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1年前にENEOSホールディングスの株を100株買っていたら? #9
▼1年前にの株を100株買っていた結果はこちら↓
5020: 【ENEOSホールディングス】
1年前の株価: ¥629
現在の株価: ¥807
増減率: +28.30%
もし1年前に100株買っていたら……
→ 【現在価値:80700円(+17800円)】
→【配当金:1株24円(240円)】権利確定日:3月・9月
→ 配当金込みでトータルリターンは【18040円】
※1年前の株価:2024/2/16
※現在の株価:2025/2/16
▼企業概要
17年4月に東燃ゼネラルと経営統合、国内シェア5割の石油元売り首位。銅など非鉄事業兼営
▼📈良い点
1.在庫影響を除いた営業利益が増加
・2025年3月期の在庫影響を除いた営業利益相当額は3,873億円(前年同期比+517億円)。
・在庫の評価影響を除いた実力ベースでは業績が改善。
2.一部のセグメントが増益
・機能材セグメント:ブタジエン市況の高騰や円安の影響でマージンが拡大し増益(営業利益138億円、前年同期比+85億円)。
・電気セグメント:販売マージンの改善やコスト削減で増益(営業利益206億円、前年同期比+185億円)。
・再生可能エネルギーセグメント:新規稼働プロジェクトにより増益(営業利益4億円、前年同期比+52億円)。
3.株主還元の強化
・2025年3月期の年間配当予想は26円(前年同期比+4円)。
・自己株式の取得も実施(約1,936億円)。
4.JX金属の上場承認
・連結子会社JX金属が東証プライム市場へ上場予定。
・売却益が期待され、資本効率の向上につながる可能性。
▼📉悪い点
1.売上高・営業利益が減少
・売上高:9兆6,059億円(前年同期比-6.2%)。
・営業利益:3,025億円(前年同期比-21.7%)。
・親会社所有者帰属四半期利益:1,707億円(前年同期比-17.4%)。
・金属セグメントの子会社売却や原油価格の下落が影響。
2.石油製品セグメントの不振
・国内の低燃費化・需要減少の影響で販売数量が前年同期比-2.5%。
・在庫影響を含む営業利益は734億円(前年同期比-1,347億円)。
・在庫評価損(-848億円)の影響が大きい。
3.キャッシュ・フローの悪化
・営業キャッシュ・フロー:+2,467億円(前年同期比-3,122億円)。
・財務キャッシュ・フロー:-2,835億円(前年同期比-512億円)。
・現金及び現金同等物が期首比-2,566億円減少。
4.有利子負債の増加
・総額2兆9,105億円(前年度比+905億円)。
・自己株取得や配当支払いの影響でネット有利子負債も増加。
▼📊 総評
NEOSの2025年3月期第3四半期決算は、全体として厳しい状況にあるが、一部ポジティブな要素も見られる。売上高・営業利益の減少は避けられず、石油製品事業の低迷が大きな課題。しかし、機能材や電気・再生可能エネルギーセグメントは成長を見せており、事業の多角化が徐々に進んでいる。また、JX金属の上場が資本効率の向上につながる可能性がある点は評価できる。
ただし、キャッシュ・フローの悪化や有利子負債の増加は懸念点。今後の業績回復には、石油製品事業の収益改善や、成長事業のさらなる拡大が求められる。特に、在庫影響を受けにくいビジネスモデルへの転換が鍵となる。
投資判断のポイント
短期的には在庫影響の回復や原油市況の動向が重要。
中長期では、機能材・再生可能エネルギー事業の成長に期待。
配当利回りや自己株取得を考慮すると、株主還元は魅力的。
ただし、有利子負債の増加やキャッシュ・フローの動向には注意が必要。
この決算を受けて、ENEOSの成長性と安定性をどのように評価するかが、投資の判断基準となる。
▼参考資料
https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20250214/20250213573380.pdf
▼主の一言
今回は2025年3月期 第3四半期決算短信を基に分析してみました。
JX金属はIPOは狙う予定です。