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泡沫の詩





きみの背中をひらいて

そうすれば空は見えるだろうか


繋がれてしまえばよかった

きみの小指に


ささやかに佇む残響が

首すじを切り裂いてゆく


泡のような

霧よりも薄い

ぼくときみ


僕らを囲むものも

何もないんだよ


さわやかな音とともに弾けても


宇宙よりも細やかな何かへ

空よりもひろい何かへ


飛び交いながら

変わってゆくよ



茶埜子尋子

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