ちゃんしろの仮説

理系大学院生→IT社員。本とかアニメとか漫画とか映画を見て、自分なりの気づきや仮説を記…

ちゃんしろの仮説

理系大学院生→IT社員。本とかアニメとか漫画とか映画を見て、自分なりの気づきや仮説を記事にしています。心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくりますので、よろしくお願いします。

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【考察】『メイドインアビス』を解き明かす -アビスに潜む4つの謎-

【注意】 ※本記事はコミック『メイドインアビス』11巻まで、アニメ『メイドインアビス』1期・劇場版・2期までのネタバレを大いに含みます!!ご注意ください!!※ 『メイドインアビス』がめちゃくちゃ面白い。ロリ絵で描かれたキャラクターの可愛さとは裏腹に、世界観やストーリーは超骨太のファンタジー作品だ。 舞台となるのは直径1㎞・深さ不明の謎の大穴“アビス”。アビスの断面図はダンジョンを思わせ、それだけで冒険に出たくなるようなワクワク感を覚える。 一方で本作は、ただワクワクして

    • 【読書】「科学者あるある」は大問題?~『Science Fictions あなたが知らない科学の真実』~

      話題になった本、 『Science Fictions あなたが知らない科学の真実』を読んだ。 本書は「再現性の危機」についての本だ。Wikipediaによると再現性の危機とは、「多くの科学実験の結果が他の研究者やその実験を行った研究者自身による後続の調査において再現することが難しい」状態のことらしい。 一般的に、科学の強みとは得られた知識がいつでもどこでも成り立つことにある。普遍的と言い換えてもいい。質はどうあれ「○○学に学ぶ××」的なコンテンツが売れるのは、科学という普

      • 【映画】理系にこそ見てほしい『オッペンハイマ―』【感想】

         中学二年の時、二次関数を習った。方程式とグラフが組み合わさり、パズルのような鮮やかな解法を目にして、なんて面白いんだろうと思った。 だが一方で、恐ろしくも感じた。僕は13歳になるまで二次関数という世界を知らなかったけれど、周りの大人たちはすでに知っていることだったのだ。13年も(!)、僕の知らないところに存在する、こんなにも美しい世界があったのだ。 世界にはまだまだ僕が知らない真理が沢山あるのではないか。世界を構成する美しい真理が、僕の知らないところでやり取りされるのは

        • 【読書】日米の正義を比較する ーーウォール街の狼は仲間を売り、コナン君は神になる。【決闘裁判】

          『ウルフ・オブ・ウォールストリート』という、実在の株式ブローカーをモデルにした映画がある。この映画は95%くらい、酒を飲んでるかドラッグをキメているかセックスしてるかの映画なのだが、勢いがあって結構好きな映画の一つだ。 この映画中で、ジョーダン・ベルフォートという人物は2億ドルの詐欺で有罪となるが、詐欺仲間の情報を当局へ売り渡す「司法取引」によって減刑される。 映画では、最終的には刑務所も買収し、優雅にテニスを楽しむシーンで終わるので、「やっぱアメリカはトンでもねえな」「

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        【考察】『メイドインアビス』を解き明かす -アビスに潜む4つの謎-

          【読書】コンサルの時代を斬る【マネジメント神話】 

          1899年、ペンシルバニア州の鉄工場管理者だったフレデリック・ウィンズロー・テイラーは、労働者の作業が始まるとすぐに、ストップウォッチと鉛筆を手にした。テイラーは「労働者は一日でどれくらいの鉄を運ぶことが出来るのか」という答えを知りたかった。 テイラーの時代、仕事のやり方は現場の労働者たちに一任されており、管理者にバレないように手を抜く”組織的怠業”が常態化していた。しかしテイラーが実験し分析した結果によれば、労働者の仕事を測り、適切に管理すれば、4倍以上の量の鉄を運ぶこと

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          【読書】「リアル」すぎるアジャイル開発

          アジャイル開発というものがある。これはシステム開発の用語で、僕が初めに出会ったのはIT企業の面接対策をしているときだった。 就活サイトによると、「アジャイル開発とはなにかを説明してください」という質問が出たらしく、急いでググった。どうやら短い期間で開発とリリースを繰り返す開発手法だということは分かったが、細かいことはピンと来ず、そのまま付け焼刃で面接に臨んだのだった。 IT企業に入社後も、アジャイル開発についてはぼんやりした認識のままだった。しかしある時、アジャイル開発の

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          聖地巡りっていいよね <青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を「見る」>

          音楽から勇気をもらった。本で世界の豊かさを知った。漫画からは人生の在り方を学んだ。そしてアニメからは美しい体験を得た。 ※ 最近のマイブームの話だ。面白いと思ったアニメで、舞台になった場所が近くにあるなら行くようにしている。いわゆる聖地巡り。これが中々楽しい。 何がいいって、聖地巡りは景色が輝いて見えるのだ。 「ある土地を訪れる」という行為も、単に観光として訪れるのと聖地巡りとして訪れるのとで見え方が変わってくる。理由を考察すると、聖地巡りとして景色を見る場合、その景

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          【キュビズム展】キュビズムなんて怖くない!文化祭みたいなもんだから!!

          僕は「表現」が好きだ。どういうことかというと、漫画やアニメや映画や音楽が好きだ。意外なことに、これらを一括りにする呼称は不明なので、僕は勝手に「表現」と呼んでいる。 「表現」を味わう場として名高いのは美術館であるが、これは中々ハードルの高い場所のように思える。かくいう僕も年に数回ほどしか行かない。 しかし、個人的には美術館はそんなに気負っていくものでもなく、もっと軽率に行くべきだと思うのだ。 というわけで、先日行ってきた『キュビズム展』を題材にして、「キュビズムって意外

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          卒業後も友達と遊べるように、飲み会を企画してくれるLINEbotを作った。

          同期や先輩たちが次々結婚していく中、当分そんな予定もない自分の将来のことを考えてた。 腹立たしい暑さも久しぶりの大雨の後で和らぎ、九月末らしい、少し肌寒いくらいの深夜1時。「人肌恋しくなったりしないんですか?」と尋ねてきた、アイシャドウ濃いめの後輩女子の言葉を思い出す。 なるわけなかろう。人は独りで生き、独りで死んでいくのだ。闘うときはいつも独り、それが男の美学。たとえるなら空をかける一筋の流れ星。 不幸ではない。仲間もいるし充実している。だがふとした時に、独りぼっちの

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          最強の勉強法は『HUNTER×HUNTER』に書いてあった!

          今回は入試、資格、スキルアップ、あらゆる”勉強”に使える究極の学習方法を伝授しようと思う。それは… などと振りかぶってみたものの、今回おススメする勉強”方法”は非常にありきたりだ。即ち、「参考書をよく読んで、問題を解き、諦めずに理解できるまでやる」ことだ。超簡単な一発逆転の勉強方法があると思った方、ごめんなさい。 だが勉強の”方法”が同じでも、取り組むときにの”意識”は違う。ここが本記事の要点だ。ずばり、勉強は「鎖を具現化するようなイメージ」で取り組むべきなのだ。そうすれ

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          【映画】三色歯磨き粉を三色だと言えるように【君たちはどう生きるか】

          (問)あなたはどういう人間ですか?価値観とその根拠となるエピソードを書いてください。 (問)自分の人生を振り返って、出来事とその時感じたことを年表形式で書いて下さい。  就職活動なんかをしていると、この類の質問に遭遇することがある。就活用のアピールなんかは考えずに、字面通りこの課題に取り組むとどうなるだろうか。 恐らく支離滅裂な文章が出来上がるのではないかと思う。ある部分の価値観は、別の部分の価値観と相反したり矛盾していて、そんな箇所が無数にあるだろう。 とかく人間は

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          【考察】結婚ラッシュだぁ!!孤独に備えろぉ!!【孤独】

          ここ数ヶ月の僕のテーマは間違いなく「孤独」あるいは「人と人の繋がり」だった。 というのも4月に新社会人になってから、1か月間一人も友達が出来ず、ガチぼっち生活を送っていたのだ。昼食を食べる友人もいないから、昼はずーーっとお菓子のピーナッツをかじっていた(そしたら痩せた、やったー)。 ひとりでいるのは好きだから別にそれでも構わないのだけれど、時折心に飛来する「このままずっとぼっちだったらヤバいなあ」という想いが孤独への興味を引いたのかもしれない。 ということで最近は「人と

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          虚構と現実の狭間。VTuberという不思議な宗教体験。

          先日、にじさんじ所属のVTuber(ライバー)・郡道美玲先生が卒業した。 卒業配信も湿っぽい雰囲気は一切なく、終始郡道先生らしさ全開の素晴らしい配信だった。 VTuber界隈は動きの激しい業界であるから、引退・卒業は珍しいことではないが、推していたVTuberがいなくなるというのはやはり一抹の寂しさを覚える。 「もう二度とこの人の配信は見れない」というのは、ある意味VTuberにとっての”死”を意味する。だがVTuberの”死”は、現実世界での死別とは違う不思議な感情を

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          成功したきゃ走れ。何故かはTAKUYA∞と科学が教えてくれる。【読書】【UVERworld】

          先日、音楽番組の『関ジャム 完全燃SHOW』(関ジャム)に出演したUVERworldのボ-カル・TAKUYA∞は、ライブへの異常なこだわりを披露した。 楽屋に泊まったり、ライブ直前の動画(癖強動画)だったり、凡人の僕には「どこがライブに関係あるのか」と思うようなこだわりも混ざっているが、TAKUYA∞はアーティスト肌なので関係あるつったらあるのだ。 それはともかく、特に目を引くのは①の「毎日10km走っている。」だ。TAKUYA∞の10kmランと言えばファンの間では有名な

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          「無能だったらどうしよう」と不安がる必要がない理由。例えば「文系でもSEになれますか?」みたいな人へ。

          大学時代、バイト先に同じ学科の後輩が入ってきた。僕たちは工学部で、僕はIT業界に内定していて、後輩は研究室配属でAI系の研究室に進もうとしている、というような時期だった。 そして僕たちは二人とも、IT業界とAI研究という未来が見えているにもかかわらず、プログラミングなどの情報科学の知見が全くないという、どうしようもない共通点があった(なぜかと言えばコンピュータ科学の講義をサボっていたから)。 ある日、何気ない雑談で後輩に「コンピュータサイエンスの知識がないのにAI系の研究

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          『ぼっち・ざ・ろっく!』にハマった人、マジで「陰キャならロックをやれ!」【アニメ】【考察】

          『ぼっち・ざ・ろっく!』は、コミュ障の主人公・後藤ひとり(ぼっちちゃん)がバンド活動を通じて成長していくお話だ。 ぼっちちゃんは所謂陰キャで、そのくせ承認欲求は強い。夢はバンドで人気者になって高校中退すること、という女子高生。 ぼっちちゃんの性格は、伝説の女子高生バンドアニメ『けいおん!』の主人公・平沢唯が非常に社交的な愛されキャラとして描かれるのと対照的である。 振り返ると、昨年の『ぼっち・ざ・ろっく!』は異常に爆売れした。確かに良くできたアニメで良作には違いないが、

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