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メルマガ小泉悠と読む軍事大国ロシアの世界戦略

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#安全保障

第293号(2025年1月27日) 極東でのロシア軍の活動、バルト海で相次ぐ海底インフラ破壊、インド・北朝鮮とロシアの軍事協力

【今週のニュース】極東でのロシア軍の活動、バルト海で相次ぐ海底インフラ破壊、インド・北朝鮮とロシアの軍事協力ロシア空軍の爆撃機部隊が極東で訓練を実施  ロシア航空宇宙軍(VKS)の爆撃機運用部隊である長距離航空隊(DA)が、極東地域で訓練を実施している。2025年1月25日、ロシア国防省が発表した。  小部隊単位(подразделениеэ:VKSの場合は飛行隊)で実施される第一段階に続き、第二段階では兵団(соединение:航空師団)及び軍事部隊(воинска

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第292号(2025年1月20日) ベロウソフのロシア軍改革計画と中露軍事協力の行方  ベラルーシに配備される「核」と「オレシュニク」

【今週のニュース】北方領土駐屯師団がロシア陸軍最優秀部隊に ほか混乱相次ぐウクライナの軍事政策  戦争が長引く中でゼレンシキー政権の戦争指導についての批判・不満・混乱が報じられることが増えてきた。そのうちの一つが陸軍第155独立機械化旅団「アンナ・キエフスカヤ」の新編問題である。同旅団は西側の支援で新編される14個旅団の一つという位置付けであったが、当初から指揮官の不足など問題が山積しており、訓練のために送られたフランスでは50名以上の兵士が脱走するという失態まで引き起こ

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第291号(2025年1月6日) 「適応」するロシア軍と日韓攻撃計画?

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第290号(2024年12月23日) ロシア戦略核戦力の現状と将来像 「死の手」システムを増強へ

【インサイト】ロシア戦略核戦力の現状と将来像 「死の手」システムを増強へ戦略ロケット軍創立65周年  ロシア軍の機関紙『赤い星』(2024年12月17日付)に、カラカエフ戦略ロケット部隊(RVSN)司令官のインタビューが掲載されました。RVSNが創立65周年を迎えたことに因むものです。  ということは、フルシチョフ政権下の1959年にRVSNができているわけですが、プーチン政権下の2001年に軍種から独立兵科という扱いに変わって現在に至っています。『原子力科学者紀要』が毎

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第289号(2024年12月16日) ベラルーシ軍参戦の可能性 ほか

【今週のニュース】ロシアと周辺諸国をめぐる政治・軍事上の動き中露がミサイル防衛対話を実施  12月11日、中露は「ミサイル防衛と戦略的安定性のミサイル面に関する協議」を北京で実施した。両国は「世界及び地域の安全保障を維持するとの観点から突っ込んだ議論を行い、特に短・中距離ミサイルについて意見交換を行った」としていることから、米国との中距離ミサイルバランスやロシアのオレシュニク中距離ミサイル(後述)についても議論がなされたのかもしれない。参加者などの詳細については一切明らか

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第288号(2024年12月9日) アサド政権の崩壊とロシアの軍事プレゼンスの行方

【インサイト】アサド政権の崩壊とロシアの軍事プレゼンスの行方アサド一家、モスクワへ  50年にわたってシリアで独裁体制を続けてきたアサド政権が、ついに崩壊しました。12月8日には首都ダマスカスを制圧した反体制派が勝利宣言を出しており、バッシャール・アサド大統領は飛行機で逃亡したと見られています。ロシアの国営通信社TASSがロシア大統領府筋の情報として報じたところによると、アサドは家族と共にモスクワへ逃れ、亡命を認められたとのこと。 ロシア外務省の声明  さらに本稿の脱

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第286号(2024年11月25日) 西側製兵器によるロシア領攻撃とロシアの核ドクトリン改訂

【インサイト】西側製兵器によるロシア領攻撃とロシアの核ドクトリン改訂初のロシア領攻撃に投入されたATACMS  ウクライナにおいてミサイル攻撃の応酬が激化しています。  前号で滑り込み言及したように、バイデン政権は先週、米国製長距離兵器(つまりATACMS)によるロシア領への攻撃をついに認めました。これに合わせて英仏のストームシャドウ/スカルプ空中発射巡航ミサイルのロシア領への使用も認められ、これによってウクライナが供与された西側製兵器には基本的に使用制限は無くなったとい

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第283号(2024年10月28日) 北朝鮮軍、ウクライナへ

【インサイト】北朝鮮軍、ウクライナへ 予想される露朝の狙いと戦争の今後ロシア国内に現れた北朝鮮兵たち  なんだか三十年くらい前の仮想戦記でも書いているような気分ですが、こういうことを大真面目に記すことになってしまいました。  前号でも簡単に触れたように、10月半ば以降、北朝鮮軍がウクライナでの戦争に参戦するため、ロシア領内に入ったのではないかという報道が相次ぐようになりました。ウクライナ・韓国の政府も「北朝鮮軍がロシアに入った」と述べています。  この間、現地からは映像

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第282号(2024年10月21日) 明らかにされた「勝利計画」の中身と戦争の行方

【今週のニュース】北朝鮮軍がついにウクライナの戦場へ?オーストラリアがウクライナにM1を供与  オーストラリア陸軍から間も無く退役予定のM1A1戦車49両がウクライナに供与されることになった。より新しいM1A2戦車の導入に伴う措置。ただし、ウクライナへの直接供与ではなく、アルバニア政府を介しての供与となるようだ。  ウクライナ軍に配備されたM1戦車は米国が供与した31両のみであり、うち少なくとも16両は既に失われている(Oryx調べ)。残る15両もおそらくはそんなに稼働

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第281号(2024年10月7日) ゼレンシキーの「勝利計画」とロシアの核ドクトリン改訂論の見どころ

【今週のニュース】相変わらずじわりと進む中露軍事協力ロシア軍が中国製軍用車両を使い始めた?  ロシア軍に中国製のZFB-05軽装甲車が配備されているという話がテレグラム等で出回っている。大手紙『モスクワ・タイムズ』ものこの話を取り上げており、全線で撮影された写真に映っているのは確かにZFB-05だという専門家の談話を紹介した。また、この専門家は、ZFB-05が中国から直接供与されたものではないとしても、アフリカあたりからブローカーを介して買ってこられるだろうという見方も示

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第280号(2024年9月30日) 中露の海軍演習とロシア海軍機による日本領空侵犯

【今週のニュース】太平洋艦隊がついにSSBN5隻体制へロシア軍の定員が1.5倍増 150万人体制へ  9月16日、ロシアのプーチン大統領は大統領令第792号「ロシア連邦軍の定員の設定について」に署名した。その名のとおりロシア軍の定員を決定するものである。これによると、ロシア軍全体の新たな定員は238万9130人、うち軍人は150万人ちょうどとされた。発効は12月1日以降となっている。  今回の戦争が始まる前のロシア軍の総人員は189万7694人、うち軍人は101万362

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第279号(2024年9月9日) ロシアの核ドクトリン改訂問題と「核攻撃リスト」

【今週のニュース】ロシアの核ドクトリン改訂問題と「核攻撃リスト」 ほかウクライナ軍の総兵力は88万人  ウクライナ軍の総兵力は現在、88万人であることを同国のゼレンシキー大統領が明らかにした。ドイツの公共放送ARDとのインタビューで明らかにしたもの。また、このインタビューでは、約3000万人の人々がウクライナに残って働き、税金を払っていると述べ、開戦前の労働人口3700万人と比較して700万人ほど減少(多くは国外に脱出したとみられる)したことを認めた。  なお、2024

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第278号(2024年9月2日) 核兵器の「抑止」的効用とウクライナの長距離攻撃能力(とロシアの原子力巡航ミサイル?)

【インサイト】核兵器の「抑止」的効用とウクライナの長距離攻撃能力(とロシアの原子力巡航ミサイル?)「核ドクトリンを修正中」 ラヴロフ外相  ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相が「核ドクトリンを修正中である」と述べたことを『ヴェドモスチ』が報じています。8月27日に行われたイエメン外相との会談後、記者会見で述べたもの。正確には次のような発言でした。 「我々には独自のドクトリンが、核兵器の使用に関するものも含めて存在するということを理解するのは非常に重要だ。それ(訳註:「核ドクト

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第277号(2024年8月26日) ウクライナのクルスク侵攻と鍵を握る米国の出方

【今週のニュース】日米韓安保協力は「東方におけるNATOのクローン」ノルドストリーム2爆破事件をめぐる続報  ロシアと欧州をつなぐ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム2」が2022年9月に爆破された件について、ウクライナ人の男に対して逮捕状が出されていたことが明らかになった。問題の男はポーランド在住で、ドイツ当局が逮捕状を出したものの、ポーランド当局が身柄を拘束する前にポーランドを出国した。その後の行方については報じられていないが、ドイツのマスコミは名前や居所を知ってい

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