読書感想5冊目:猫の診察で思いがけないすれ違いの末、みんな小刻みに震えました/やーこ著・栖周イラスト(KADOKAWA)
注:感想を書き連ねる間に重要なネタバレをしている可能性があります。ネタバレNGな方は読み進めることをおすすめしません。苦情については一切受け付けません。また、感想については個人的なものになります。ご理解ご了承の上、読んでいただくことをお願いいたします。
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※電子書籍あり
ほんとうにおすすめ、読み始めるときは呪文が必要。
心の底からおすすめの一冊。
この一冊を読むとき、
「私、小刻みに震えるから」
の宣言をしておりました。
ガチです。
もともとはTwitterで毎週楽しみにしていたエッセイ?物語?連載。
やーこさんの書かれるお話を楽しく、それはもう楽しく拝読しておりました。
本になったら読みたいなーと願っていたところ、「Walker Plusさんで連載します」宣言からの書籍化!!!
さすが、面白いお話は目を付けられるのも早い……
ここまで語っていて、「じゃあ本文のおもしろさはどんなものなのか」を語っていないことに気づきました。
やーこさんのお話の魅力。それは、他人がそばにいる状況では読んではいけないこと。
なんのこっちゃと思われるのですが、ほんとに、心の底から一度読んでみてほしい。わかるから。実感するから。
ハードル上げすぎてない?と思われるかもしれませんが、大丈夫です。構えていったとて、ストレートパンチでもジャブでもアッパーでもなく、ジャンプ回し蹴り(「腕が伸びた!?」なムエタイ風)が飛んでくる感じです。
……ますますわからない、伝わらない……?
面白さの理由
例として、お話を読むときになる現象として、
「ほんとなの!?まじで!? wwwwwwwwww(無言で腹を抱えて笑う)」
こうなります。いやほんとに。吹き出す。まじで。
事実、同僚に勧め、同じく毎週笑いをこらえることにより腹筋(と、たぶんを鍛え、肩を小刻みに震わせる仲間に仕立て上げることに成功しました。
母には書籍を貸したのですが、わざわざLINEで
田口への謝罪ポスター
NO石油王
はまった(大笑いの絵文字)
だけ送られてくるほど、ツボに入ったようです。
その後、母は涙を流しながら大笑いして読了し、やーこさんの連載が行われているnoteのURLを伝えたところ喜んで拝読している様子。
(TwitterとnoteのURLは下部に紹介させていただきます)
そう、腹筋(と、たぶん顔筋)が鍛えられるほど大笑いしてしまうお話。それがやーこさんのお話なのです。
まだ、本文そのものの紹介すらせず「おもしろいから!」と熱弁しているだけに気づきました。
基本的には「〇〇した話」というタイトルにより、やーこさんが体験した(風?)お話がつづられていきます。
はじめは「はじめに」から「合コンに行ったら怖い目にあった話」「カツアゲにあった話」、と2~3ページほどで読めるお話が続きます。
ここで、なんだ、普通にありそうなタイトルじゃないか、と思ってはいけません。
怖い目にあうのは誰でしょうか。カツアゲにあった結果、どうなるのか。
そこで広がるのがやーこワールドなのです!!!
やーこ(さん)ワールド体験ツアー
一部抜粋し、やーこワールドを少しだけ、味わっていただきましょう。
どうですか、ついてこれてますか。
それぞれのお話、ほぼ冒頭です。脳内のすべてがかっさらわれます。
まず「合コンに行く」のに酒を積まれてキューピッド役、という表現のセンス。その後何があったのか急に破壊神になるやーこさん。
母が思わず連絡を入れた「NO石油王」につながる「苗字」の話では、名前を変えることによる謎の風評被害(ほめられているのかけなされているのかもはや不明)の話となり、担任どころか台風のように周りを見事に巻き込む様子。
このほんの少しの一文で、まず笑いがこみ上げます。しかしまだまだ序の口。はじめはここで笑ってもいいのですが、読みなれた猛者は身構えます。
来るぞ、来るぞ……(ざわ……ざわ……)
と。
ご紹介した話は、斜めベクトルどころか地球の裏側まで行くような超躍動をみせ、オチを迎えます。
「合コン」は青春模様とストリートファイト、そして散りゆく(笑いを伴った)小さな失恋へ。
「苗字」は揉め事の収束に向かうべく対応するのですが、「NO石油王」がすべての現況だったかのように、「そういう事じゃない……」と誰も報われない虚しさを味わうことができます(ほめてます)
もちろん、ほかのお話においても万事この調子、この流れ。
一度読み始めたら乗せられたジェットコースターのごとく、ページを繰る指は止まらない、笑うしかない状況にご招待、です。
また、やーこさんを含む登場人物(友人やご家族、通りすがりの人、ご近所さん)もまた、やーこさんに影響されているのかもはやわからないけれども、どの人物も味があって面白いです。
やーこさんの巧みな話術に踊らされ、面白さに昇華されている、という意味にもつながるかもしれません。
イラストも素敵
毎回、やーこさんが新記事をあげると神絵師さんこと栖周さんがイラストをあげてくださっています。
それがまた、大事なポイントと吹き出すポイント(超重要!)を押さえていて、一粒で二粒、いや三粒以上のおいしさをもたらしてくれるのです。
一度読み、吹き出して大笑いし、イラストを見て思い出し笑いし、また記事を読みに行く。
そんな素晴らしい体験も味わうことが可能です。
公式的にも「笑えること」を保証
帯には
「抱腹絶倒な展開と劇的なオチ。」
「笑いを加速させるイラスト付き」
「思わず声を出して笑ってしまう危険性があるので、心配な方は周囲を確認してからお読みください。」
「最初から最後まで笑いだけをお届けします」
etc…
と記載があるほどです。
(周囲に注意、は帯でも注意されてた!!!とここで大うけしております)
おもしろすぎて「絶対おすすめできる、感想文を書くぞ!」と意気込んでおりましたが、ただただ語彙力をなくして「面白い」を連呼する文章を書き連ねただけになってしまいました……
そんなあなたに朗報です。
やーこさんは書籍化のもととなったお話を、Twitterとnoteで連載中です(ほかにもいろいろなネットニュースで紹介されたりもしている様子)。
ぜひとも生原稿(ネット上)をお読みいただき、さらなるやーこワールドを味わっていただきたいものです。
ちなみに書籍版は書き下ろし新作も収録されてます。
著者&イラスト担当者様の生原稿(的)リンク
著者:やーこさんのTwitterとnote
https://twitter.com/yalalalalalala?s=20
イラスト:栖周さんのTwitter
https://twitter.com/sumiamane?s=20
お読みいただきありがとうございました。
いち「物書き」としては、ほんとうにおもしろい話を書けることに尊敬と、あこがれを抱くばかりです。がんばらねば。
(毎週、しっかり書かれてて継続すごい、と崇め奉る感情です)
最後の最後に、改めて。
!!!注意!!!
人前で読むときには、不審者になる覚悟でどうぞ!!!
ほんとうに、注意してくださいね……小刻みどころか震えが止まらなくなるので(笑いをこらえなければならないほど、苦しくなる)