髙橋宏斗、全日本入り
髙橋宏が中日から唯一の代表入りを果たした。高卒3年目の選手では田中将大以来2人目という快挙との事なので素直におめでとうと言いたい。今回は、そんな若武者がWBCの精鋭たちから吸収して欲しいことを数個書いていくこととする。
チェンジアップの作用をする球を
髙橋宏の持ち味といえばフォークボールが第1に思いつくだろうが、僕はやはり160キロに迫る直球であると考えている。フォークボールを振るということは、直球の活きがいい事の証明と言っても過言ではないだろう。
ただ、そんな直球でもMLBの投手陣を相手にしている米国やドミニカ共和国、プエルト・リコの代表達には通用するだろうか。個人的な予測ではあるが、中日での組み立てそのままにMLBレベルの選手を相手にすると弾き返されてしまうのではないか。その典型例が平成27年のプレミア12で痛打されてしまった則本昂大なのだ。彼はその翌年から、それまでのフォーク主体の投球からチェンジアップやカーブを駆使した技巧的な投球をするようになった。時期は違えど、髙橋宏も是非WBCで試行錯誤をして長く戦うことができるプレースタイルを確立して欲しいものだ。
大会独特の「第2先発」は過酷だが…
今大会での髙橋宏の役割は先発が早く崩れてしまった際の救援投手。俗に言うロングリリーフであり、とても過酷なポジションではあるものの髙橋宏の課題を克服するためにはピッタリのポジションと言えるだろう。
昨季、上々の成績を収めた髙橋宏だったが、数字以上に印象が悪い理由は序盤に失点するとそのままズルズルと失点が嵩んでしまうからだ。早い話が、彼は流れに大きく左右されてしまう打たれ弱い投手という訳である。この大会で流れに左右されず、自分の仕事をきちんとこなす術を身につけると今季の2桁勝利並びに規定投球回到達は確実にできると断言しようではないか。
世界基準の投手達と
今大会の最大の見所はニューヨーク・メッツへと移籍した千賀滉大やサンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有、そしてNPBの山本由伸といった今をときめく投手たちが選出されたことだろう。今回選ばれた若いメンバーの中でも、特に髙橋宏はこの投手達から色々なことを吸収して欲しい。
理由は中日に長らく大黒柱と呼べる投手がいないからである。大野雄大、柳裕也という柱はいるのだが、必ず勝たなければならないという試合で勝ってくれる選手はハッキリと言って吉見一起現トヨタコーチを最後に全くいないのだ。ただ、他球団を見渡してみると昨季の覇者オリックスには前述の山本や宮城大弥がいるので、これは「時代の流れ」という言葉で済ませてはいけないと思っている。髙橋宏にはそういったことが期待できる逸材なので、そこを期待していいだろう。
最後に
中日唯一の出場ということで、色々な好影響をチームに与えられるような学びがあって欲しいものだ。抑えても勉強、打たれても勉強といった感じで、色々なことを体験して欲しい。