会社で愛されるオペレーターになるための9つのノウハウ
前回、スタートアップにとって必要不可欠な "オペレーター"の役割について説明しました。
今回は、そのオペレーターとして働く際のノウハウについてお話したいと思います。
多くの企業では、自分の部署の定められた業務だけをやっていても一定の評価を得ることはできます。しかし、スタートアップではそもそも業務内容自体が決まっていないケースも多く、自分で仕事を作っていくことが必要になります。
カスタマーサポートで顧客とコミュニケーションをしていたかと思えば、今度はプロジェクトベースで開発/デザイン/マーケなど、他部署との横断的なコミュニケーションをします。
同じような話をあっちこっちに伝えるだけで一日が終わったり、以前話した内容を全然覚えてくれていなかったりすると疲れがどっと押し寄せてきます。こんなときは自分の仕事に疑問を持ったりしてしまいます。
そこで20年間、オペレーターとして仕事をしてきたベラに話を聞きました。
オペレーターに必要なのは人に対する理解
オペレーターは、いわば優れた外交官であることが求められます。人の心を読み、必要なものを提案したり、駆け引きの技術が必要になります。ただ単に御用聞きのような役割をこなしているのではオペレーターとはいえません。私がこれまで20年間、オペレーターとしてやってきた中で大切だったと思うのは以下の9つです。
①顧客からのフィードバックに一喜一憂せよ
良いオペレーターはお客様からの声に一喜一憂します。これは”振り回される”のではなく、文字通り受け止めるということです。最近はアップストアのレビューなどをSlackにリアルタイムに流したりするスタートアップが多いかと思いますが、そういった取り組みは非常によいと思います。顧客の声を絶え間なく聞くことが大事です。
②オペレーターのクライアントは両面(Two-Side)である
オペレーターとして忘れないでほしいのは、外部のお客様だけでなく、「内部」のお客様もいるという点です。社内の人にとって「敵」ではなく、「助言者としてアドバイスを求めたい」と思わせることが大事です。オペレーターには3つのレベルがありますが、レベル3を目指してほしいですね。
レベル1:みんなからお客様対応、いつも大変だねって思われる(自分は満足していても)
レベル2:今日もいろいろ言われそうだからという理由で、ほかのメンバーから避けられる
レベル3:何かを始める前に、お客様の反応がどうなりそうかアドバイスを求められる
③社内に対して怒らない
ほかの部署から共有がなく、自分も知らなかったことをお客様に言われてはじめて気づくのは正直気持ちのいいものではありません。他のメンバーも自分ではコントロールできなかったり、忙しすぎただけかもしれません。次からのコミュニケーションの仕方をどうするか、キチンと決めておくなど対策を立てるほうにエネルギーを使いましょう
④ひとは500回くらい言わないと動かない
メールを送るときに、メンバーをCCに入れるかどうかを迷うことがあります。そういったときは絶対にCCに入れておいてください。上司に一回話したことがスルーされているなら、もう一度話しましょう。メールで言っても聞かないならチャットで、エレベーターに乗り合わせたときにもう一度、といった具合にインプットしましょう。そうするとある日突然、上司が良いアイデアがある、と言って自分が提案した話をしはじめます。そしたらそっとTo-Doリストの項目を一つ消しておきましょう。
⑤オペレータも万能ではないと自覚しよう
オペレーターの役割を任されている人の多くは、責任感が強く、自分で何が何でもやってやろう、という方だろうと思います。しかし、技術的な問題などを自分で解決することはできません。会社はチームで働く場所なので、ほかのチームに頼ることも必要です。エンジニアや営業を信じて、頼るときは頼りましょう!
⑥クレーム対応で消耗しない
たまに、いわゆる「モンスターカスタマー」のような方がいらっしゃいますよね。お客様は神様ではありませんので、ある一定のところで区切りをつけることも必要です。CSチームのリーダーとして顧客対応をしてきた中で、「申し訳ないですけど、今日はお互いツイてなかったですね」と言って電話を切ったこともあります。無理難題に対しては、適切に区切りをつけなければなりませんが、それには「会社が自分の判断を支持してくれるだろう」という安心感や確信が必要だと思います。
⑦ヒューマンラーニングをしよう
オペレーターは人と対峙する仕事なので、人を理解することが重要になります。私はMBTI(人格診断テスト)の資格などを取ったりしたので、最近では電話の向こう側の人の性格が目に見えるようになりました。いまいまはストレスかもしれませんが、これは仕事だけでなくプライベートでも活きてきます。
⑧オペレーターとして、自分だけのKPIを立てよう
オペレーターは火消しではなく、火事が起きないように予防することが大事です。なので、自分で主張しないとその成果を感じてもらいにくいです。だけど、自分で「これだけできました!」と主張するのは恥ずかしいし、カッコ悪いですよね。なので、会社のフェーズに合わせたKPIを設計するんです。例えば、会社の規模(ユーザー数)は増えても、問い合わせの量は一定水準をキープするといった形で。
⑨専門性を追い求めすぎない
あっちこっちの仕事はしているけど、自分だけの何かが足りないと感じたり、自分の向き不向きに悩んだり。というようなことがあると思います。
私の場合はPMとしてシステム開発をしたり、マーケティング・プロモーションで賞をいただいたりしましたが、いずれも自分から手を挙げています。これが自分の仕事だ、という領域を決めたりせず、何でもいいので手を出してみるのが重要で、そういうオペレーターは急成長する組織にこそ最適されています。
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実務者としてのオペーレータのノウハウを紹介しました。
皆さんもオペレーターという役割を楽しめたらと思います!