。
金銭的には価値がないと思っていることでも、発想次第では人を幸せにすることができる、そんなことを教えてくれた出来事でした。