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【140字/空想】常設展の甘い誘惑

午後の館内はひんやりしていた。
微かな空調の音。
一番奥の部屋の小さな絵。
今が見頃の庭の薔薇。
新しい剪定バサミが必要かしら。
そう声にして気がついた。
隣には同じように絵を見つめる人。
この薔薇を摘みに来ませんか?
微笑みとともに届けられた言葉に頷き
私は彼と二人、庭への扉をそっと押し開ける。

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