二軍独自の呼称を!【前編】
題名を見ても、皆様に何を言っているのかと思われてしまうだろうがNPBもMLBに倣って、一軍と二軍を全く違う名前のチームにしてしまうのはどうかという提言である。今回はその第1弾として、この制度を採用するとどういった利点があり、またどう言った不利益があるのかを書いていくこととしよう。
メリット
①グッズ代の収益
「二軍戦」というと、10年ほど前までは現在Twitterに書き込まれているような壮絶な誹謗中傷が野次として飛んでいたのだが、そういった層は消えてなくなり、ここ数年はいわゆる「野球女子」の影響もあってか若手選手の応援や撮影を目的に訪れているファンが数十倍にもなっている印象を持つ。彼女らは当然のように、二軍でも活躍していないような選手のグッズを集めていくのだ。彼女らをいかにして虜にしていくかというのが、激しい人気戦争の鍵となってくるのだ。
となると、二軍が一軍とは全く違うユニフォームで、全く違う球団名でプレーをしたらどうだろう。当然のように、彼女らは一二軍併せてホーム、ビジター両方のレプリカユニフォームを購入するに違いない。また、タオルやメガホンも二軍のものを惜しげも無く購入することだろう。
②地域密着に
実はこの二軍の球団名を違うものにするというのは前例がある。10数年前の、DeNAが親会社となる前の横浜が二軍の名前を「湘南シーレックス」に、まだ二軍の球場が神戸に残っていた頃のオリックスがサーパス神戸にしていたのだ。この2球団に共通する点が全く親会社の名前を入れず、本拠地の地域名を入れている点だ。やはり、住んでいる地域の名前が入った球団があれば、長年の住民は関心を持つだろう。
③独自のスポンサーからの収益も?
これは②とは矛盾してしまうが、二軍独自の球団名を拵えるとなれば、一軍と同じ企業が親会社とならなくてもいいのだ。これにも事例があり、これまた10数年前の西武が二軍をネーミングライツで「グッドウィル」や「インボイス」としていたのだ。二軍ということで一軍のようなサポートは受けられないだろうが、ネーミングライツやメインスポンサーで一軍とは違う企業に着いてもらうということもできるだろう。また、ユニフォームの広告でも違うチームを使うことが出来るのではないか。②と併せて考えると、「横浜DeNAベイスターズ」や「東京ヤクルトスワローズ」のような感じで、地域名+企業名+チームの愛称という形が最も良いのではないか。
④選手のモチベーションに繋がる
前述の湘南シーレックスやサーパス神戸が誕生した理由は、「二軍にいてはいけない」ということを選手たちに示すことである。二軍はプロではないというわけでは無いだろうが、当然選手たちの真価は一軍で問われるものである。
デメリット
①コストがかかる
この制度の最も不利益な点は、ユニフォーム一色や球団旗などにかかるコストだ。チームカラーも一二軍で別々のものとなると、アンダーシャツやソックスまでもを用意しなければならない。また、意匠をデザインする際も、デザイナーに依頼するとなればそれなりにコストが発生するものである。現に、前述の湘南シーレックスが淘汰されてしまった理由はここにあるという人もいる。
しかしながら、湘南シーレックスが存在していた時代は今で言うサード・ユニフォームを採り入れている球団も少なく、グッズで資金を集めるという概念も今ほどなかった時代だ。現在は独立リーグでもユニフォームを変えるファンサービスがあるので、ここは問題外なのではないか。また、一軍との行き来によって、背番号や背ネームを張り替えながら1つのユニフォームを使うなどの工夫次第でここはかなり抑えられるのではないかとも感じる。
②スポンサーが別々だと…
これは利益③と表裏一体だ。前述の通り、スポンサーを一二軍で別々にすると、それぞれ一軍監督、二軍監督の人事がバラバラになってしまうという危険性を孕んでいる。例を挙げるとすると、中日二軍のスポンサーに興和製薬が着いた場合、一軍は中日新聞社が監督を決め、二軍監督は興和製薬が決めるとなると、やはり一貫性に欠ける。この制度を実現させるためには、二軍のスポンサーは人事や傭兵に介入しないということが絶対条件になるだろう。
最後に
後編では、僕が考えた各球団の二軍球団名を書いていくこととしよう。「これぞ理想の○○」シリーズは久しぶりなので、いつも以上に拙い文章となってしまうかもしれないが。