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メルマガ小泉悠と読む軍事大国ロシアの世界戦略

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メールマガジン「小泉悠と読む軍事大国ロシアの世界戦略」の中から興味のある記事だけお手軽にどうぞ。毎週一回更新。定期購読はこちらから https://www.mag2.com/m/…
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#中国

第289号(2024年12月16日) ベラルーシ軍参戦の可能性 ほか

【今週のニュース】ロシアと周辺諸国をめぐる政治・軍事上の動き中露がミサイル防衛対話を実施  12月11日、中露は「ミサイル防衛と戦略的安定性のミサイル面に関する協議」を北京で実施した。両国は「世界及び地域の安全保障を維持するとの観点から突っ込んだ議論を行い、特に短・中距離ミサイルについて意見交換を行った」としていることから、米国との中距離ミサイルバランスやロシアのオレシュニク中距離ミサイル(後述)についても議論がなされたのかもしれない。参加者などの詳細については一切明らか

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第281号(2024年10月7日) ゼレンシキーの「勝利計画」とロシアの核ドクトリン改訂論の見どころ

【今週のニュース】相変わらずじわりと進む中露軍事協力ロシア軍が中国製軍用車両を使い始めた?  ロシア軍に中国製のZFB-05軽装甲車が配備されているという話がテレグラム等で出回っている。大手紙『モスクワ・タイムズ』ものこの話を取り上げており、全線で撮影された写真に映っているのは確かにZFB-05だという専門家の談話を紹介した。また、この専門家は、ZFB-05が中国から直接供与されたものではないとしても、アフリカあたりからブローカーを介して買ってこられるだろうという見方も示

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第280号(2024年9月30日) 中露の海軍演習とロシア海軍機による日本領空侵犯

【今週のニュース】太平洋艦隊がついにSSBN5隻体制へロシア軍の定員が1.5倍増 150万人体制へ  9月16日、ロシアのプーチン大統領は大統領令第792号「ロシア連邦軍の定員の設定について」に署名した。その名のとおりロシア軍の定員を決定するものである。これによると、ロシア軍全体の新たな定員は238万9130人、うち軍人は150万人ちょうどとされた。発効は12月1日以降となっている。  今回の戦争が始まる前のロシア軍の総人員は189万7694人、うち軍人は101万362

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第275号(2024年8月5日) 中国の北極圏展開と中距離ミサイル危機

【今週のニュース】ブルガーコフ元国防次官逮捕 ほかチェコからウクライナへの砲弾供給続報  4月、チェコのパヴェル大統領がウクライナへの砲弾供給プログラムを開始したことはこのメルマガでも何度か取り上げてきた。各国から資金を募り、EU域外から砲弾を買ってきてウクライナに供給しようというものである。  当初は思ったほど資金が集まらないとか、供給国が砲弾の価格を釣り上げるなどのトラブルに見舞われたものの、6月には最初の5万発がウクライナに届いたとされ、チェコ政府は年末までに最大で

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第201号(2022年12月5日) 中露爆撃機が互いの基地に乗り入れ? ほか

【今週のニュース】中露爆撃機が互いの基地に乗り入れ? ほかロシア軍がザポリージャ原発からの撤退を準備中? 『メドゥーザ』2022年12月2日  ラトビアに拠点を置くロシア語メディア『メドゥーザ』が報じたところによると、ウクライナ軍参謀本部は、ロシア軍がザポリージャ原発の周辺地域から部隊を撤退させる準備に入ったと見ているようである。他方、『メドゥーザ』自身がロシア政府筋から確認した限りでは撤退の計画は具体的に存在するわけでないというが、その用意自体はあり、IAEAの管理下に

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第178号(2022年5月30日) ドンバスでの「古い戦争」とヘルソンでの「柔道」

【NEW CLIPS】サルマート重ICBM特集その2【今週のニュース】ロシア軍の入隊制限撤廃 ほかロシア軍の入隊年齢制限を撤廃 『TASS』2022年5月28日   今月28日、プーチン大統領は連邦法『軍事義務及び軍事勤務について』の改正法案を承認した。従来の同法33条では契約軍人(志願制で勤務する兵士及び下士官)の入隊年齢(最初の契約を結ぶ際の年齢)を18歳から40歳(ロシア国民の場合)または18歳から30歳の間に制限していたが、今回の法改正ではこの制限が撤廃された。  

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第154号(2021年11月22日) 中露爆撃機尖閣接近の意味 松輪島に新基地が出現

【今週のニュース】ロシア軍の対潜戦訓練と衛星破壊実験北方艦隊で対潜戦訓練を実施 『TASS』2021年11月20日  20日、北方艦隊広報部は、バレンツ海で対潜戦訓練が実施されたことを明らかにした。発表によると、この訓練は攻撃型原潜と弾道ミサイル原潜(SSBN)の対抗訓練であり、この過程では潜水艦から水上艦艇に対する魚雷攻撃訓練が実施されたほか、SSBN自身も魚雷使用を行なったとされる。  以上の内容から判断するに、おそらくはSSBNを狩り出そうとする外国原潜への対処が主

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第152号(2021年11月8日) 中露軍事協力との向き合い方、ベラルーシと新「共通軍事ドクトリン」

【今週のニュース】爆撃機と無人機の連携、ロシアとベラルーシの共通軍事ドクトリン無人機を「眼」とするロシアの爆撃機  ロシア国防省系テレビ局「ズヴェズダ」のサイトに掲載された一本の記事が、ロシア軍事ウォッチャーから注目を集めている。ロシアで開発中の新型無人航空機(UAV)を紹介してく中で、ステルス戦闘無人機(UCAV)オホートニクがTu-95MS戦略爆撃機からの遠隔操縦を受けていたという記述がそれだ。  Tu-95MSによるUAVの遠隔操縦という事実自体は2020年12月2

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第150号(2021年10月25日) 中露艦隊日本一周、アフガン情勢とロシア、核兵器禁止条約 ほか

【インサイト】核兵器禁止条約「オブザーバー参加」という選択肢 今年1月22日に核兵器禁止条約(TPNW)が発効しました。もちろん、P5といわれる五大核大国、印パ、北朝鮮、イスラエルなどは非加盟ですが、とにもかくにも核兵器の存在そのものを違法とする法規範ができたということは、この究極と兵器と人類との付き合い方における一つの画期であることは間違いないと思います。  翻って日本はと言えば、我が国周辺の仮想敵国(ロシア、中国、北朝鮮)の全てが核保有国となり、しかもその質的近代化(と中

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第149号(2021年10月18日) 日本海での米中露つばぜり合い ほか

【今週のニュース】中露海上合同演習で米とのつばぜり合い、新型ミサイル防衛システム「アエロスタット」 ほか バール地対艦ミサイルシステムの射程が500kmに?  TASS、2021年10月19日  TASS通信が軍需産業筋の談話として伝えたところによると、3K60バール地対艦ミサイル用に開発された新たなミサイルの発射試験が実施され、その射程距離は500km以上に及んだ。現在、バールから発射できるのはKh-35(射程120km)またはKh-35U(射程260km)のいずれかだ

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第148号(2021年10月11日) ロシア軍の「北極艦隊」構想 ほか

【今週のニュース】北極艦隊を設立? ロシア軍で大規模人事異動ロシア軍の新型ミサイル・ロケットの試験動向  10月11日、軍需産業筋の談話としてTASS通信が報じたところによると、新型重ICBMサルマートの飛行試験が年内に2回予定されている。うち1回は11月中に実施予定であるという。  サルマートについてはこれまでポップアップ試験(サイロからの射出までやるが、実際の軌道には投入しない)しか行われておらず、飛行試験の日程は伸び伸びとなっていた。飛行試験は2022年にも継続され、

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第126号(2021年4月19日) ウクライナ企業を狙う中国思惑 ロシア軍のロボット化部隊 ほか

存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。 定期購読はこちらからどうぞ。 【インサイト】中国によるウクライナのエンジン工場買収阻止の背景 狙いは巡航ミサイル用エンジン? すでに日本でも報じられているように、ウクライナ政府は同国のエンジン工場「モトール・シーチ」が中国企業に買収されるのを阻止するため、国有化することを決定しました。  同社はソ連時代から軍用ジェットエンジンを製造してきた老舗メーカーですが、中国はなぜ同社に

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第104号(2020年10月26日)中露軍事同盟の可能性、新START延長、ロシア軍削減論ほか

存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。 定期購読はこちらからどうぞ。 【レビュー】中国との軍事同盟は「想像しうる」、新START延長支持…ヴァルダイ会議でのプーチン大統領発言を読む ロシア政府は毎年秋に「ヴァルダイ・ディスカッション・クラブ(通称ヴァルダイ会議)」と呼ばれる大掛かりな有識者会合を開催しています。日本からはロシア研究の第一人者の一人、下斗米伸夫・神奈川大学特別招聘教授や畔蒜泰助・笹川平和財団シニア・リ

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第99号(2020年9月14日) ロシア軍カフカス大演習の概要 人民解放軍がついに欧州でも合同訓練へ

存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。 定期購読はこちらからどうぞ。 【インサイト】ロシア軍カフカス大演習の概要 人民解放軍がついに欧州でも合同訓練へ 毎年9月はロシア軍の軍管区大演習の季節です。  この10年ほどのサイクルでは、4つある軍管区がそれぞれ持ち回りで大演習の舞台となるため、各軍管区では4年に1回、大きな演習があるということになります(ただし来年からは北方艦隊が独立した軍管区になることが決まっているため

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