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メルマガ小泉悠と読む軍事大国ロシアの世界戦略

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#ベラルーシ

第289号(2024年12月16日) ベラルーシ軍参戦の可能性 ほか

【今週のニュース】ロシアと周辺諸国をめぐる政治・軍事上の動き中露がミサイル防衛対話を実施  12月11日、中露は「ミサイル防衛と戦略的安定性のミサイル面に関する協議」を北京で実施した。両国は「世界及び地域の安全保障を維持するとの観点から突っ込んだ議論を行い、特に短・中距離ミサイルについて意見交換を行った」としていることから、米国との中距離ミサイルバランスやロシアのオレシュニク中距離ミサイル(後述)についても議論がなされたのかもしれない。参加者などの詳細については一切明らか

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第269号(2024年6月17日) ロシア軍が戦術核演習第二段階を開始

【今週のニュース】ウクライナ向け戦闘機をめぐる二題ウクライナ空軍航空部隊司令官へのインタビュー  6月9日、『ラジオ・リバティ』が、ウクライナ空軍航空部隊司令官であるセルヒー・ゴルブツォフ准将のインタビューを掲載した。  JDAMの実証試験に目処がついてGBU-39とGBU-62の運用が始まったこと、これらの攻撃手段を活用するためにはロシアの防空システム排除が重要だがこの点についてはまだ交渉が続いていること、F-16を活用するには複合的な支援能力が求められることなど、興

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第228号(2023年7月3日)衛星画像分析 ロシアの核兵器はベラルーシのどこに配備されるのか?

【インサイト】衛星画像分析 ロシアの核兵器はベラルーシのどこに配備されるのか?プリゴジンの乱から1週間  えー、前号ではプリゴジンの乱について次号で扱う、ということを申し上げました。しかしその後、『フォーサイト』さんから緊急に依頼を受けまして、「乱」については現状で考えていることを概ね語りきったかな、と思っています。  もちろん、その後も続報は出てくるのですが、これらも含めた今回の件についての再評価はもう少し時間を置いてからにするつもりです。ということで、有料記事で申し訳な

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第223号(2023年5月29日) ウクライナの「パレスチナ化」と「イスラエル化」

【今週のニュース】ベラルーシへの戦術核兵器配備続報ベラルーシに戦術核兵器配備を「開始」 ルカシェンコ大統領  5月25日、モスクワでのユーラシア経済フォーラムに参加したベラルーシのルカシェンコ大統領は、同国への核兵器の移送に関する文書に署名したとプーチン大統領から口頭で知らされたと述べた。その上で、核兵器の移送が「始まった。既に始まった」と2回繰り返して述べたが、実際に自国に核兵器が既に存在しているかどうかは「帰国してからたしかめる」とした。  一国の大統領が自国への核兵

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第217号(2023年4月10日)NATO流出機密文書、戦術核兵器の配備先 ほか

【インサイト】流出したNATO機密文書とウクライナ軍の反攻作戦 ウクライナ戦争に関するNATOの機密文書が漏洩したのではないかという噂が広く出回っており、機密と書かれた文書の画像もネット上では閲覧することができます。日付は3月1日とされているので5週間ほど前の情報ではありますが、今回の戦争の実相を読み解く上で興味深い情報も数多く含まれているので、その中身を詳しくみていきたいと思います。 ロシア軍とウクライナ軍の損害 戦闘に関与している兵力 戦闘序列 ウクライナ軍の反攻

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第216号(2023年4月3日)ベラルーシへの戦術核配備 ロシアの思惑と今後の展開

【インサイト】ベラルーシへの戦術核兵器配備 ロシアの思惑と考えうる今後の展開プーチンの「戦術核配備発言」を読む  前号の脱稿直前、ロシアがベラルーシに戦術核兵器を配備する方針を決定したとのニュースが流れてきたことは編集後記で触れました。そこで今回は、本件が何を意味するのか、ロシアの狙いは何なのかについて考えてみたいと思います。  まずはプーチン大統領が表明した方針を把握しておきましょう。これは3月25日、国営テレビ「ロシア24」によるインタビューでプーチン大統領が発言したも

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第201号(2022年12月5日) 中露爆撃機が互いの基地に乗り入れ? ほか

【今週のニュース】中露爆撃機が互いの基地に乗り入れ? ほかロシア軍がザポリージャ原発からの撤退を準備中? 『メドゥーザ』2022年12月2日  ラトビアに拠点を置くロシア語メディア『メドゥーザ』が報じたところによると、ウクライナ軍参謀本部は、ロシア軍がザポリージャ原発の周辺地域から部隊を撤退させる準備に入ったと見ているようである。他方、『メドゥーザ』自身がロシア政府筋から確認した限りでは撤退の計画は具体的に存在するわけでないというが、その用意自体はあり、IAEAの管理下に

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第199号(2022年11月21日)ヘルソン陥落とロシアの「場外乱闘」

 【インサイト】ヘルソン陥落とロシアの「場外乱闘」ウクライナがついにヘルソンを奪還  前号で紹介したとおり、ロシアは11月9日にヘルソン市を含めたヘルソン州のドニプロ川西岸を放棄する方針を表明し、14日には同地域がウクライナ軍によって完全奪還されました。ヘルソンがロシア軍の占領下に入ったのは3月3日のことであり、実に8ヶ月ぶりに解放されたことになります。  ヘルソン市の解放は少なからぬ政治的意味を持ちます。同市はこの戦争が始まってからロシアが占拠した唯一の州都でしたから、

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第194号(2022年10月17日)部分動員開始から約1ヶ月 プーチン発言から読み解く

【NEW CLIPS】結婚を急ぐ出征兵士たち サンクトペテルブルグのクロルト地区結婚登記所(ZAGS)で、動員された兵士たちの合同結婚式が開催された(願わくば彼らの誰も死なず、殺さずして妻の元に帰れるように)。 【今週のニュース】スロヴィキン上級大将をウクライナ作戦司令官に任命 ほかベラルーシは参戦するか?  10月15日、ベラルーシに大規模なロシア軍部隊が到着した。10日にベラルーシのルカシェンコ大統領が発表したロシア・ウクライナ合同部隊(地域集団軍:RGV)の第一波と

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第189号(2022年8月29日)ロシア軍大増強の可能性と極東大演習

【今週のニュース】「ヴォストーク2022」演習をめぐる番狂わせ 8月29日、ロシア国防省は、予定されていた東部軍管区大演習「ヴォストーク2022」の詳細を公表した。以下、その中から興味深い点を取り上げてみたい。  第一に、従来は8月30日から9月5日とされていた実施日程が9月1日から7日に変更された。定期的な大演習の日程が突然変更されるというのは異例のことであり、おそらくかつてなかったのではないかと思われる。それも開始の前日に公表されるというのはさらに「異例感」が強い。  た

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第187号(2022年8月8日) HIMARSはゲームチェンジャーか? ほか

【今週のニュース】ロシア側専門家は戦況をどう見ているのか ほか今次戦争について ルスラン・プーホフへのインタビュー 『モスコフスキー・コムソモレーレツ』2022年8月6日  有名軍事シンクタンク「戦略技術分析センター(CAST)」のルスラン・プーホフが『モスコフスキー・コムソモレーレツ』のインタビューに答えている。言葉遣いはまるきりクレムリンのプロパガンダをなぞっており、いかにも「戦時下」という感じがあるが、そこで述べられている知見には相変わらず鋭いものがあるので、以下に

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第163号(2022年2月7日)ロシア軍集結、ウクライナ軍増強、ベラルーシは非核・中立放棄へ

【今週のニュース】続くロシア軍集結、ウクライナの兵力増強、ベラルーシは憲法改正で非核・中立放棄へ 昨年以来報じているように、ウクライナを巡っては軍事的危機が日増しに強まっており、緊張の緩和の兆しが一向に見えない。今回はその中でも直近の重要ニュースをいくつか取り上げてみた。 ウクライナ周辺のロシア軍は83個大隊戦術グループ(BTG)に 『FOX NEWS』2022年2月4日   米FOX NEWSが米政府当局者の談話として2月4日に報じたところによると、ウクライナ国境周辺

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第162号(2022年1月31日) OSINT新時代 力の論理とわたしたち ほか

【今週のニュース】輸血体制の拡充と集団埋葬規格の改定が意味するもの ほかロシア軍がウクライナ国境付近に輸血用血液を供給? 『ロイター』2022年1月29日   3人の米国当局者の発言としてロイター通信が報じたところによると、ロシア軍はウクライナ国境付近で緊急輸血用血液の供給体制を拡大している。  ロシア軍は戦闘部隊に加えて工兵部隊や補給部隊をウクライナ周辺に集結させており、これが単なるブラフではない可能性を示唆するものとされてきたが、輸血用血液を含む医療体制の整備は懸念を

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第161号(2022年1月24日) 大谷翔平は野球をサッカーに変えるか ほか

【NEW CLIPS】ベラルーシにロシア軍東部軍管区の部隊が続々と展開・ウクライナ国境に近いホメリ(ゴメリ)州レチッツァの駅に到着したロシア軍部隊。近代化改修型のT-80BVMを装備していることから東部軍管区の第64独立自動車化歩兵旅団から抽出されたBTG(大隊戦術グループ)と見られる。 ・こちらはT-72Bを装備した別の部隊。計31両映っており、1個戦車大隊の定数ピッタリであることがわかる。 ・さらに航空宇宙軍のSu-35S戦闘機12機も極東(おそらく第23戦闘機連隊)

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