トゲトゲした世の中で、今こそ読みたい本『反応しない練習』
“今は怒っている人が多いから、怒っていない人を見たくなる”――先日視聴していたイベント「#NEWWORLD2020」で、そんな話が出た。確かにそうだなぁと思わされる。
最近ニュースやTwitterなんかを見ていると、確かに怒っている人、イライラしている人は多い。外出自粛や休業要請に応じていない人・店舗を攻撃する「自粛警察」なんて言葉も話題になっていた。
トゲトゲした人や情報にふれると、消耗したり、苛立ったり、自分もストレスを感じてしまうもの。たとえそれが、自分に直接向けられたものでなくても。
そこで、久しぶりにこの『反応しない練習』を引っぱり出して再読してみた。まさに今こそ読み返したい、おすすめの本。
この本では、序盤でこのように書かれている。
「反応」こそが、悩みの正体です。心の反応こそが、人生のトラブル、悩みを惹き起こしているのです。となると、私たちが日々心がけなければいけないことは、一つです。「ムダな反応をしない」ことです。(p22)
真っ向から向き合って反応しても、「闘う」という発想では現実を乗り越えることはできない。新しい生き方、もっと合理的な考え方の一つとして「ムダな反応をしない」という心がけが必要とされている――と。
また最近の風潮のように、人があれこれと判断する理由については、以下のように書かれている。
判断する心には、わかった気になれる気持ちよさと、自分は正しいと思える(承認欲を満たせる)快楽があるのです。
だからみんな、判断することに夢中です。(p53)
人間が考える多くの判断は、実は真実でもないし、有益でもありません。いわば“ヒマつぶし”です。なぜそんな判断をしているかといえば、すでにお伝えした通り「判断自体が気持ちいい」ことと「承認欲が満たせる」ことが理由でしょう。(p64)
この部分は特に今、なるほどなぁと感じてしまう。
コロナ禍によって行動が制限され、暮らしが大きく変わり、ストレスを感じている人は多い。国や自治体の動きに思うところがある人も。そのモヤモヤ・怒りのエネルギーを少しでも発散するために「判断」しているのかもしれない。
声をあげること、自分の意見を持つことはよいことだ。けれど、いきすぎた「判断」は攻撃であり、主張とは違う。場合によっては犯罪にもなってしまう。
ほかにもこの本では
感情を、上げもせず、下げもせず
反応しないことが「最高の勝利」
など、自分を穏やかに保つためのヒントや、人生において大切にしたい考え方がたくさん書かれてあり、定期的に読み返したい本の一つである。
読んだことのない方は、一度ぜひ。
それでは、また明日。
※Audible(音声で聴くタイプ)無料体験の対象本です(執筆時点)
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