何でもかんでも「酷使」か
先日、NPBのジュニアチームの大会が開催された。結果は華々しく阪神ジュニアが初の栄冠を手に入れたのだが、やはりここでも「酷使だ」と言う意見が出ているので、今回はその事について書いていこうと思う。
「酷使」に対する僕の考え
個人的な意見を言うと、酷使になるか否かは人それぞれなのだ。今回のジュニア大会では明確に70球という球数で線引きをしていたが、同じ70球でも故障をしやすいフォームで投げる70球と安定したフォームで投げる70球では明らかに前者の方がリスクが多いのだ。従って、万人に共通するような酷使のデッドラインはないのだ。甲子園の舞台に野球人生を奪われてしまった沖縄水産高の大野倫氏のように肘が曲がってしまっていたり、肩が上がらないような状況で投げていたら当然「酷使」だと言えるだろうが、当然今大会ではそういった選手は見当たらなかった。
結論を言うと、日頃その選手達がどのようなトレーニングをしていて、どのような体のつくりをしているか、また今回のような少年野球であればどのように発育をしてきたのかを全く知らない外野の人間がやいのやいのと言うことでは絶対にないのだ。NPBが組織ぐるみで行っているイベントだけあって、そういった情報は普段選手達がプレーしているチームから伝わってきているのではないか。我々にできることは少年野球の発展を願って、暖かい目で見守ることだけだろう。
少年野球、これだけは…
当然のことではあるが、僕自身も少年野球をしていた経験があるが、今回の大会を見ていて思ったことは「随分と投手が速い球を投げるな」ということである。これには感心を覚えたが、それと同じ程心配にもなってくる。
全段落とは矛盾することを言うかもしれないが、どれだけ身体が強い選手でも球速を出したら出しただけ靭帯や肩関節に負荷がかかり、故障のリスクが高まることは間違いないことである。今回日ハムジュニアの左腕投手が130キロを記録したようだが、果たしてこの数字を12歳の「男の子」が出していいものなのだろうか。言葉は悪いが、「身の丈にあったプレー」をすることが重要である。打者が分かっていても打てないような速球を追い求めることはロマンと言っても過言では無いが、そこはやはり指導者がどう教育を施すかにかかってくるのではないか。高能力者の集まる今大会のようなイベントでは特にそうなるだろう。
最後に
今回も、金の卵たちのプレーに圧倒された。僕が小学生の頃は、純粋に楽しいという気持ちだけで野球をしていたのに、この子達はプロ入りを見据えてプレーしているのだなと感じ尊敬を覚えた。6年後、ドラフトに指名されて「あの時の子か!」となることを期待している。