【詩】春を待ちわびる時間
一人の午後に考える。
私は誰だろう、どこから来たのだろう。
何を求めてここにいるのだろう。
きっとそれは遠い遠いところから繋がっている。
大事な約束を果たしに来たの?
大切なものを探しに来たの?
掴めそうで掴めない、わかるようでわからない。
知りたいような、知りたくないような。
コチコチと刻まれる時計の音の上に
自分の鼓動をそっと重ね合わせる。
始まりと終わりと、終わりと始まりと。
今を生きていることがその答え。
あなたを想う私がそのすべて。
求めるぬくもりは伸ばした指先に届くだろうか。
それはいつだって私の胸を切なくさせる。
私が誰であろうと
あなたを想う気持ちに偽りはない。
それがどこから来るものなのか
答えてくれる人はいなかったけれど
春を待ちわびる午後の光は優しくて
その中でゆらめく柔らかな影は
時間の向こうにあるものを
みんな知っているような気がした。
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