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その12 真夏の昼の夢って呼んでください

強烈な日射しの下、青息吐息だったのは人も花も一緒。それでもどうにか記録的な猛暑を乗り越えて、いよいよ秋到来。NYの8月後半は思う以上に涼しくなります。ついこの間も夜は15度まで下がりました。

と書いたのがしばらく前だったので(下書き放置が長すぎ、汗)、今週はまた少し熱が戻っていますが、とにかく今はスタートした秋バラシーズンを前に、まずは燃えるような高温の下でも夢のように美しかった二番花たちの、写真がある分を振り返ってみたいと思います。

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ノヴァーリス(アメリカ流通名ポセイドン)。今年ついに二番花。ああ、感動。しかし、なぜか1輪ずつしか咲いてくれない……切り戻し方がまずかったかなあ。成長を惜しんで、ついつい先だけって感じでしたから。冬の剪定はよく考えて、来春に備えたいものです。でもまだ時間があります。秋が深まる頃、もう1度咲いてくれるかなあ。そうだといいなあ。

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こちらストロベリー・ヒル。庭仕事をしていると、ふと素敵な香りが広がっているのを感じることがありますが、その正体は彼女。そんな時は本当、幸せな気持ちになります。やっぱりバラは香りがあるものが好き。

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そして、レディ・オブ・シャーロット。これ、かなり高い場所。私の頭上をはるかに超えた上。それでもたわわに咲くこの強さ。強烈な日差しのせいか色は若干薄めではありますが、まっすぐに空を向いて咲いています。まあ、私的には少々うなだれて顔を見せてもらっても良かったんですが(笑)。背伸びして、一生懸命撮りました。これも冬には、深めに剪定しなければいけませんね。

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過酷な真夏の太陽も一気に柔らかな雰囲気になるような、そんな佇まいのクレア・オースチン。気高い、その一言に尽きます。儚げなようで、、、けれど強い、かなり強い(笑)。今年の彼女は去年までと違います、まさに女王級。この幾重にも重なるフリルは本当に重いのですが、なんとも軽やかに咲き誇っております。

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移植したため出足が遅かったハニー・パヒュームもすっかり元気になりました。小さい株ながらも堂々の二番花。この子はノイバラのすぐ隣なので、時間帯によっては陰になったりするのですが、真夏にはちょうどいい感じなのかもしれません。黄色が映えてとてもフォトジェニック。

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そんなバラたちの脇で続々と色づいているブラックベリー。今年は株の世代交代もあり、春先にはいつもよりは大人しめな感じで、ああこれはきっと収穫も少ないなあと思っていたんですが、なんという生命力。冷凍庫がちょっと定員オーバーなので、先週末はせっせとジャム作りに励みました。

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それからバラの周りの青い花たち。かつてはラクスパーやアゲラタムなども育てていましたが、みんな1年草で終わってしまいました。そんな中で、毎年花を見せてくれるのは、零れ種からどんどん世代交代していく忘れな草、越冬し、着実に株を大きくしているロシアンセージとブルーサルビア。写真はありませんが、ラベンターにミントたちも。

これらはハチや蝶たちが好きな花でもあります。猛烈な気温もなんのその、みんな忙しく飛び回っていました。ハチが大好きな私は水やりの度に近寄って、その働きぶりを観察してはニヤニヤ。かわいい。特にクマバチ。モフモフ、強烈にかわいい(笑)。

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そして、番外編にも書きましたが、今年仲間入りしてくれたニゲラも青。念願の種が出来ました。あぁ本当に、なんという花でしょうか、これは。ギラギラと、全てが曝け出されるような真夏の日中にあっても、幻想的としか言いようがありません。霧の朝とかに撮ってみたいなあ(そんなにうまくはいきませんが)。

それから思わぬ仲間も増えました。

息子が米国史のクラスメイトや先生達のランチ会に出ている間、同じモール内にあるホームセンターに、トマト用の支柱とアマリリス用の植木鉢を買いに行った私。

炎天下を避けつつうろうろしていると「ALL ROSE 40%」のボードが。なんですって!並ぶワゴンに駆け寄れば(もう習性)、種類こそありませんでしたが(ほとんどがノックアウトローズでした)、ドリフトローズのグレーの植木鉢が少々。え!もしかして!

実は1ヶ月ほど前に見たのです。ドリフトローズというのは修景バラのシリーズです。何種類か色があります。でもその鉢はアメリカの原種でした。ピンクの一重。ちょっと記憶が曖昧で、ロサ・ヴァージニアナだったのか、ロサ・カロリーナだったのか定かではないのですが、どちらかのタグが付いていました。

通常は色名の後にドリフトと続く修景バラのはず。うそでしょ、なんで、まさか!特別なのかしら?何かの間違いとか?かなり迷いましたが即決できず、たまたま寄った遠方の店だったので、時間切れとなり諦めました。

そのグレーの植木鉢!近寄って覗けば、花はほぼ終わったあとでなんだかわかりません。タグも付いていません。ただ、ドリフトローズとのみ側面に。ああ、これは違うかもね。そう思ったんですが、ほぼ枯れたものや花のないものに混じって、幾つかの鉢は蕾をまだ持っていました。その蕾がなんとも綺麗な色で、どうにも離れがたい。

ダメダメ、来春ERを買うって決めてるんだから浮気しちゃダメ!スペースないんだから!だけどこれ、小さいよね。修景バラだし、足元に年間通して咲くバラがあるっていいんじゃないかしら?なんだかぐらぐらし始めました。

ドリフトローズ、確か色が4種類くらいあったはず。花が終わってしまった上に名無しさんばかりですが、蕾が開きかけていたこの鉢だけは色がわかりました。これはきっとアプリコット!実はこの系統の色に弱い私、ぐらぐらは加速するばかり……。

気がつけばカートに乗せておりました。さあ、お家に帰ろうか(苦笑)。持ち帰った後、すぐに咲いた花は思ったよりも濃いめでしたが、多分、アプリコットでしょう。大きさはミニばらとERの間くらい。でも色の変化が大きくて、実に趣のある花です。

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しかし修景バラというのがこれほどだとは思いませんでした。驚きました。蕾がどんどん上がってくる。そして終われば自ら花首をポロリと落とす。メイアンさん、すごいもの作りましたねえ。

ここ数年、名のあるバラが少なくなり、店にずらりとノックアウトローズが並んでいるのを見て、ちょっと寂しく感じていましたが、これほどのものだったとは!ローメンテナンスで綺麗な花が通年咲くなんて、夢のようですもんね。そりゃあ、くすぐられますよ。

とはいえ、これ以上うちにこの手のバラが増えることはないでしょうが、すごく勉強になったというか、バラというものについて考える良い機会をもらったというか、いいお買い物をしたと思っています。

さあ、秋バラがどんどん咲き始めました!ガーデニング開始です!


*ローズガーデンのこれまでのお話はこちらにまとまっています。




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イデ クララ ユカ
サポートありがとうございます。重病に苦しむ子供たちの英国の慈善団体Roald Dahl’s Marvellous Children’s Charityに売り上げが寄付されるバラ、ロアルド・ダールを買わせていただきたいと思います。

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