マガジンのカバー画像

ゆるとも初心者クラブ

153
【note初心者さんのための共同運営マガジンです】「創作を続けること」と「交流を楽しむこと」を目的に活動をしていました🍀 活動当時は「noteを初めて1年未満」、もしくは「not…
運営しているクリエイター

#少年

【短編小説】夏の終わり、道の始まり

 心地よい夢をみていた。  胸につかえていたなにかが、すっきりと洗い流されるような、ほっ…

秋ノ宮 陽菜
7か月前
13

【(わりと)短編小説】ほらふきかっちゃん・6(最終話)

 かっちゃんが死んだのは、それから二週間と経たない頃だった。かっちゃんは土間にうつ伏せに…

秋ノ宮 陽菜
7か月前
21

【(わりと)短編小説】ほらふきかっちゃん・5

 事件が起こったのはそのあとだった。かっちゃんより少し前に男湯を出た僕は、フルーツ牛乳を…

秋ノ宮 陽菜
7か月前
23

【(わりと)短編小説】ほらふきかっちゃん・4

 そこへ母ちゃんが入ってきた。 「勝治、あんた、悠馬を連れて銭湯へ行ってきてくれない?」 …

秋ノ宮 陽菜
7か月前
20

【(わりと)短編小説】ほらふきかっちゃん・3

 そんな会話をしているうちにも、トタン屋根にはばちばちと雨が当たり、雨受けの茶碗たちはり…

秋ノ宮 陽菜
7か月前
20

【(わりと)短編小説】ほらふきかっちゃん・2

 僕が行くと、かっちゃんは畳敷きの上の布団を畳んで脇によせ、おいでおいでと手招きした。僕…

秋ノ宮 陽菜
7か月前
27

【(わりと)短編小説】ほらふきかっちゃん・1

 僕がかっちゃんの家に行くのは、雨の日が多かった。雨の日は友達がまっすぐに家に帰るので遊べないし、僕の両親は共働きで製糸工場を経営していて、家にいてもつまらないからだった。 「悠馬はいつでも来てええよ。いつでも来んでもええよ」  と、かっちゃんは言ってくれていたし、僕もそれに甘えて、寂しいときだけかっちゃんの家に行っていた。  かっちゃんの家は、普通の家とはちょっと違う。家は広い一部屋で、土間敷、つまり床が土なんだ。屋根はトタンで、雨が降るとすごい音がする。ばらばらばらば