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⭐️【無料部分どうぞ】ふたりきりで住んでます 1048
ふたりきりで暮らしてます。
独身男性とです。
若いです。
いわゆる「逆歳の差」です。
どれくらい若いかと言えば、それはもう、親子ほど。
……ん、親子?
一体、何の話?
バレバレの茶番にお付き合い、ありがとうございます。
ふたり暮らしになりました。
3人いるって書いてたのにね。
ずっとずっと以前から漠然と「いずれこうなるんじゃないかなぁ」って予想はしてたのよ。
「やっぱりそう来たか」「ほら、思った通りになったでしょ?」って感じ。
進(仮名、一人暮らし次男)は少し年の離れた末っ子。
一番遅くに生まれたってことは、どうしたって母子の付き合いは、きょうだいの中で一番短くなる。
だからこそ目一杯子育てを楽しんで、目一杯甘えん坊にしてやろうと目論んだ。
3年生の由美(仮名)と1年生の修(仮名)は、寄ってたかって世話をして可愛がった。
私の気持ちにも余裕があって「母乳はいつまで飲んでてもいいのよ〜。何なら3歳でも4歳でもお好きなだけ差し上げちゃうわ」「トイレトレーニングもゆっくりでいいわよ」「ママ命のマザコン男?望むところよ」なんて思ってた。
生後9ヶ月のある日。
それまで何の予兆もなかったのに、突然母乳を飲まなくなった。
抱っこして口元に近づけても、プイって。
こっちはやる気満々なのに、据え膳を食わないなんて‼︎
まったく失礼しちゃうわよね。
あら、何の話だったかしらん?
トイレトレーニングは覚えてないくらいだから、苦労しなかったんでしょう。
そんなこんなで「もしや、私の知らぬ間にサッサと自立を遂げてしまうやも知れぬ」と仄かな恐れ期待を抱くようになった。
いや、まさかね。
時は経ち、まさかは突然やってきた。
私の仕事が休みだった日の昼間のこと。
段ボール箱を抱えて黙って玄関に向かう進に、まさかねと思いながら「お引越し?」と訊いたら「うん、そだよ」と返ってきた。
え、まさか‼︎
まさか、多すぎ問題。
家に帰ってくることはないし、住所は教えてくれないし(後に発覚)、滅多に会えないけど、たま〜のLINEで繋がってる。
この赤い子ちゃん(iPhone)も、進からのもらい物。
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吉野ヶ里の地図だけをLINEしてきた
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デバイスより会えることが嬉しくて
BTTFしてしまった私
一緒にご飯、行けるかな?ワクワク
修は生まれたときから個性的だった。
哺乳ができなくて栄養失調でカリンコリン。
スポイトやシリンジでチューっと飲ませたいと何度思ったことか。
3歳の壁を超えるまでが正念場と言われていた。
好奇心旺盛、突発的、多動、注意欠如、過集中、感情失禁、直情径行……
まだ発達障がいなんて言葉がなかった頃のこと。
医師にも教師にも知識はなく、「協調性がない」と言われた。
義両親、実母は「育て方が悪い」「躾がなってない」と言ったし、H(元夫)に至っては「頭がおかしい」と言った。
おいっ、我が子でしょ‼︎
そっちの頭こそ大丈夫?
当時は未だ珍しかった小児精神科を探し、長い予約期間を経て受診することができた。
診断結果があったとて、周囲(と身内)の理解はほぼ皆無。
高3まで担任が変わる度に、面談を申し込んでは配慮を依頼していた。
この子を理解して護れるのは私しかいないんじゃないか、と思っていた。
そんなわけないじゃん。
思い上がりもいいところ。
私から離れても、ひとりでも生きていけるに決まってる。
それでも「この子とはずっと一緒にいるような気がする」とほんのりと感じていた。
大学は、留年して休学して復学して中退。
在学中に私と喋らなくなり、現在のラブラブホヤホヤふたり暮らしに至る。
就活して‼︎と思ったこともあったけど、アルバイトとはいえ同じ仕事を長く続けているのは偉い。
でもさぁ喋ろうよ、面倒くさいやん。
由美は、命の修羅場を何度も潜り抜けては復活を遂げている。
私の願いはただひとつ「生きていてくれれば」だったはず。
由美の命は神様からの授かり物だったはず。
いつの間に多くを望むようになってしまったんだろう?
眠っているだけで、起きているだけで、動いているだけで、感謝の気持ちでいっぱいだったのに。
三きょうだいの中に由美がいるだけで、「女の子がいて良いわね」「やっぱり女の子がいると安心よね」「女同士って助かるでしょ?」と言われた。
そうなの?
よそ様のお子さんって親の安心のために存在してるの?
ある日突然、私を無視するようになり理由を聞き出そうとしたら「接点ゼロ希望」を宣告された。
映画にもライブにもご飯にも一緒に行ってたやん?
友だちより母親と行くってどうなん?って心配するくらいだったのに。
直接の原因が何なのかは判らないまま幾歳月。
判ったところで、私が謝ろうが言い訳しようが償おうが、聞く耳は持たない。
見かけは違うけど、Hに一番よく似ている。
勿論1,000,000倍マシだけど。
何年間も自宅内で「接点ゼロ」を続けるだけでは飽き足らず、このたび由美は物理的に距離を取ることを選んだ。
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