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【自由詩】読む時間〜シロクマ文芸部〜

読む時間に眠りに落ちた
本を枕に夢を見た
幸せな夢を見た

僕と僕と僕が笑っていた
君と君と君が走って逃げたから
大きな声で笑いながら追いかけた
昨日と明日があべこべで
僕らはやってくる幸せに胸を高鳴らす
ああ あの頃の あの頃の あの頃の
誰よりも何よりも幸せだと思っていた時間
あの時にはわからなかったそれが
今なら痛いほどに感じられ
なのに扉を開けた途端
THE END

寝ぼけ眼に映る彼女に僕は微笑んだ
おはよう
穏やかな彼女の声に起き上がる

素敵な夢を見たんだ
僕と君とあの頃と
だけど大事なところで時間切れ
今度は彼女が微笑んだ
続きはきっとその中よ

彼女を抱いてページをめくれば
時を超える主人公の喜びと苦しみ
選択肢は無限だ
だけど選び取れるものは一つだけ
正解か不正解か誰にもわからない

答えってなんだろう
僕の問いに彼女が微笑みを深める
私たちは私たちの今を愛すればいいのよ
僕は彼女をより一層抱きしめた

そのぬくもりがすべてだった
僕らの答えの意味がそこに輝いていた


小牧さんのシロクマ文芸部に今週も参加!

お題は「読む時間」から始まる文章、
捻りたかった、斜め上行きたかった。
できたかどうかは怪しいけれど
それなりに納得できるものになってよかった。
現実なんだけどどこかファンタジー、
楽しんでもらえたら嬉しいです。

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