お好み焼きを食べて育ちたかった
ー麺が入っているスペシャル感ー
瀬戸内海旅行シリーズ第4話。
(第3話はこちら)
宮島から広島市街に戻ってきて、電車と路面電車を乗り継いで、待ちに待った夜ごはんのお店へ向かう。
平和記念公園近くの「ミカヅキ」というお店。
食べログのお好み焼き百名店で選ばれていたお店。
普段都内ではあんまり食べログに頼りたくないという変なこだわりがあるのだけれど、旅先に限っては、この百名店様をすごく頼りにさせてもらっている。普段頼りたくないと思うのは、おそらく見ず知らずの人がつけた点数で決まった評価を鵜呑みにしている人と思われたくないから?
でも旅先だと他に頼れる情報源がないので、食べログ様様になっている。本当は行く先々に知り合い(とか好きな作家さんとか)のおすすめのお店があればいいんだけど、まだ人生が浅いもんで、なかなかない。悔しい。
10席くらいのこじんまりとした店内で、カウンターに通される。
メニューを見ると、お好み焼きだけかと思っていたのに鉄板焼き系のメニューも豊富でテンションが上がる。
とんぺい焼き・アスパラ焼き・ホタテ焼き・そしてお好み焼きを注文。
ボーッと鉄板を眺める。
細長い豚肉のスライスが並べて焼かれていて、その隣で溶き卵が焼かれていた。
その肉に具が乗っかって、気づいたら卵でロールされて、私たちに差し出された。
「とんぺい焼きです。」
ハッ、とんぺい焼きを作っていたのか!
鉄板焼き屋さんって料理人というより、もはやパフォーマーだよね。
私史上一番唐突なとんぺい焼きだった。
パリパリの豚肉と卵とソースの組み合わせ。
このおいしさ、知っていたけど食べるたびに感動できる。
なんならこの後でてくるお好み焼きよりも好きだったかもしれない。
(ファーストインプレッションの大事さよ。)
私ととんぺい焼きの出会いは小学生の頃だった。
当時、親戚にとんぺいというあだ名の子がいて、お好み焼き屋さんに行って「とんぺい焼き」というメニューがあるのを発見したので、笑いながら頼んだらめっちゃおいしくてびっくりしたという思い出がある。
それからお好み焼き屋さんに行ったら欠かさず頼んでいるとんぺい焼き。
一生ついていきます。
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お次はアスパラ焼きとホタテ焼き。
ギラギラのバター醤油アスパラガス。やわやわのホタテ。
いくらでもいけちゃう。
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そしてついに大トリを飾るお好み焼きが差し出された。
広島風らしく、ちゃんと中華麺がたっぷり入っている。
てか何ならほとんど麺。
この麺が食べ応えあって、、とにかくもっちもちだった。
ガーリックパウダーがかかっているのもおいしさの秘訣だと思う。
イカ天のカリカリもおいしい。オプションだけど必要不可欠かも。
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満腹になってお会計をしたら、目を疑うくらい安かった。
関西は食べ物が安いとはちらっと聞いていたけれど、本当なのかもしれない。
ふと、お好み焼きがもっと根付いた町で暮らしをしてみたかったと思った。
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小学生の頃、「へこまし隊」という(我らが青い鳥文庫の)児童書にハマっていた。(地域の悪いヤツらをおもしろおかしく懲らしめる(へこます)少女3人組の物語。)
大阪が舞台のその物語で、主人公3人組は、よく小学校の帰り道に駄菓子屋さんに寄って、お店の端にある鉄板付きのテーブルを囲んでお好み焼きを食べていた。
想像するだけで香ばしいソースの香りが漂ってきたのを覚えている。そして小学生にして友達と鉄板を囲むという非日常感に憧れてもいた。てかそもそもおやつにお好み焼きを食べられるというのが羨ましかった気がする。
いいなあ関西人。
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帰り道、歩いていたら、外苑前のいちょう並木通りみたいな大通り沿いに豪華なイルミネーションを発見。
腹ごなしに見て行こうということになって歩いていたら、それが思いがけずどこまでも続いていて、立派なイベントになった。
食後の散歩、最高。
にしてもやることが派手。ディズニーの夜のパレードみたいだった。
これにて長かった旅行1日目が終わり、明日はいよいよしまなみ海道入り!
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