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新人が光った三星2連戦

 格下のKBO球団が相手とはいえど、今季初の対外試合を最高の形で終えることが出来た。今回は、そんな2連戦を回顧することとしよう。

出世番号57に天才の予感

 いい選手との評判は聞いていたものの、正直に言ってここまでいい選手だとは思わなかった。新人の山浅龍之介がこの連戦で1番輝いた新星だろう。

 この選手はクセがないところがクセなのだろう。第1戦では左腕投手のクロスファイアを引き付けて左中間に、2戦目は右腕投手の甘い球を引っ張って右翼線上に乗せる広角打法を見せたのだ。これが高卒新人の打撃と言うので驚きだ。同じ捕手を守る広島の坂倉将吾を彷彿とさせるものがある。現在、中日は木下拓哉が正捕手に君臨しているが、彼には体力面で非常に大きな課題がある。従って、木下の休養が欲しい時の捕手に山浅がバッチリとハマるのではないかというのが僕の予想である。昨年弱冠18歳で佐々木朗希の完全試合をアシストした松川虎生のように「すぐに使える新人捕手」となるのではないか。

 ただ、このnoteに幾度となく投稿した通り、新人選手を一軍戦力の計算に入れてはならないのだ。今季は京田陽太と阿部寿樹のレギュラー2人を放出したことによって、二遊間を守る村松開人や田中幹也はある程度計算に入れる必要はあるが、捕手は既に木下拓哉という大黒柱がいる。彼と2番手として復帰した加藤匠馬、そしてベテランの大野奨太と若い石橋康太に大きなアクシデントがない限りは二軍で金の卵として養成することが最善だろう。

村松、田中は対照的

 前述の通り、ある程度の期待をせざるを得ない村松、田中の新人コンビは文字通りの「似て非なるもの」である。打撃は左右の違いはあれど、バットに球を当てる能力に秀でた巧打者であることは共通しているのだが、守備に関してはまさに真逆である。

 まず、田中幹也は非常に俊敏で、キビキビとした動きが特徴的だ。まさに一球一球地を這うように構え、右へ左へと飛び回るタイプの野球少年がそのまま大人になったような選手である。阪神で活躍した平野恵一現中信兄弟コーチに似ていると感じる。これとは対照的に、村松は俊敏ではないものの非常にクレバーな守備をする印象だ。守備範囲も広く、派手なプレーがなくても取れてしまうので美技が美技に見えないタイプの選手だ。こちらは他でもない立浪和義現中日監督や荒木雅博現中日コーチの現役時代を彷彿とさせる。対照的ではあるものの、どちらもいい選手である。今季は併用という形になるだろうが、どちらがレギュラーを奪取するのか、見ものである。

元ベイコンビも

 最後になるが、横浜からトレードにてやってきた砂田毅樹と細川成也の存在も忘れてはならない。

 横浜時代の砂田はセットポジションからテンポよく投げていた事が印象的であったが、昨日は髙橋宏斗と同じノーワインドアップモーションでの投球。これは自分のリズムで投げられるという長所を活かせられるかに期待しよう。細川は早くも本塁打を放つ活躍。中日にはいない力で圧倒するタイプの選手なので、これは楽しみである。新任の和田一浩コーチのヒット作となるだろうか。

最後に

 何をどう書けばいいか分からないほど、色々な選手が活躍した初の対外試合だった。とてもいい滑り出しである。

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