【(わりと)短編小説】ほらふきかっちゃん・1
僕がかっちゃんの家に行くのは、雨の日が多かった。雨の日は友達がまっすぐに家に帰るので遊べないし、僕の両親は共働きで製糸工場を経営していて、家にいてもつまらないからだった。
「悠馬はいつでも来てええよ。いつでも来んでもええよ」
と、かっちゃんは言ってくれていたし、僕もそれに甘えて、寂しいときだけかっちゃんの家に行っていた。
かっちゃんの家は、普通の家とはちょっと違う。家は広い一部屋で、土間敷、つまり床が土なんだ。屋根はトタンで、雨が降るとすごい音がする。ばらばらばらば